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プラチナ

たとえばいつかこの世を卒業したとき
たましいだけの世界にいくとしよう
悲しみも苦しみもない
愛だけの世界
やすらぎとよろこびに満たされて
時間をも超越できる
永遠の世界

たましいだけで
愛だけで
存在できたら
満たされて
やすらいで
何もかもすべて良し
そんな気分になれるだろう

想像してみた
そのときを
そうしたら
不思議なことに
この世のすべてが愛おしく
尊いものに思えてくる

まぶしい光に目を細め
頬に受ける陽射しのあたたかさ
耳をすませば
木々と風、小鳥が同じリズムで
踊っている
雪の結晶、花や草、小さな虫の造形は
驚くほど精緻で
誰かの肌のぬくもりが
心をときほぐしてくれること
悲しみにやさしさを
痛みにいたわりを
思い合うこと
与え合うことの
奇跡を知る

いま、ここに、肉体をもって
生きていられる
それは
プラチナチケットなのかもと
やがていく永遠の世界からふり返れば

もうすこし息をして
この世を味わっていたいと思うのだ


◇見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーから
ai_kotobaさんの作品を使わせていただきました。
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