見出し画像

イタリアで美容師をしてみたら。

https://www.wwdjapan.com/articles/1011846

はじめまして、ミラノのシンイチです。2009年にイタリアのミラノで美容師を始めて早いこと11年。もうすっかりイタリア人化してしまいましたが、海外生活に興味ある方は遠慮なくご連絡下さい。僕の体験談が少しでも役に立てばと思います。

「シンイチくん、良かったら社員旅行ミラノだけど来る?」

と当時のオーナー松本さんが入社2カ月目にして突然。

僕は栃木生まれ埼玉育ち。美容師を両親に持つ家系に生まれ、なんとなく自分も美容師になろうって思って東京の代官山のとあるサロンに就職しました。都内のいろいろな有名美容院の面接を受けましたが全部ダメ。おまけに当時はニキビで悩んでいたせいか、人の目を見てろくに話せなかったコンプレックスだらけの人間でした。そんな僕は父の埼玉のサロンで働ければいいかと思っていました。ところがある日、父が「松本さんと話してみたら?」と。話を聞いてみれば松本さんのお店はなんと代官山。憧れの東京、僕にとってはまたとないチャンス。父のコネだろうがなんでもいいと思いお話しをさせて頂きました。

東京代官山に就職。 が、、

いきなり入社2カ月で社員旅行がミラノ。もちろんある程度の出費は自費。それでももともと海外に興味があった僕からすれば最高の社員旅行だと思い即答でYes

画像2

昔美容学生時代ロンドンとパリには行ったことがあるので、ミラノも正直同じ感じなのかなとは思っていました。ミラノは正直想像の範囲内。やばいのは後に行くヴェネツィア。あまりにも美しい建物や景色に圧倒されてしまいました。こんな美しい場所が存在するのか!と同時にこれが最初で最後の海外旅行になるのかとも思いました。なぜなら美容師の道は長く険しいのです。休んでる暇もなければ旅行などもってのほかだと思っていました。

画像1

人生の選択。

社員旅行から帰りオーナーからの呼び出し。なんだろうと思いながら話を聞いてみると、「シンイチくん、ミラノで働いてみない?息子がお店持ってるからさ。ミラノ気に入ったでしょ?」と。。何を聞かれたのかわからない、なぜ?というかミラノより正直ヴェネツィアの印象が強すぎて若干ミラノをあまり覚えていないにもかかわらず即答してしまった自分に戸惑う

「はい、ぜひとも!」、、

ここから僕の人生は変わったのだと思います。そもそもアシスタントにもかかわらず、カットの練習、カラーも全て実践練習。営業後は夜中遅くまで毎日残り練習。普通なら順序がありシャンプーやカラー塗布からの練習のはずが、イタリア営業での即戦力になるためスパルタ練習。辛いとは思わなかった。むしろいろいろ出来ることが楽しかった。

ある日、カラーモデルを探す建前で近所のスーパーで働いている子に声をかけて、カラーをしながらいろいろ話ができて嬉しかった。その子のことがすごい気になってて好きだった。カラーさせて頂いた翌日つい突然「昨日はありがとうございました。あなたの事が好きです!この後ご飯行きませんか!?」と彼女がレジで働いているにもかかわらず大声で話かけてしまいました。今思えば僕の中にはすでにイタリア人ぽいところがあったのかもしれません。なにせイタリア男性にとって、女性に対してのアピール(日本ではちゃらいナンパ)は挨拶でしかないからです。その事には後々気づくことになります。

画像3

来たるこの日、ミラノへ

2009年3月27日ついにミラノへ到着。父と弟と同行、1週間は一緒にいるので精神的にはちょい安心。でもやっぱり不安、着いて早々にイタリア人だらけでイタリア語も英語もわからない僕は戸惑うばかり。なぜかイタリア人はみんな怒ってるんじゃないかっていうくらい声がでかい。しかも話ながら顔も身体も凄い動かす。動物か!?って思うほど。笑 ようやく無事に家に着きこれからお世話になるオーナーと合流。父と弟と僕とオーナー、みんなでまずはご飯へ。その時にまずアドバイスがあるからと言われて「街を歩く際は身体のどこかに常に力を入れて歩くんだよ。たとえば拳とか歯をくいしばるとか。」、、え?とっさに僕は「なんでですか?」と。というのもミラノは治安があまり良くなくさらにアジア人というだけでターゲットにされやすいというのである。その時は半信半疑だったが、今後僕はそれを身をもって体験することになることをまだ知らなかった。

到着して一週間が経ち、父と弟は日本へ帰っていった。ここから僕の戦いは始まる。イタリア語も英語もゼロ。

果たして僕はイタリアで生きのびることができるのか。そんなことを思う22歳、春のことだった。

ではまた次回!CIAO!! 

#挑戦している君へ

画像4




よろしければサポートお願い致します!今後イタリアだけでなく日本での活動力として頂けたら幸いです!