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本棚は段ボール

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読んだ本の感想を述べています。 ネタバレ等ありますので気にする方は気をつけてください。
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2023年8月の記事一覧

本棚は段ボール Vol.9 『一人称単数』/村上春樹

本棚は段ボール Vol.9 『一人称単数』/村上春樹

友人に借りてよんだ。
友人は、「謝肉祭(Carnaval)」が1番好きだと言っていた。
何となくそれは分かる気がした。(その友達がどこを、というか何を好んだのか、ということについて)
ただ、そういうことを意識してしまうと、その話は「友達の好きな話」になってしまって、一番好きな話になり辛い部分はあると思う。

「品川猿の告白」は、安部公房氏の影響を受けていたりするのだろうか。名前を盗まれるというのは

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本棚は段ボール Vol.7 『ダンス・ダンス・ダンス 上』/村上春樹

本棚は段ボール Vol.7 『ダンス・ダンス・ダンス 上』/村上春樹

村上春樹さんの作品を、ほぼ初めて読んだ。
「続きを早く知りたい」という感覚を久々に味わった気がする。

出来事の流れと言う意味での物語が面白いと思える本はそうないと思う。人物像が面白いとか、この人がどんな人なのかどんなことをしでかすのか気になるということはあっても、大きな流れとして出来事、出来事でそのひとつひとつが面白いと感じられることはあまりなく、それがこの人のすごいところなのかなと思う。

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本棚はダンボール Vol.4 『世界の独在論的存在構造 哲学探究2』/永井均

本棚はダンボール Vol.4 『世界の独在論的存在構造 哲学探究2』/永井均

Vol.3にて読んだ、『なぜ人を殺してはいけないのか?』という本の対談のうちのひとりが、この永井均さんでした。

哲学書、ひいては永井さんの著書をもっと読んでみたいと思い、本屋をうろついていたところ、こちらがフェアで紹介されており、1から読まなくても、2だけで面白い内容であるとのことだったので、購入してみました。

本格的な哲学の本というのはたぶん、初めて読んだのですが、むずかしい!

むずかしい

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本棚は段ボール Vol.6 『感性でよむ西洋美術』/伊藤亜紗

本棚は段ボール Vol.6 『感性でよむ西洋美術』/伊藤亜紗

たまには、読みやすい本が読みたいと思って、気になっていたNHK出版の本を読んでみました。

比較しながら、時代の感性と私たちの感性を引き出し、実際に「なるほど」という納得感をもって美術を学ぶことのできる1冊です。

美術の入門書は、読んでいて、たとえば、「この絵は〇〇です、〇〇派は△△な感じの絵です。」と言われても、「う~ん、そう言われれば、そう、なのかなぁ…?」とか「そうかなぁ」と思ってしまって

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