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「ワークライフバランス」は言わないほうがいい。

ワーク・ライフ・バランスなんてものはない
あるのはワーク・ライフ・チョイスだ
あなたが選択し、その結果が得られる

ジャック・ウェルチ(米国の経営者)



 
ぼくは人材業界でエージェントとして
転職支援や採用支援の仕事をしています。
 
仕事柄、最近よく見聞きする言葉の1つに
「ワークライフバランス」
というものがあります。
 
求職者の転職理由として
「ワークライフバランスを改善したい」
という声を頻繁に聞きますし

企業側の求人原稿の中にも
「ワークライフバランスを重視しています」
というアピールが増えるなど
いつの間にかすっかり定着しています。
 
ぼくは今年から自社の
新卒採用の面接官も担当しているのですが

25卒予定の学生さんに
「就職活動の軸やこだわりは何ですか?」
と質問すると

「ワークライフバランスです」
と返ってくることが多いんです。
 
大袈裟かもしれませんが
ぼくはこれに違和感を覚えるというか
危うさを感じています。






「ワークライフバランス」とは?


 
ワークライフバランスが
注目されるようになった背景として

働き手のニーズの多様化
・労働人口の減少
・長時間労働の問題
・女性の社会進出が進んだこと

等が挙げられます。

企業側にとっても
ワークライフバランスの充実
採用力の向上につながると言っていい。
 
そもそも
ワークライフバランスとは

「仕事と生活の調和」
を意味します。
 
仕事はもちろん
家族や趣味等のプライベートの時間もまた
豊かな人生に必要不可欠なもの。
 
つまり
仕事とプライベートの
どちらかを犠牲にするのではなく

両方を充実させる働き方を目指す。

それが、ワークライフバランスです。
 
ここで注意すべきは

仕事の時間を短くして
 プライベートを大切にしましょう」

「残業より自分の趣味や
 やりたいことを優先しましょう」

という意味ではないということです。
 
面接官をしていると
ワークライフバランス本来の意味ではなく

「プライベートを重視する」
という意味で使っている人が多い
と感じます。
 
ぼくが面接の場で
「企業や仕事選びの軸は何ですか?」
と質問すると

「ワークライフバランスです」
と答える学生さんが時々いらっしゃるので
ぼくは必ず深堀りするようにしています。

その理由や背景を聞いてみると

「残業がなく定時退社できるほうが
 プライベートも充実できるから」

「趣味の●●に時間を使いたいので」

というように話す学生さんがいるんです。
 
「残業したくない」
「たくさん休日がほしい」

という気持ちはわかります。
 
でも、こうした回答だと
「仕事よりもプライベートを優先したい」
と言われているようで

成長意欲や活躍イメージを
見出しずらくなるんですよね。
 
たとえ本心だったとしても
面接では言わないほうが無難だと思います。
 

 

「ワークライフバランス」なんていらない

 

私見ですが、そもそも
「ワーク」と「ライフ」を天秤にかける
考え方そのものに違和感があるんです。
 
だって、たいていの
ワークライフバランスを語る人は

「仕事はつまらないもの」

「プライベートのみが人生で楽しいもの」

「お金のためだけに仕事をしている」

「休みの土日が楽しみ」

といった考え方が
前提にあるように思えるからです。
 
無限の可能性を秘めている新卒が
「ワーク」と「ライフ」を
完全に別物と捉えて

「プライベートを楽しむために仕事を頑張る」
というスタンスだとしたら

なんだか残念な気がしちゃいます。
 
さらに言えば
ある年齢までの“頑張り時”ってある
と思うんですよね。
 
今の時代に生きるぼくたちは
70歳75歳80歳まで働くことになる
可能性が高いんです。
 
であるならば
20代の一番成長する時期ぐらいは
自分に負荷をかけて

「専門性やスキルを高めること」
「自分の市場価値を上げること」
に注力してもいいんじゃないかな。
 
最初から
ワークライフバランスにこだわっていたら

40代50代になったときに
バランスが取れなくなると思うんですよね。
 
今を楽しむか将来を取るか
みたいな話ですけど

体力も吸収力もある最初のほうに
バリバリ働いて勉強して

途中からバランス型になるっていうのが
一番ベストな気がします。
 
もちろん
副業や婚活、子育てや介護など

仕事以上の優先度で取り組むべきこと
がある人は別です。
 
とにかく
この点は主観的なものなので

このバランスについては
自分で決めることが大事ですね。

「自分の人生は自分で決める」
しかありません。

 

理想は「ワークアズライフ」


 
落合陽一さんが提唱した
「ワークアズライフ」
という言葉があります。
 
仕事と仕事以外
で考えるんじゃなくて

寝ている時間以外のすべてが仕事であり趣味
という考え方です。
 
ワークライフバランスと違い
仕事を生活の一部として考えることで
毎日を充実させるということですね。
 
ぼくはこの考え方が好きです。
 
だって、ほとんどの人は
平日の半分以上の時間
「ワーク」に費やすんです。

年間でいうと2/3は出勤するんですから
「ワーク」が充実しないと
「ライフ」が充実するはずがないですよね。
 
「ワーク」は「ライフ」の一部
切り離せないんです。
 
だから
仕事の時間を減らして
プライベートの時間を増やそうとするよりも

日々の仕事に楽しみを見出して
時間を忘れるくらい夢中になれる
ことを
追及したほうがいい。
 
自分が好きなこと
やりたいと思えることを仕事にできれば
それだけでストレスが発生しにくくなります。
 
人生の大半を占める仕事の時間
楽しい充実したものにすることができたら
毎日がハッピーになっていくでしょう。
 
ご飯を食べるためにする
「ライスワーク」ではなく

仕事とプライベートが一体化した
「ライフワーク」を目指したいものです。
 



おわりに


 
ぼくは20代の頃
ワークライフバランスを無視した時期
がありました。

Wワークで働き
個人事業主として仕事に全振りして
突っ走ったんです。

この時のハードワークは
ぼくにとって代え難い経験になりました。

自分を大きく成長させてくれた
実感があります。

そして、何より
めちゃめちゃ楽しかった。
 
最近の若い人がよく使う
ワークライフバランスという言葉に
危うさを感じる、と冒頭に書きました。
 
仕事選びの軸の一番がこれでは
少し心配になるんですよね。
 
一方、先週の面接で
「就職活動の軸は何ですか?」
とのぼくの問いに

「ある程度の裁量が与えられ
 成長機会が多い環境です」
と答えた学生さんがいました。
 
彼女の目的意識や人柄にも惹かれて
即合格出しちゃいました(笑)
 
ぼくは、日曜日に
ちびまる子ちゃんやサザエさんを見て
憂うつになる人生は嫌です。


 
念のため断っておきますが
決して長時間労働を推奨する意図はありません。
 
残業や休日出勤でダラダラと作業をこなすより
定時でしっかり成果を上げる(生産性の向上)
というのが働き方改革ですからね。


「できること」が増えるより
「楽しめること」が増えるのが
 いい人生

ナポレオン・ボナパルト(フランスの軍人)




最後まで読んでいただき
ありがとうございました。

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