内田徹「漆琳堂」8代目当主
漆琳堂8代目当主 内田徹が、越前漆器のつくり手を訪ねながら、ものづくりへの想いをインタビューします。
工藝と暮らし、禅と生きる。
こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。 越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。 第13回目は、漆琳堂に「木地師」として入社した近澤 蒔(以下、蒔ちゃん)をご紹介します。 木地師とは、木材を轆轤(ろくろ)で挽き、お椀やお盆といった丸物木地に仕上げる職人のこと。鉋(かんな)を自身で加工し、木地を高い完成度で仕上げていきます。蒔ちゃんは漆琳堂の木地師として、腕を振るっています。 実は木地師が漆琳堂に在籍するのは約100年ぶりのこと。 漆琳堂はこれまで「漆塗り」
こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。 越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。 第12回目は、福井県鯖江市河和田で漆器に装飾を施す蒔絵師、助田幹夫さんをご紹介します。 漆工芸の技法である「蒔絵」は漆器に漆で文様を描き、その上に金や銀の粉を蒔いて固め、光沢の出る研ぎを繰り返し、高度な技術を使って装飾していきます。 漆器といえば、黒色や朱色で塗り上げた艶やかなお椀やお盆を思い浮かべる方が多いと思いますが、漆は塗ることで美しく丈夫にするだけでなく、接着剤みたいに
こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。 越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。 今回は私たち漆琳堂と長い付き合いのある山下弘行さんをご紹介したいと思います。 山下さんは河和田で3代続く指物師。「室(ムロ)」をはじめ、漆器づくりに欠かせないさまざまな道具を手がけています。 ※ムロは産地によって「風呂」と呼ぶところもあります。 漆器を回転させて乾かす「回転風呂」山下さんとのお話の前に、まずは「ムロ」についてご紹介したいと思います。 ムロとは漆を塗った器を乾
こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。 越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。 前回は日本一の漆取扱量を誇る福井県越前市の漆問屋、箕輪漆行(みのわしっこう)の代表取締役社長 蓑輪利一さんに、漆の精製技術や豊富な商品について紹介していただきました。 後編では漆の貯蔵庫に移動し、普段の仕事を通じて感じる漆の良さやこれからの漆の可能性について語っていただきます。 漆を取り巻く環境の変化ーーすごい量の漆ですね。これは中国産ですか? ほとんどが中国から輸入された生漆
こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。 越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。 前回からしばらく経ちましたが、コロナ禍も少し落ち着き、ようやく世の中が再び動き出してきた感じがいたします。 職人探訪でも引き続き、漆器にかかわるヒト・モノ・コトをお伝えしていきたいと思います。どうぞおつき合いください。 第9回目は、越前漆器の産地、河和田(かわだ)のお隣、越前市にある箕輪漆行(みのわしっこう)をご紹介します。 漆器づくりに欠かせない漆。 越前漆器だけでなく全国各
創業1793年(寛政5年)伝統工芸越前漆器の塗師屋「株式会社漆琳堂」は、2023年に創業230周年を迎えました。 みなさまのおかげで、この節目を無事に迎える事ができました。 また、伝統工芸である「越前漆器」をつくり続けてきた「漆琳堂」として、2023年2月に「大本山永平寺御用達」の名誉を賜りました。 越前漆器は伝統工芸品であると同時に、日々の暮らしで使われる生活道具でもあります。 美しさと堅牢さを兼ね備える漆器をいっさいの手間を惜しむことなくつくり続ける。それが漆琳堂
こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。 越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。 第8回目は、鯖江市で丸物漆器の下地を手がける三崎茂さんをご紹介します。 下地は塗り物の基礎となる重要な工程です。完成すると見えなくなってしまう部分ではありますが、漆器のクオリティが大きく左右されるといっても過言ではありません。 三崎さんには漆琳堂の器の下地もお願いしていますが、さすがこの道50年のベテラン。すべて手作業で均一に塗り進めていく様子に、あらためてその技術の高さを目の当
こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。 越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」 2018年8月、漆琳堂と40年以上の付き合いだった蒔絵師・小林直彦さんがお亡くなりになりました。突然の、出来事でした。 今回は漆琳堂を支えてくれている父母とともに、蒔絵師・小林さんの活躍を振り返りました。 内田母「パタンと亡くなって、急死。昨日まで生きてた人が、次の日、いなくなったって感じ。」 ーほんとびっくりやったね。越前漆器は、プロの料理人に時間をかけて使われてきてる。例えば
こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。 越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。 第6回目は、鯖江市で紙器(化粧箱)を製造する奥村紙器製作所の奥村省造さんをご紹介します。 日常生活のさまざまな場面で見かける箱。お菓子などの食べ物を入れたり、靴や服飾品を入れたりなど、収納や贈答のシーンには必要不可欠なものです。 私たちがつくる漆器にも化粧箱は欠かせません。贈り物は化粧箱で第一印象が左右されてしまうこともあるため、漆器だけでなく箱も私たちの商品にとって大事な要素な
こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。 越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。 第5回目は、鯖江市河和田地区で長年お椀などの丸物の「研ぎ」を手掛ける赤川礼子さんをご紹介します。 漆器は木地や下地、塗りなど、工程ごとに多くの職人たちがかかわり、つくられています。なかでも、下地から中塗り、上塗りと漆を塗り重ねるごとにバトンを受け取っているのが「研ぎ師」です。 「研ぎ」は、漆を塗った器の表面の凹凸をなくし、次の工程で作業する塗師が漆を塗りやすくするために行うもの。
道元禅師が伝えた朝のルーティン 人それぞれ自分のルーティンってありますよね。 有名なところでいうと、プロ野球選手がソックスを右足から履くとか、 毎朝カレーライスを食べるとか、ですかね。 プロスポーツ選手に限ってはゲン担ぎで行うのがルーティンかもしれないですね。 私も高校野球していた時はお尻のポケットに 決まったタオルを入れるのがルーティンだったということを 思い出しました。笑 そんなことはどうでもいいのですが。 調べてみると、 ルーティンとは「決まった時に行う、決まった一
こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。 越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。 第4回目は、漆琳堂若手職人の嶋田希望(しまだ・のぞみ)・宮沢結子(みやざわ・ゆいこ)・髙橋菜摘(たかはし・なつみ)です。 今回は、聞き役として村上なつかさんに入っていただきました。 村上さんは、2020年に昨年鯖江市に移住し、産業観光イベント「RENEW」の事務局長としても産地で活躍されています。 漆に魅了されて移住してきた職人たちに、このまちへ来た理由や漆器への思いを語ってもらい
こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。 越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。 第3回目は県外から福井に移住した、蒔絵師の山本由麻(やまもと・ゆま)さんをご紹介します。 山本さんが暮らすのは、鯖江市のお隣、越前打刃物の産地である越前市。 包丁の「柄」を製作する山謙木工所で、蒔絵をを手がけています。 山謙木工所は今年9月に、和包丁の柄と工芸品に特化したギャラリー「柄と繪(えとえ)」をオープンしました。 山本さんはギャラリー内の工房で、柄や漆器に蒔絵を施してい
是非行ってほしい宿がある。 福井の永平寺の門前にある「柏樹関」である。 https://www.hakujukan-eiheiji.jp/ 今夏に行った宿。 地方に住んでいるとなかなか地元の宿に泊まることはないのだが、 コロナ禍で近場に旅行するという、「マイクロツーリズム」がささやかれはじめ、自分も新たな発見をするいい機会だと思い行く気になったのだが、出張以外でしかも近場の高級宿に泊まるのは新鮮であった。 夏季休暇の真っ只中で予約はなかなかとれずに、キャンセル待ちでようや
こんにちは。漆琳堂8代目当主、内田徹です。 越前漆器を支える職人たちを訪ねる「職人探訪」。 第2回目は越前漆器のなかでも角もの(お盆や重箱)の「下地」を手がけている森田清照(もりた・きよてる)さんをご紹介します。 下地とは木地の状態を整えて補強し、漆を塗れる状態にすること。 あまり知られていないかもしれませんが、堅牢な漆器をつくるためには欠かせない大変重要な工程でもあります。 下地では、木地に布や和紙を貼って補強することがあります。通常は漆を塗り重ねて見えないようにする
工藝と禅、永平寺の投稿から少し日があいてしまいましたが これまでに経験したこと。 永平寺を訪れ、禅宗を肌で感じた次のステップとして 実際に座禅を組んでみようと思い、座布を購入した。 自分専用のMY座布だ。 自分は座禅という型や、道具などの型から入るタイプだ。 座布を今後の人生の後先に購入することは なかなかないだろうからしっかりしたものを選んだつもりだ。 座布は黒い布で覆われていて、折り目が幾重に重なるのが見た目の特長。 (折り目は数えてみたら18の襞で出来ている) 後部