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詩|短篇小説

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ひさしぶりに詩を書きたくなりました。昔はよく詩で表現していたのに、しばらく散文ばかりで。これからはまた、自然にことばを紡いでいけたらと思います。散文詩的なごく短い読み切り小説も、…
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「コトリはキセキを信じていたい」をNOVEL DAYSで公開しました

 noteで公開していたクリスマス向けの短編小説「コトリはキセキを信じていたい」をNOVEL DAYSのほうでも公開しました。  よろしければご覧くださいませ。  noteで公開している同作はこちら。(テキストは同じです)  2年前に書いた作品です。  なんとなくこれまでnoteだけで公開していましたが、ふと思い出し、NOVEL DAYSのほうにもページをつくってみました。  もうすぐアドヴェントですし、多くの人に読んでいただければ幸せです。 ◇見出しの写真は、みんなの

弱さを隠さなくてもいい

今朝、声をあげて泣いた 人から見たら、なぜそんなことが? という、小さなことができなくて それは 私にはとてもとても苦手なことで できない自分が苦しくて そんな自分がイヤになって 子どものように声をあげて泣いた 私の泣き声に合わせるように 茶白の子が声を張り上げて鳴いていた あとで夫に聞いたところ 泣く私のほうを見て鳴いていたらしい 夫はそばにきて 「泣いていいよ」といいながら 落ち着くまで一緒にいてれた 実はサビの子は、私が泣き始める直前まで 胸の上で慰めてくれていた

夜の森

小さな森のほとりに住んでいる 夜、部屋の灯りを消して 窓から森をのぞくひとときが好きだ 青く黒く揺らめいている 夜の森を おそろしい? そう、私の中のおびえすらも ありのままに浮き上がらせる 夜の森の公平さ 鏡のような深さが好きだ 私をありのままに受けとめて 青く黒く揺らめかせ 命の波動の中で癒やしてくれる 見上げれば漆黒の木々の葉 その上には濃藍の空 銀色にきらめく星々 地上の闇の奥からは 無数の命がうごめく気配 眠ってなんかいない 虫も、けものも、他のものも 草や木は

いまこの瞬間を愛するということ

どうしようもなく 不安におそわれるときがある はるか昔の出来事が 心に深い爪痕を いくつもいくつも残していて ふさがらない 地割れのような隙間から ゆらゆらと 不安の煙が立ちのぼってくる 理性で考えれば目の前の状況は そんな危機的ではないというのに 苦手という意味でなじみ深いひと言や かすかな気配 映像 音 それらが古い傷をひとなですると 不安の煙がゆらゆら ゆらゆら 私の心を濁していく それはもうしょうがない 目を背けるのはよそう かわりに煙が出てきたら 対抗手段として

癒やされるアジサイの映像と音楽とともに、私の詩を

 facebookで私の詩「魂を休ませる」を紹介してくださった方がいて、しかもご自身の動画作品の中にも素敵な形で引用してくださいました。  まず映像と音楽で動画をつくり、そこに要素をプラスする段階で私の詩を選んでくださったそう。光栄ですし、うれしいです。  美しいアジサイの映像にのせて、心休まる曲が流れる中、詩の言葉が少しずつ現れては消えていきます。  とても優しい世界観の動画です。  facebookのこちらのページで公開されています。  ↓ https://m.fa

魂を休ませる

がんばり続けなくてもいいんじゃないか 休み休みでいいんじゃないか そんなふうに自分をゆるしてみたら 息がしやすくなりました 「もっと」とか 「早く」とか 「きちんとしなくちゃ」とか いつもいつもじゃなくていいよ そういう力は 必要なとき、必要なところで 発揮すればいいのだから むしろ ここぞというときに使えるように ふだんから使い過ぎないことも 大事だと思うのです 自分自身が 擦り切れてしまわないように 私にとって いまは魂を休ませるとき あとでもいいことはあとにして

涙はどこから生まれてくるの

こころの奥のかなしみから どうしようもない出来事の もう変えようのない記憶から 涙は生まれてくるのでしょうか それはもうここにはなくて 手をふれられない 届かないもの なのに涙は湧いてくる どうして涙は生まれてくるの くやしさ にくしみ 後悔とやるせなさ うずまく負の感情を 洗い流してきよめるために 焼けただれた大地を潤し ふたたび命が芽生えるように 涙は湧いてくるのでしょう こころの奥のかなしみの その奥にある不滅の泉 いつも静かに波打っている 愛という名の泉から

闇の中でこそ

自分の中の暗黒の穴に 吸い込まれそうなとき 同じように苦しんている人の つらさを思う 人を助けたいなんて 考えていたけれど 自分ひとり助けられずにいる わたしに 何ができるというのだろう だから 神に祈り、乞う ホサナ どうかお救いください どうかそばにいてください そしてわたしをお使いください わたしの手を 灯台は闇の中でこそ 小さなまたたきで人を導く 暗黒の穴のほとりで わたしは途方に暮れながら それでも小さな光でありたいのだ ◇見出しの写真は、みんなのフォトギ

ゆるめる

こころもからだも ゆるめるときがあっていい ちからを抜いて ただぼんやりと いま生きている そのことだけを受けとめる ぎゅっと握り締めた 心配事があるとしても いまだけはその手をゆるめて ほんのちょっとの時間でいいから 荷物を降ろして横に置こう だいじょうぶ 休んだっていいんです むしろ ふたたび立ち上がり 艱難辛苦に向き合うために 自分をゆるめる そのひとときが必要です ◇見出しのイラストは、みんなのフォトギャラリーから chona_illustさんの作品を使わせてい

プラチナ

たとえばいつかこの世を卒業したとき たましいだけの世界にいくとしよう 悲しみも苦しみもない 愛だけの世界 やすらぎとよろこびに満たされて 時間をも超越できる 永遠の世界 たましいだけで 愛だけで 存在できたら 満たされて やすらいで 何もかもすべて良し そんな気分になれるだろう 想像してみた そのときを そうしたら 不思議なことに この世のすべてが愛おしく 尊いものに思えてくる まぶしい光に目を細め 頬に受ける陽射しのあたたかさ 耳をすませば 木々と風、小鳥が同じリズム

愛について

愛がほしい、と望むときは 愛するものを数えてみる 青い空を愛していないか 清らかな泉を愛していないか みずみずしい木々の緑を 花の香りを 小鳥たちの歌を愛していないか 星の光を 夜のしじまを 遠い昔に出逢ったあの人を 草や葉がかすかに触れ合う音を やわらかな猫の毛並みとぬくもりを わたしは愛する、愛している たくさんの愛しいものへ 愛はわたしの中からあふれてくる 愛がほしいなんて、思うことないんだ 愛はわたしの内にあるんだから こんなにもいきいきと だけどそれでも 愛がほ

短篇|Christmas Eve〈クリスマスの夜〉

 いつものように星がきれいな夜だった。しかし正確にはいつも以上に、いや特別に、とびきり美しい夜だったことを、少年は知ることになる。  ベツレヘムの郊外で、彼はその夜も野宿をしながら、仲間と交代で羊の番をしていた。やわらかな毛に覆われて、むくむく太った羊たちが獣に襲われないように。盗賊に盗まれないように。やんちゃな1匹が群れからはぐれないように。  汚れたマントにくるまって、大きな岩に背中をあずけ、少年は満天の星空をながめた。ちらちらと瞬く光が今にも天からこぼれてきそうで、

第三アドヴェント ~助ける手

人を助けるのはむずかしい 助ける、ということと 甘えられることとはちがうから さしのべていた手を はなすタイミングをまちがうと 大きな傷を負うことだって あるでしょう あるいは 傷を負う覚悟もなしに 手をのばすなんて かるはずみなのかもしれません そもそも 人が人を助けようだなんて 傲慢といえるのだろうけれど 助けられるのに助けない そんな選択ができるほど わたしは器用ではないから さしのべられる手があるなら そうしたいと考える だけど とうてい自分には助けられない 無

「月渡る」で一句

あの人の平安いのり月渡る   真帆沁    書家・彩雪SAISETSUさんが、本日の記事で秋の季語「月渡る」の書を公開されていました。  素敵な書!と思うと同時に、とてもきれいな季語だなあと心を動かされ、詠んでみたのが冒頭の句です。  ちょうど最近、自分のこれまでの人生をふり返り、いろいろな人との出会いと別れについて考えていたところでした。  一期一会の人もあれば、いっとき親しくしたけれど今はもうどこにいるのかわからない人、連絡先はわかるけれど疎遠になっている人、そして