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【リーディング編】 オンライン留学に必要な英語力 ―オンラインで海外大学院に行こう! マガジン #8

こんにちは。
岸 志帆莉です。

このマガジンでは、「オンラインで海外の大学院に行く」というテーマで定期的に情報をお届けしています。

ところで海外の大学院というと、英語に不安を感じる方もいるかもしれません。私自身、入学するまでは果たしてついていけるか心配でした。

しかしオンライン留学を終えてみて思うのは、

「もし英語が唯一の不安なら、それを理由にあきらめるのはもったいない!」

ということです。

率直に言うと、英語で大学院の授業についていくのは確かに大変です。慣れないうちはリーディングをこなすだけでも大変かもしれません。でも大学院を目指す皆さんは、おそらくすでに日本の大学で英語の授業を取り終えた方々かと思います。大学レベルの英語クラスについていけた人であれば、やっていけないことはありません。そこを土台にスタートを切ることは十分に可能です。
 
よく誤解されるのですが、大学院への入学時点で完璧な英語を使いこなせる必要はありません。ネイティブですら最初から大学院レベルのアカデミック英語を駆使できるわけではありません。彼らも大学院での授業を通してアカデミック英語を磨いていくのです。その点では私たちと変わりません。

また海外の大学には英語を母国語としない人々が世界中から集まってきます。私が通っていたUCLも生徒の半数以上が外国人でした。だから英語ノンネイティブであることに引け目を感じる必要はありません。むしろノンネイティブが多数派ということすらあり得ます。

だから、もしも英語が唯一の不安材料ならばそれを理由にあきらめずぜひ挑戦していただきたいと思っています。最初さえ乗り越えられればきっと大丈夫です。卒業するころには英語もぐんと上達しているはずです。

この記事では、オンライン留学で求められる英語力について4回シリーズで考えていきます。スキル別にリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングと分けて見ていきましょう。さらに大学院レベルの英語対策についても考えていきたいと思います。

英語は工夫次第で対処できます。とくにオンラインの場合、英語をハックする(=テクノロジーの力で効率的に学習を進める)方法がたくさんあります。私自身のこれまでの実践や「ハック」方法などもご紹介しますので、お付き合いください。

それではまずリーディング(読解)から見ていきましょう。


オンライン留学に必要なリーディング力とは?

リーディングはオンライン留学でもっとも使用頻度の高いスキルです。

ご想像の通りかもしれませんが、海外の大学では大量のリーディング課題が出ます。しかも毎週のように出るので、早いスパンでたくさん読んでいく必要があります。

たとえば私が通ったUCLでは、学術論文を二本程度、あるいは学術書を一章ほど読む課題が毎週出ました。最初は大変ですが、辞書を引きながら読んでいくうちに少しずつ慣れていきます。英文自体に慣れていくということもありますが、専門分野の知識が増えていくにつれ、知識でカバーできることも増えていきます。固有名詞や略語等は、学習を通してどんどん吸収していけるはずです。英語のハードルは英語力だけで越えなければならないものではありません。他の知識でカバーできる部分も大きいということを知っておくと、学習の際に便利です。

また学術論文にはたいてい決まったフォーマットがあり、全文を読まなくても必要な情報を得られたりします。そうした取捨選択も慣れとともにできるようになっていきます。アカデミック英語ならではの表現も、学習が進むにつれ親しんでいけるでしょう。

「多読」で英語を大量にインプットする

リーディングに慣れるにはとにかく量をこなすのが一番です。そこに近道はありません。ただはじめから難解な長文に挑む必要はありません。自分のレベルに合った英文を継続的に読むことが一番の近道です。このような英語学習法を「多読」と言います。つまり自分のレベルに合った文章を大量に読むことで、リーディングの流ちょうさを鍛えるということです。

多読にはいくつかコツがあります。まずはとにかく自分のレベルに合ったものを選ぶことです。いきなり英字新聞にチャレンジするのもいいですが、世の中には学習者向けに易しく書かれたコンテンツがたくさんあります。細かくレベル分けされた読み物のシリーズなどもあるので、そういうところからはじめても良いかもしれません。とくに海外出版社から出ているものはおすすめです。

また多読では、多少分からない単語があっても飛ばしてとにかく読み進めるのがいいとされています。重要な単語は後から何度も出てきます。出会ううちに意味が推測できることもあります。英文を読むことに慣れてくると前後関係から意味を推測できるようになっていきます。英語を学ぶときは、単語を抜き出して覚えるより自然な前後関係のなかで覚える方が記憶しやすいといわれています。それでも分からなければ、後から辞書で調べても遅くはありません。

関心分野に「一点集中」する

さらに、大学院の学習に備えるにはその分野に時間と労力を一点集中することもポイントです。すでにお話ししたとおり、大学院レベルのリーディングは英語力の問題というよりその分野の知識量と深く関連しているからです。たとえば保健衛生を勉強したい人が経済新聞を毎日読んでいても、学習という観点からは効率的といえません。やはりその分野の情報に普段から親しんでおくのが近道です。

それが自分自身の純粋な興味と重なっていると最強です。関心のあるテーマなら英語でつまずいても先へ読み進められます。だからこそ、大学院の専攻は本当に関心のあるテーマを選んでくださいね。英語力と知識量の両方が備わっていくにつれ、リーディングも苦ではなくなっていくはずです。知的好奇心を満たすための楽しい時間へと変わるでしょう。

次回は、おなじくオンライン留学で重要なライティングについて見ていきます。

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