蕪村の句へ、朔太郎がコメント。心癒やされる本でした ~萩原朔太郎『郷愁の詩人 与謝蕪村』
先週まで、仕事の原稿執筆が猛烈に忙しかった期間、寝る前にちらちらと読んで心癒やされていた本がこちらです。
萩原朔太郎『郷愁の詩人 与謝蕪村』(岩波書店)
↑現状、Amazonで試し読みができます。
与謝蕪村の俳句は大好きです。
有名なものでいえば、
菜の花や月は東に日は西に
などがありますね。
中村草田男の句も好きですが、なにげなく目にして「あ、素敵な句だな」と感じるのは、与謝蕪村のものが多いです。
萩原朔太郎も好きな詩人です。
というわけで、私の好きな俳人の句を、私の好きな詩人が説いているという、夢のような本でした。たしかnoteのなかでどなたかが記事で紹介してくださっていて、本書の存在を知ったのです。記事に書いてくださった方、ありがとうございます!
書名にもあるとおり、朔太郎は蕪村を詩人と表現していて、たしかに俳人というより詩人と呼ぶほうがふさわしいかもしれないと思いました。
もちろん俳句も詩の一種ですが、蕪村の描く十七音の世界はほんとうに詩情が豊か。
上記の句をはじめ、宇宙的な広がりを感じさせるものも少なくありません。
たった十七音なのに、読んだ瞬間、美しくて広大なビジュアルイメージが胸に広がります。個人的には、頭に浮かぶというより、心の奥の、自分だけの心象風景の世界に直接アクセスされる感じ。
そんな蕪村の作品への愛を、あの萩原朔太郎と共有できた気分になれるのも、本書を読んでいての喜びでした。
◇見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーから
HanaKokoroさんの作品を使わせていただきました。
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