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『星の王子様』から学ぶ、自分に合った企業の見極め方 (13/50)

内容を覚えていなくとも、『星の王子様』を読んだことのある方は多いのではないでしょうか。私も子どもの頃に初めて読んで以来、何度かこの本を読む機会に恵まれていますが(この本に感銘を受け、実際にサハラ砂漠まで行きました)、大人になってからの方が、子どもの頃に読んだ時よりも響くものがあるように思います。

今回は本書を考察しながら、自身に合った企業の見極め方について考えてみようと思います。

生きていると、あらゆる場面で「評価に納得がいかない」という声をよく聞きます。サークルや部活でのパフォーマンス、恋愛や婚活から社内の査定に至るまで、あらゆる場面で私たちは、他者からの評価に晒されています。就職活動においては、『善悪の彼岸(10/50)』でも書いたように、自身が大事にしてきたことや大事にしていることが、何らかの理由で思うように評価されず、お祈りメールが届くことは珍しくありません。

自身も就職活動をしていた時は、そのようなことがある度に「就活なんて相性の問題だから」と自分に言い聞かせながらも、「やっぱりあの時あれを言ったのが悪かったんだろうか…」なんて頭を抱える日々を過ごしていました。この現象は、自身のことを分かりやすく伝える力が足りないことが原因であることもありますが、学生側が必要以上に気に病んでいるケースも少なくないと思っています。

『星の王子様』は、主人公のパイロットが操縦していた飛行機が墜落した先のサハラ砂漠で、同じく遠い別の星から迷い込んだ王子様と話しながら交流を深めていくという物語です。

王子様ははるか遠くから沢山の星々を渡り歩き、地球にやってきました。通りすぎた星々で、王子様は沢山の大人に出会いましたが、彼らのほとんどは自分の持つ評価軸に固執してた人間ばかりです。権威に固執してばかりいる王様、称賛を欲しがってばかりいる大物気取り、自分を有能だと信じ、ひたすらに仕事してばかりいる人間…。そんな人々を、王子様は

おとなってやっぱり、まったくどうかしてるな

と一蹴します。

初めてこの本を読んでからかなりの時間が経ち、最近ではおこがましくも学生の皆さんを評価させていただく立場になりました。そうなって恐ろしく感じるのは、私は知らないうちに、あの童話の中に出てくる大人たちと同じようになっていないか、ということです。「評価」という言葉は時に、本来の言葉以上に強いニュアンスを持ちます。評価というのは本来、”現時点で”、”○○集団の中で”、”××を目標とした時”、”あなたは今この位置である”という点を示すに留まるはずなのに、しばしばその人そのものに対して絶対的な点数をつける物差しであるように錯覚されます。就職活動という、企業と学生(採用する側とされる側)という、ある種圧倒的なパワーバランスが存在する空間の中で、その錯覚はより顕著に現れます。

ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目にみえない。

このセリフは、王子様が地球で最初に友達になったキツネに言われるセリフですが、他者を評価する立場において、この言葉は大きな戒めであると感じます。学生の皆さんと対峙する中で、きらびやかな経歴が並び、私自身もそういう方向にある種盲目的に向いていきたくなる時、「私は今、果たして目の前のこの人自身を見て、理解しようとしているか?」と問い直します。

60分という限られた時間で、目の前の人に向き合って理解する作業。それは間違いなく”目で見る”だけでは足りず、”心で”、全身で、全神経を砕いて見る。少なくとも見ようとする努力をすることが必要です。これは面接に限らず、いつ誰と接する時もそうですが、努力し続けるべきことなのだと思っています。この点については私も発展途上(であると信じたい)なので正直にそう述べますが、しかしここに向き合わなければ、他者のことを評価することなんて、きっとできるはずがないわけです。

私へのカウンターも含めて、学生の皆さんには、沢山の企業と接していく過程で、この会社は自分のことを少なくとも理解し尊重しようという姿勢があるのかを疑いながら、企業を評価する目線を持っていただければと思います。企業の言うことが正しいから自分が採用されなかったのだと思うだけではなく、自分の言うことをあの企業は分からなかったのかもしれない、という対等な姿勢を持ってください。もちろん、自身の行動を内省できていたか、言いたいことをしっかりと表現できていたか、の振り返りは大切ですが、それらをスキルとしてしっかり磨いた上で、相手の言いなりになるのではなく、対等に、話したいことをお互いに忌憚なく話し合いましょう。その先に、ご自身にとって最良の企業との出会いが待っているのではないかと信じています。

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