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①ものづくりのプロが考えているものづくりの始め方マニュアル

今回はコラムです。
本当はこういうの書きたかったんですよ。

さて、改めまして國吉真矢です。
はじめましてのあなたに簡単な自己紹介からします。地方で70年営む漆器屋の息子として生まれました。入社して10数年、慌てて独立起業することになりました。(→詳しくはこちら)あと30日です。やべえ!


今回はその経験から得たものづくりの始め方、プロダクトの作り方を書きたいと思います。
あくまで物質的なものづくりですので他のジャンルのあなたに役立つかは不明ですが、よければぜひ。

あ、あと私は職人です。作家ではありません。そこらへんに関しては後述。

なお、あくまで私が経験から得たノウハウであり、これが正解とか言うつもりはありません。他のやり方をとられている方もいらっしゃいます。


プロが考えているものづくりのノウハウ


ものづくりを時系列でわけると

①コンセプト
②設計
③イメージ試作(素材は問わない)
④荒試作
(実際の完成品に限りなく近づける、プロセスは問わない)
⑤量産試作(実際に流通させるプロセスを経た試作、ほぼ完成品)
⑥製品(完成品、とはいえ定期的なアップデートが必須です)

に分けられます。
順番に行きましょう。

①コンセプト

これは大まかな方向性です。「〇〇なモノ」の〇〇に入るものです。

初めて何かを作るときのコツは先行事例の研究になります。
しかし〇〇みたいなやつ、といって見た目だけガワだけコピーするのはただのパクリです。クソ以下。

先行事例の研究はあなたが作りたいものと同じジャンルだけに留まりません。映画、音楽、皿、インテリア、パン、何でもです。

あなたがこの世に生み出したいもの、背中を押されたもの、心を震わせられたもの。
それぞれを理解して、要素に分解してコンセプトを抽出し混ぜ合わせ再構築します。
(あれです、ハガレンのやつ。荒川弘スゲーって話です。)

上の工程をきちんと踏めばオリジナルのコンセプトを持ったものが生まれます。
混ぜ合わせるブレンド加減にあなたの個性が出てくるところでしょう。

ゼロからオリジナルを作るなんてできねーんだって。

②設計

に関しては素材、サイズ、色、機能、重さ、見た目を具体的に詰めていきます。
が、だいたいでいいです。
迷ってる部分に関しては無理のない範囲でいくつかパターンを出してしまいましょう。
そこで迷うよりイメージ試作で実際に作ったものを見たほうが遥かにいいです。
あくまでフィードバックが前提の設計です。


③イメージ試作


素材は本当に何でもいいです。もちろん作り方も。

あなたのイメージの中にしかないものに物質を纏わせて顕現させましょう。
何故なら具体的な物質を見たほうがイメージの中であれこれ考えるよりずっとずっと得られる情報が多いです
なので設計をきっちり詰める前にこっちをやって必ずフィードバックをしましょう。


人の意見は聞くべき?


個人的な見解ですが多くの人に意見を聞くのはこの段階がいいと思います。何故なら人はよっぽどコンセプトに共感しているか、想像力がよっぽど優れている人でないと、まだこの世に存在しないものを口頭やラフスケッチによる説明だけで思い描くのは難しいからです

また、本によっては誰にでも意見を聞くべきっていいますが、厳密には少し違うと思います。
あなたの全てに否定的な人というものはいるものです。人間関係なのか、本人の資質なのかわかりませんが。
なので見せてもいいですけどその人の意見は今は聞かないでください
あなたのアイデアに確信があるならモチベーションを削ぐだけです
そういう人に意見を聞くとしたらこのあとの荒試作の段階がいいでしょう。


④荒試作


イメージ試作で得られた情報や意見を集約して設計にフィードバックし、試作を行います。
この段階でようやく完成品が現れてきます。実際の素材、見た目が必須です。
それを眺めて惚れ惚れするのもいいですが、作り出すプロセスを明らかにすることが何より大事です。

必要な工程、工数、材料、機材などを洗い出し、無駄なく洗練させていきます。
ここでやっと大まかな原価が出せます。
マーケティングやプロモーションを開始するならこの辺でしょう。

私もそのつもりだったんですけどねぇ。。。(→詳しくはこちら)

この段階で出来る限り多くの人に意見を聞きましょう。そしてコンセプトにも立ち返ってズレがないかも確認しましょう。


 

⑤量産試作

ようやくここまで来ました。
荒試作で得た情報をフィードバックしたプロダクトを実際に生産する工程を取り、製造してみるという量産の前段階になります。製品の完成はもうすぐだ!

ここでは実際の工程をそれなりの数をこなしてみるで形やってみます。トラブル、引っ掛かりが細かく出てきます。
そこから得られる情報を活用して工程を滑らかにするのが目的です
そして美しい製品と滑らかな工程とコストがぶつかったとき、あなたは判断を求められます。


※これは個人の見解です。


そして先述した作家と職人の違いはここにあると私は考えています。
職人は①コンセプトの段階から「いくらぐらいの商品」という価格まで組み込みます
そして⑤量産試作の段階でコスト面からも工程を洗い直します
そして価格面との折り合いを必ずつけます
作家の方が作るのは作品であって、職人が作るのは商品だからです。


そうして折り合いをつけたあなたは無事

⑥製品

が完成します。
とはいえ、作るほど見えてくることや、お客様の反応などをどんどんフィードバックしアップデートしていくことになります。
ものづくりに終わりはないのです。


いかがでしたでしょうか。

実際は試作の数とフィードバックの数が多いものもあるし、少ないものもあります。

あなたのなにかに役に立てば幸いです。

次回は私に独立起業を決意させたプロダクトのコンセプトについて書きたいと思います。

ではまた次回。



→続きを書きました




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