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みんなでしおりを作ってみて

ブックカバー作り企画に続き「しおり」作りを実際にやってみての感想です。

 自分の好きな本をテーマに作るという点では、ブックカバーと同じ。でも、実際に取り組むまでブックカバーの創作ほど楽しめるか半信半疑でした。令和というこの時代に、本の誕生とともに生まれたと言われる「しおり」という古めかしい存在が、そもそも人に興味を持たれるのか、、という不安もありつつ取り組んだ試み。

 参加した4名の発表まで終わってみたら、当初の予想に反して、純粋に作品作りの時間がとても楽しめて、たった4名だけでも想像もできない栞の形が生まれました。

 企画者としての新たな発見が2つありました。

 1つ目は、ブックカバーに比べるとアイテムが小さいので、思いついたアイディアをどんどん試作して、形にすることが非常に気楽です。実際に、参加者全員が予想を上回る点数の作品を作っていたので、発表会では各々の大量生産に笑いが起こるほどでした。1つ作ると、その色違いや柄違いが作ってみたくなり、短い時間の中でも、次々に試作を作っていくようです。
その点を前回のブックカバーと比べると、ブックカバー作りは1点の完成度をどんどん高めていく緊張感のようなものがあり、完成した作品への思い入れの強さや重さは何倍も大きかった気がします。その分、創作する達成感は大きいです。ただ、どんな人でも創作する楽しさを体験するのには、ブックカバーはハードルが少し高いかもしれないなと、ブックカバーを作っている時点ですでに感じていました。その次に、栞を作ってみて、やっぱりしおりという小さなアイテムが、もの作りの経験に関わらずに色々な人にとってちょうど良いだろう!という発見を得ることができました。

テーマは絵本「すてきな3人ぐみ」(潮絵里子さん作)
テーマは小説「金曜日の編み物クラブ」(naoさん作)
テーマは「やかまし村のこどもたち」(高杉尚子さん作)


 2つめの発見は、1つ前の投稿にも書きましたが、自分で作ったしおりを本にプラスすることで、見慣れた本が違ったものに見えること。本にしおりを実際に挟んだり、合わせたりした時の合わせた時の本の見え方は、いつになく新鮮な感覚でした。本の物資的な点だけを見れば、手作りで作られた1点ものではなく、印刷機が作る大量生産の品。同じものが世の中にはたくさんあって、その1部を持ってるという感覚ですが、自分が作ったものが、本に添えられることで、本の世界がぐっと自分に近づいてくる感覚になるのが、とても楽しいところでもありました。


 こんな形で、しおり作りの楽しさを確かに体感したので、2023年は引き続いて、しおりの企画を継続して、何度もワークショップを開催していきたいと
思いました。
 いくつものワクワクするしおりが見られる1年になると良いなあと妄想しながら、感想を書いてみました。

artist in
あたらしいワークショップの試みを記録中。吉祥寺にあるアトリエで手芸にまつわることを企画しています。
2021年〜2022年に取り組んだブックカバーと栞の創作企画についてnoteに記録しています。
栞づくりワークショップ、今年も度々開くつもりなので、参加したい方も募集中。
https://www.instagram.com/shishucafe/

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