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【スピーキング編】 留学に必要な英語力 ―オンラインで海外大学院に行こう! マガジン #11

こんにちは。
岸 志帆莉です。

このマガジンでは、「オンラインで海外の大学院に行く」というテーマで定期的に情報をお届けしています。

海外の大学院というと、英語に不安を感じる方もたくさんいることと思います。私自身、入学するまではついていけるかかなり不安でした。

そこでこの記事では、海外の大学院に進むために必要な英語力や対策について4回シリーズでお届けしています。

最終回となる今日は、スピーキングに焦点を当てます。

これまでの記事はこちら:

オンライン授業におけるスピーキング

英語に不安を感じる方にとって、スピーキングはもっとも気になるところかもしれません。とくに普段あまり英語で会話をする機会がない人にとってはハードルが高いですよね。

オンライン授業の場合、スピーキングの必要性は科目によって大きく異なります。ただ全体的な傾向として、現地留学に比べると使用頻度は減ると考えていいでしょう。これまでもお伝えしてきたとおり、海外では非リアルタイムの授業が一般的です。文字のやりとりが中心なので、会話を避けようと思えば極力避けることもできます。人によってはこれもオンライン授業のひとつのメリットかもしれません。

私が所属していたコースでも、二年間の在学中に実際に会話をする機会はあまり多くありませんでした。入学時のオリエンテーションと、あとは先生と何度かSkypeでミーティングをしたくらいです。

ただしコースによってはスピーキング力がかなり求められるものもあります。とくにMBAではライブディスカッションが必須だったり、プレゼンテーションの課題が多く出たりするものもあります。さらに修士論文のかわりにビジネスコンテストが最終課題となっていたり、現地での授業参加が義務づけられているものもあります。このようなプログラムは、現地留学とほぼ変わらない環境だと思っておいたほうがいいでしょう。英会話に自信がない方にとってはハードルが高いかもしれませんが、ひとつの試練と思って前向きに挑戦することで得られるものも多いはずです。(むしろスピーキング力をアップしたい人はあえてそのようなプログラムに挑むのもひとつの手でしょう。)

完璧な英語を話せる必要はない

海外の大学で学ぶ以上、スピーキングを完全に避けることは難しいかもしれません。ただ一つ覚えておきたいのは、海外の大学は世界中から留学生を受け入れているということです。大学側もノンネイティブの学生の対応には慣れていますし、そもそも全員が英語を完璧に操れるとは思っていません。

海外では自己流のアクセントや文法を貫いている人がたくさんいますが、伝わりさえすればいいので誰も気にしていません。先生方や職員のなかにも英語が母国語でない方はたくさんおられます。外国語で会話をしたことがある方はピンとくるかもしれませんが、会話が成り立っているときにアクセントや文法等の細かいことはあまり気にしていないものです。なぜなら会話によって受け取っているものは言葉そのものでなく中身だからです。中身さえ伝えあうことができれば会話の目的は達成されています。言葉はそのためのツールにすぎません。

その点では、ジェスチャーやボディランゲージも大きな役割を果たします。表情や目線もしかりです。オンライン授業ではZOOM等の会議ツールを利用するので、対面と同じく視覚を大いに活用することができます。(私が大学院に通っていた当時はまだ国際電話による指導もぎりぎり残っていましたが、今ではほぼオンラインミーティング一択なので心配ありません。)

さらに今は翻訳アプリもずいぶん進化してきて、会話にも対応できるようになってきました。電子辞書もいざというとき便利です。言葉に詰まったときこそテクノロジーの力を借りながら、伝えたいことを伝えあっていけるといいですね。

大学のサポートも活用しよう

海外の大学では英語面のサポートも充実しています。たとえば海外ではほとんどの大学にランゲージセンターという部門があり、語学講座や個別のガイダンス等を提供しています。eラーニングの自習教材を公開している場合もあるので、気になる方は問い合わせてみましょう。さらにランゲージ・エクスチェンジ(言語交換)といって学生同士で言葉を教えあったり、ボランティアによるメンター制度などを用意している大学もあります。志望大学にどのような言語サポートがあるのか、あらかじめ調べてみてもいいかもしれません。

会話というとハードルが高く感じられるかもしれませんが、過度に身構える必要はありません。流暢な英語が話せなくても、とにかく知っている単語を並べて身振り手振りでコミュニケーションを取ろうとすることが大切です。そこから伝わる中身とあなた自身の人柄こそ、海外で人々とコミュニケーションを取っていくうえで最も大切な部分だと思います。

私はこれを書いている現在中国で暮らしています。中国語がほとんどわからない状態でここへ来て、今でも日常会話に苦戦しています。それでも毎日ありったけの単語を並べて身振り手振りで相手に伝えるようにしています。そうすると不思議なもので、相手も雰囲気でなんとなく理解してくれるものです。

これをお読みくださっている皆様の多くは、義務教育から大学まで英語を学び続けてこられた方々かと思います。その上でいざ大学院に合格したあかつきには、そこでやっていける英語力があるとお墨付きを得たようなものです。ぜひ自信をもって挑んでいただきたいと思います。最初は大変な時期もあるかもしれませんが、ずっと大変なわけではありません。力がついていくにつれ、少しずつ楽になっていくはずです。

利用できるサポ-トはとことん利用して、「英語力もアップさせちゃおう」くらいの気持ちで向き合えるといいですね。

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