YA【ハッピー・バースデー】(9月号)
朝のホームルームで使用するプリントを受け取って職員室を出る際に、上條百合子は軽く礼をした。
その瞬間、ちくっと、腹に痛みが走った。さっきから何度目だろう。間違いない、これは生理の痛みだ。どうしよう、予定より随分と早い。
ポーチの中には、予備のナプキンを持ち歩いている。
しかし、レギュラーサイズが三個しかない。まだ午前中。今、一個使って、昼にもう一個を使うとすると、午後にはラストの一個になってしまう。心もとない。
が、そんなことを考えている場合ではない。
職員室の壁