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「今日のパートナー」 社会復帰について考える

「社会復帰」ということばを、
わたしたちはわりあいと他人事のように使っている。
「社会復帰できてよかったですね」なんて。
それは、だいたい心身共に傷ついた社員が復職した後やら、
過ちを犯した後の心を入れ替えて「えらい」くらいの感じで、
さらっと私たちの領地へおかえりなさいという具合だ。
もっとも、国をあげて解決すべき「社会復帰」というのもどうだろう。
経験しないお役所仕事で、いかにもかわいそうな人をみるように、
「社会復帰」した人のこれまでを語るのも、
なんだか聞き苦しいような気がする。

パートナーは「社会復帰」”中”の人であって、
なんというのだろう、そばにいる私には、
人間の不思議な、生きる力が備わっていることを知った。
パートナーは、犯罪者ではなく、
一般の生活に戻るためにカウンセリングや時短勤務などで努力している。
大きく健康を損なっている心身を押して、無理をしてさまざまな感覚を奪われた。
その失った感覚を、専門の医療関係者や、
私や周囲のコミュニティの助けを借りて、
本来の姿を取り戻そうという「社会復帰」だ。

最初、主導したのは、パートナー本人というよりは私だが、
「社会復帰」を目指した主体は、パートナー自身なのだ。
ドラマや漫画の主人公たちのような、
キャラ設定に基づいた一貫性のある行動原理があるわけじゃない。
だから、はじめて、自分がこうしたいと思った通りに動いたり、
休んだりして、自分がどういう気持ちなのかを確かめるようにして、
置き去りにしてきた正直な気持ちを、一つずつ拾い上げてきた。

わたしは、無理してでも努力し、勝利を掴み取った人に向けてではなく、
無理をしてきた自分をぎこちない言葉で励まし続けるパートナーに対して、
こころの底からの「尊敬」を感じた。
真剣で、こだわりが強い、
他の人たちがまあいいかで済ませることを妥協できないでいる人。
思えば、はじめて出会ったころは、
表情と言動と声の印象が全てバラバラな人だったけれど、
こんなふうに、真っ直ぐな目で馬鹿話で笑えるようになったのは、
かなり変わったような気がする。

わたしは、パートナーのように、
こんなふうに笑える人でいられるだろうかと自問した。
「君だからできた」とエールを送りたい気持ちになった。

きょうもnoteを読んでくれてありがとうございます。
「どうしたら素直に笑えるだろう」と考えることも、社会復帰の第一歩です。

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