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職人探訪

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漆琳堂8代目当主 内田徹が、越前漆器のつくり手を訪ねながら、ものづくりへの想いをインタビューします。
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【職人探訪vol.9】 漆のことならお任せあれ!日本の漆器産地を支える箕輪漆行 前編

【職人探訪vol.9】 漆のことならお任せあれ!日本の漆器産地を支える箕輪漆行 前編

こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。

越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。
前回からしばらく経ちましたが、コロナ禍も少し落ち着き、ようやく世の中が再び動き出してきた感じがいたします。

職人探訪でも引き続き、漆器にかかわるヒト・モノ・コトをお伝えしていきたいと思います。どうぞおつき合いください。

第9回目は、越前漆器の産地、河和田(かわだ)のお隣、越前市にある箕輪漆行(みのわし

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【職人探訪vol.8】見えない部分へのこだわりにこそ職人のプライドが光る。下地師・三崎茂さん

【職人探訪vol.8】見えない部分へのこだわりにこそ職人のプライドが光る。下地師・三崎茂さん

こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。
越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。

第8回目は、鯖江市で丸物漆器の下地を手がける三崎茂さんをご紹介します。

下地は塗り物の基礎となる重要な工程です。完成すると見えなくなってしまう部分ではありますが、漆器のクオリティが大きく左右されるといっても過言ではありません。

三崎さんには漆琳堂の器の下地もお願いしていますが、さすがこの道50年のベテ

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【職人探訪vol.7】塗師一家が惜しむほどの繊細な技術を持つ蒔絵師・小林直彦さん

【職人探訪vol.7】塗師一家が惜しむほどの繊細な技術を持つ蒔絵師・小林直彦さん

こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。
越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」

2018年8月、漆琳堂と40年以上の付き合いだった蒔絵師・小林直彦さんがお亡くなりになりました。突然の、出来事でした。

今回は漆琳堂を支えてくれている父母とともに、蒔絵師・小林さんの活躍を振り返りました。

内田母「パタンと亡くなって、急死。昨日まで生きてた人が、次の日、いなくなったって感じ。」

ーほん

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【職人探訪vol.6】漆器に化粧箱あり。寸分の狂いない箱を手作業でつくり続ける・奥村省造さん

【職人探訪vol.6】漆器に化粧箱あり。寸分の狂いない箱を手作業でつくり続ける・奥村省造さん

こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。
越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。

第6回目は、鯖江市で紙器(化粧箱)を製造する奥村紙器製作所の奥村省造さんをご紹介します。

日常生活のさまざまな場面で見かける箱。お菓子などの食べ物を入れたり、靴や服飾品を入れたりなど、収納や贈答のシーンには必要不可欠なものです。

私たちがつくる漆器にも化粧箱は欠かせません。贈り物は化粧箱で第一印象が左

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【職人探訪vol.5】「研ぎ」が漆器の出来栄えを大きく左右する。この道62年の研ぎ師・赤川礼子さん

【職人探訪vol.5】「研ぎ」が漆器の出来栄えを大きく左右する。この道62年の研ぎ師・赤川礼子さん

こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。
越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。

第5回目は、鯖江市河和田地区で長年お椀などの丸物の「研ぎ」を手掛ける赤川礼子さんをご紹介します。

漆器は木地や下地、塗りなど、工程ごとに多くの職人たちがかかわり、つくられています。なかでも、下地から中塗り、上塗りと漆を塗り重ねるごとにバトンを受け取っているのが「研ぎ師」です。

「研ぎ」は、漆を塗った器

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【職人探訪vol.4】漆に魅了されて移住した若手職人・嶋田希望・宮沢結子・髙橋菜摘

【職人探訪vol.4】漆に魅了されて移住した若手職人・嶋田希望・宮沢結子・髙橋菜摘

こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。
越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。
第4回目は、漆琳堂若手職人の嶋田希望(しまだ・のぞみ)・宮沢結子(みやざわ・ゆいこ)・髙橋菜摘(たかはし・なつみ)です。

今回は、聞き役として村上なつかさんに入っていただきました。
村上さんは、2020年に昨年鯖江市に移住し、産業観光イベント「RENEW」の事務局長としても産地で活躍されています。

漆に

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【職人探訪vol.3】職人と作家を自由に行き来しながら、新しいものづくりのスタイルを探究する蒔絵師・山本由麻さん

【職人探訪vol.3】職人と作家を自由に行き来しながら、新しいものづくりのスタイルを探究する蒔絵師・山本由麻さん

こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。
越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。

第3回目は県外から福井に移住した、蒔絵師の山本由麻(やまもと・ゆま)さんをご紹介します。

山本さんが暮らすのは、鯖江市のお隣、越前打刃物の産地である越前市。
包丁の「柄」を製作する山謙木工所で、蒔絵をを手がけています。

山謙木工所は今年9月に、和包丁の柄と工芸品に特化したギャラリー「柄と繪(えとえ)」

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【職人探訪vol.2】新しい技術や素材を取り入れ、進化し続ける下地の職人・森田清照さん

【職人探訪vol.2】新しい技術や素材を取り入れ、進化し続ける下地の職人・森田清照さん

こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。
越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。

第2回目は越前漆器のなかでも角もの(お盆や重箱)の「下地」を手がけている森田清照(もりた・きよてる)さんをご紹介します。

下地とは木地の状態を整えて補強し、漆を塗れる状態にすること。
あまり知られていないかもしれませんが、堅牢な漆器をつくるためには欠かせない大変重要な工程でもあります。

下地では、木地

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【職人探訪vol.1】どんなものにも描く緻密な技術。産地の第一線で活躍する蒔絵師・森田昌敏さん

【職人探訪vol.1】どんなものにも描く緻密な技術。産地の第一線で活躍する蒔絵師・森田昌敏さん

こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。

越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。
第1回目は越前漆器の産地、福井県鯖江市河和田(かわだ)地区の蒔絵師で伝統工芸士でもある森田昌敏(もりた・まさとし)さんをご紹介します。

蒔絵とは、漆器の表面に漆で絵や模様を描き、その上に金や銀の粉を蒔いて研ぎ磨いたもの。

漆琳堂が塗りを手がけた椀の蒔絵も、森田さんにお願いすることが多いのですが、どんな

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「職人探訪」はじめます 〜ご挨拶と漆琳堂のこと〜

「職人探訪」はじめます 〜ご挨拶と漆琳堂のこと〜

みなさま、こんにちは。
漆琳堂の8代目当主、内田徹です。

少し前からnoteをぽつぽつと更新していましたが、今回から「職人探訪」という試みをはじめてみることにしました。

あまり知られていない漆器づくりの裏側やものづくりにかかわる産地の人たちのことなど、みなさまにご紹介できればと思っています。

今回はあらためて越前漆器や私たち漆琳堂のこと、なぜ「職人探訪」をはじめるのかなど、ご挨拶に代えてお伝

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