見出し画像

秋の期間限定商品、レギュラー2種。更に、極上タルト第4弾〈洋梨のタルト〉を追加しました!



マロン×カシスの〈アンプレッション〉

アンプレッション


上記の写真が当店秋のレギュラー商品の1つ目〈アンプレッション〉。
〈アンプレッション〉とはフランス語で〈印象〉の意。名付けた経緯は後述しますが、この名前を決める際、本当はフランス語の発音に忠実に〈アンプレッスィオン〉と名付けたかったんです。
ですが、それではお客様も販売員も〈読みにくいし、言いにくい〉と満場一致で否決されてしまいました(笑)。

やはり、日本人の大部分は〈スィ〉の発音に不慣れなのか…。

確かに以前、フランス語名のバンド〈ラルクアンシエル=虹〉の呼称が、いつしか巷では〈ラルクアンシェル〉になっていて…。それを見かねたご本人達が「〈シェル〉ではなく〈シエル〉です!」と訂正の声を上げていました。懐かしい。
実際、本当の発音は〈ラルクォンスィエル〉ですが…。
そういった外国語の表記問題・発音問題は根が深く、〈モンブラン〉は実際は〈モンブロン〉〈ミルフィーユ〉は〈ミルフォイユ〉〈パティシエ〉は〈パティスィエ〉。フランス語の教科書に〈お母さん→ママン〉と書いてあったんですが、フランスに着いてすぐ耳にしたのは、子供がお母さんを〈マモン〉と呼ぶかわいい声でした。
また、以前にも書きましたが、パン屋さんは〈ブーロンジュリ〉なのに〈ブーランジェリー〉と誤表記されているお店の多いこと多いこと。
言葉の輸入はやはり〈言いやすさ〉が重視されてしまうようで、本当の発音からズレている事が多いです。そのズレはいざその外国語を学ぶとなると、弊害しかありません。
いつかどこかの時点で〈CD〉を〈シーディー〉ではなく〈スィーディー〉に、〈アンプレッション〉を〈アンプレッスィオン〉と堂々と言える・書ける日が来るといーなーって思う今日この頃です。

すみません、話をケーキに戻します(笑)。

このケーキも他のケーキに負けず劣らず、私のこだわりがいっぱい詰まった、とってもとっても美味しいケーキになります。
こちらも秋の期間限定商品になりますので、この機会に是非ともご賞味下さい。
以下はその詳しい説明になります。
夏の〈あっさりさっぱり〉とは打って変わり、秋味の濃厚さと同じく〈エピソード〉も少し濃いめかも…。

パリの〈シュクレ カカオ〉在籍中のこと。フランス サンテティエンヌに本社のある大手チョコレートメーカー〈ヴェイス〉と、シェフのジェイムズ ベルティエ氏が顧問契約している関係で、その年パリで行われる〈サロンデュショコラ2004・ヴェイスブース〉でのホットチョコレートの販売をシェフが引き受けたようで、それを私に手伝って欲しいと依頼がありました。

もうすっかり日本でも〈伊勢丹〉さんでお馴染みになりましたが、〈サロンデュショコラ〉とはフランス発のチョコレートの祭典。フランス各地のみならず、世界中のチョコレートショップがその会場内にブースを出して、ご自慢のチョコレート商品を販売するというもの。有名ショップは勿論の事、希少な食材を使う珍しいショップ等がその期間のみ1ヶ所に終結するという、チョコ好きにはたまらない夢の様なイベントなんです。

シェフのお供という形ですが、同じパリ市内とはいえ、勤め先の20区からは遠く離れた〈サロンデュショコラ会場〉に車で連れていってもらえ、更にその舞台裏が見れるなんて!と、もちろん即答でOKしました。
ちなみに、シェフは他のフランス人従業員にも声をかけていましたが、アッサリ断る姿はさすがフランス人(笑)。日本ではあり得ないやり取りに、見ていてある意味〈痛快〉で。当日会場には皆個人的に来ていて、そこで会いましたから、単純に〈手伝いはイヤ〉ということ。
結局、お手伝い担当は私1人(笑)。

当日の会場は、フランス各地の有名ショコラトゥリーがブースを構え、真ん中のステージでは有名パティシエ・ショコラティエ達のデモンストレーションやプチ講習会等も行われていて、とっても華やかな雰囲気でした。
以前からメトロ等に大きな広告が掲げられていた事もあってか、会場には朝からたくさんの人達が詰めかけていて、やっぱり〈チョコレートの祭典 サロン・デュ・ショコラ パリ〉は大きなイベントなんだ~と感心していたら、今その場に自分がいる事にも感動したりして。
また、フランスの有名店に混ざり、日本のチョコレートショップも2店舗参加していて、事前にベルティエ氏からブース出店にかかる費用(高くてビックリ)を聞いていたので、その本気度にも感心したり。

残念ながら、当日、私にはホットチョコレートを作ったり、定期的に混ぜたり注いだり、お願いされていた“やるべき仕事”がある為、行われているイベント全てを見る事は叶わなかったのですが、シェフも流石にそれを気の毒に思ったのか、スターシェフが作ったデモンストレーション後の試食をいくつか「食べるか?」と持ってきてくれました。

その中の一皿に〈カシス×マロン〉の皿盛りデザートがあり、どのシェフが作ったのかもよく分からないので、不満タラタラで一口食べたのですが、ビックリ!

「めちゃくちゃ美味しい…」

そのあまりの美味しさに衝撃を受けて…。
〈カシス×マロン〉のマリアージュが美味しいとは聞いていましたが自分で作った事は無く、その興味から他店でその組み合わせのケーキを幾つか買って食べてみましたが、いつもカシスの風味にマロンが負けている物ばかりで、自分的には〈その組み合わせはそれ程でも…〉と思っていました。
でも、そのデザートは今までの物とは全く違いました。
やはりカシスが強い主張をしているにもかかわらず、マロンも驚く程それと対等に渡り合っていて。素晴らしいマリアージュ。

鮮烈で強烈な印象〈アンプレッション〉を受けました。

その時、私の記憶にインプットした味のイメージを、今の私のフィルターを通してアウトプットしたのが今回ご紹介するケーキになります。
構成は下から、マロンのビスキュイ、マロンのババロワ、マロンのビスキュイ、カシスのクレムムースリーヌ、マロンのグラサージュ、金粉になります。
普通に作れば酸味・味わいの濃い〈カシス〉の圧勝なのですが、味の淡い〈マロン〉を対等に戦わせる為に、マロンビスキュイの上に更にマロンクリームを直塗りする等、細かな工夫を多々施しています。

〈カシス×マロン〉好きには是非とも食べて頂きたい逸品であると同時に、このマリアージュ(組み合わせ)を知らない方にも是非ともお勧めしたい一品です。
初めての方には「食べた感じを想像するのは難しいが〈1食の価値〉は大いにある味」と説明しています。
実際にこのケーキ、「味のバランスの良さに感心する」「進藤洋菓子店のケーキの中でも1、2位を争うくらい好き」とおっしゃる常連様が多数いらっしゃるので、間違い無いかと。この機会に是非一度ご賞味頂き、その真偽をご自身で確かめてみてはいかがですか?

こちらも〈違いの分かる大人向き〉な商品で、しつこいようですが〈秋の期間限定商品〉。気になった方はお早めに。

では、いつも通り〈論より証拠〉。ご来店をお待ちしております。

そーいえば、上記の〈サロン・デュ・ショコラ〉が閉幕し、会場を後にする際、たまたま搬入口に〈塩キャラメル=CBS〉で有名なショコラティエ、アンリ・ルルー氏がいらっしゃったので、シェフに紹介してもらって握手しました。これを書いていて、そんな事を何年ぶりかに思い出しました(笑)。



栗×カボチャの〈ロトンヌ〉

ロトンヌ

上記の写真が当店秋のレギュラー商品の2つ目〈ロトンヌ〉。

l’automne〈ロトンヌ〉とはフランス語で『秋』の意。
昔、アヌシーとリヨン、そしてパリでフランス語を一生懸命勉強した私としては、フランス語の発音に忠実に〈ロトンヌ〉と言いたい。
〈ロートンヌ〉や〈トロンヌ〉ではありませんので。

このケーキも前述の〈アンプレッション〉も、形はこだわりの〈トヨ型〉で作っています。その理由は以前の投稿、下記の『ル デリス』をご参照下さい。

〈ロトンヌ〉の〈チクチクなヴィジュアル〉は、素焼きしたカボチャの種を使い、味を第一に考えながらも〈遊び心〉を持って、抽象的に〈栗〉を表現しています(笑)。
いずれにしても、召し上がった方々から「ビックリするくらい美味しい」「期待値を軽く超えていく」と言って頂けるケーキです。こちらも秋の期間限定商品ですので、気になった方はお早めに。
以下は、その〈ロトンヌ〉の詳しいストーリーになります。

“秋の味覚”の代表格2つ、〈かぼちゃ〉と〈栗〉で1つのケーキを作りました。
どちらかと言えば、かぼちゃがメイン。〈栗〉にはアシストをお願いしています。

構成は下から、マロンのババロワ、ゼラチンでユルく固めたかぼちゃクリーム、それらの上下を〈進藤洋菓子店オリジナルのアーモンドスポンジ〉で包み、軽めの純生クリームで覆ってから、素焼きしたかぼちゃの種、シナモンで飾っています。

いつも通り、全て進藤洋菓子店完全オリジナルのレシピでできていますが、特に真ん中の黄色い部分〈かぼちゃクリーム〉には、個人的に強い思い入れがあります。

約2年のフランス修業から帰国後、5年間東京と横浜の製菓学校2校の教員を勤め、その後、更なるチャレンジの為に企業の洋菓子商品開発の職に就きました。
ちなみにその会社は、昨年2022年のグループ総売上高が約700億。そして、本社・系列工場の社員も含めれば何百人もの社員を抱える大企業で。

そこでの私の仕事は、営業が取ってくる案件に応じた洋菓子商品開発、及び工場のライン作成。
それまでも、ホテルや専門学校等でレシピ作成はしていましたが、そこで要求されるのは1日で〈3千個~1万個〉のケーキを製造する為のレシピ。その製造数は〈全国の〉コンビニやカフェチェーンでの販売を想定した数量。それまでは、多く作っても〈何百個〉くらいがMAXだったので、そこでは規模が全然違って…。
もし私の作った設計図(レシピ・ライン)に狂いがあれば、もの凄い数の不良品を作ってしまう事になるんです。そんな事になれば、大惨事だし大損害。
しかも、これまで私が作ってきた〈職人の技術に頼ったレシピ作り〉ではなく、製菓工場で働く〈専門知識を持たない素人集団が作っても失敗しないレシピ作り〉。それは、それまで殆ど使ってこなかった〈マーガリン・ショートニング〉〈香料・着色料〉〈保存料・静菌剤〉に頼ったお菓子作りを意味していて。また、各工程での菌検査、出荷出口での金属探知機にシュリンク機器。大量生産用のトンネルオーブンやラックオーブン、トンネルフリーザーに充填機etc…。今まであまり縁の無かった、それらの食材や機器や製造法に関する知識のインプットに追われる日々。本当に大変でした。あまり思い出したくない記憶です。

そんな状況の中でもがいていた頃、ある大手カフェチェーンのコンペティションの話が営業から入り、参加する様に命じられました。

お題は〈かぼちゃのロールケーキ〉

コンペ開始にあたり、1度だけ参加企業が一同に集められ、内容の説明を受けました。確か、競合は10社程だったと思います。
入社にあたり、ある程度な給与を要求した事もあってか、はたまた私の経歴のせいか、当時社内で“あいつは本当にできるやつなのか?”と、皆が好奇の眼差しで見ている事もよくわかっていました。
その為、

〈是が非でもこの仕事を勝ち取る!!〉

と心に決めて、その日以降、時間の許す限り日々試作を繰り返しました。
第1回目の提出までは短い期間しかありませんでしたが、それまでに獲得した知識・技術を総動員し、自分自身では〈価格・味・ビジュアル〉共に納得する物ができ、結果、1次審査を通過!
その後、2度の改良→審査を経て、見事コンペに勝つ事ができました!

後日談ですが、そのカフェチェーンから全国発売されたそのケーキが〈その企業においての、季節限定ケーキの販売記録を大幅に更新した〉と嬉しい報告を受けました。

いずれにしても、その仕事を取る事によって〈周りからの信頼を勝ち取れた事〉が、とってもうれしかったのを覚えています。
実際に、その前と後を比べると少し居心地が良くなりましたから(笑)。

その時の〈カボチャロール〉の1パーツである〈かぼちゃクリーム〉を、リッチ配合で作り変えた物が、このロトンヌの黄色い部分になります。

北海道産えびすかぼちゃ100%のピューレに進藤特製カスタードクリームを練り込み、ある隠し味を少し入れてから、ゆる~く固めています。めちゃくちゃ美味しい。
その下のマロンのババロワは『アンプレッション』と共通の物で、かぼちゃクリームとの相性はバツグン!

〈ふわっ〉とシナモンが香り、上面に飾ったかぼちゃの種が、〈ポリポリ〉と食感の良いアクセントになっている所も気に入っています。

既にリピーターの多い商品で、はまっている方多数なので〈その美味しさ〉に間違いはないかと。以前お客様から『かぼちゃを使ったケーキはそれ程好きではないけれど、進藤さんのケーキならとチャレンジしてみたら、 ほんと見事に美味しくてビックリしました』とお誉めの言葉を頂きました。そういった声は結構多いので、もしかしたら、初めから〈カボチャのケーキ〉に対する期待度が低いからかな?と思ったりもします(笑)。

こちらも〈違いの分かる大人向き〉な商品で、何度も書きますが〈秋の期間限定商品〉。気になった方はお早めに。



進藤洋菓子店オリジナルタルト×洋梨


洋梨のタルト


進藤洋菓子店オリジナル極上フルーツタルト第4弾。今回の主役(フルーツ)は、私の大好きな洋梨で!

今年は、今まであまり取り上げて来なかった〈フルーツタルト〉をいろいろ出す!を、1年を通して自分自身の課題にしていて。
そして、春の〈金柑〉→〈苺〉→夏の〈ブルーベリー〉と、今のところ3種類を期間限定で販売しました。そのバトンを次は何に繋ぐか?
いくつもある秋のフルーツで暫く逡巡していましたが、大変お待たせ致しました。
〈洋梨のタルト〉に決定です!

なぜ〈洋梨のタルト〉なのか?
答えは簡単。
昔から『フランス菓子で一番好きなものは何?』と問われれば、『タルト オ ポワール(洋梨)』と答えているくらい洋梨のタルトが大好きで。
というか、一番最初の就職先で作っていた〈タルト オ ポワール〉が美味し過ぎたから、と言うべきかも?
土台のクッキーがサクサクで、アーモンドスポンジはナッツの風味が濃くしっとり。そして、上面に綺麗に並べられた洋梨がジューシーで、且つその上を覆うアプリコットジャムとのマリアージュが素晴らしいタルトでした。

少し曖昧な記憶ですが、確か就職して2年目に入り、オーブンの担当を任されてすぐ、最初に作り方を教えてもらったのもその〈タルト オ ポワール〉だったかと。
レシピと作り方を教わり、初めてそれを1から10まで1人で作った時はとっても嬉しかった…。
同業者なら分かると思うのですが、勤めているお店の自分の好きなケーキを担当できる・任されるって、めちゃくちゃ嬉しい事なんです。

作業内容としては、パートシュクレ(クッキー)を型に敷き込み、その中にケーキクラムを撒いてからラム酒香るクレムダマンド(アーモンドスポンジ)を絞り、表面にスライスした洋梨を綺麗に並べてオーブンへ。焼き上がりに洋梨のお酒を塗り、冷めてから熱々の杏ジャムで上面をコーティングする、そのような工程でした。
フランス菓子の基本技術が詰まった難しい作業工程の連続に、上手くなりたい一心で必死に取り組んだ思い出の菓子。
何度も書きますが、それはそれはとっても美味しかった。

それをそのまま作っては〈進藤洋菓子店の菓子〉ではないので、その時、頭にインプットした〈美味しさ〉はそのままに、今の自分なりにその〈タルト オ ポワール〉をブラッシュアップしたのが本商品。
作り方はいつもの如く、完全に進藤洋菓子店オリジナルで。

いつもの様に、タルトの土台であるパートシュクレ(クッキー)とクレムダマンド(アーモンドスポンジ)は別焼きに。冷めてからそれらをバタークリームで接着し、タルトの様に成形します。この形・この工程は、最下部のクッキーをいつまでもサクサクに保つ為に考えた、私なりの最適解といったところ。

そして今回は〈洋梨のタルト〉を作るにあたり、それまでの金柑・苺・ブルーベリーのパートシュクレ(クッキー)とクレムダマンド(アーモンドスポンジ)から色々と変更を加えました。
変更点のまず一つ目はレシピ。当店のタルトを作る際は毎回必ず使っていた食材、〈はったい粉〉を今回は抜く事に。理由としては、洋梨の味わいが極端に淡く、逆に〈はったい粉〉は風味が強過ぎるので、割合を調節したとしても〈美味しい調和〉が作れないと判断した為。今回のタルトは洋梨とアーモンドの風味を強く出したい。
なので、ラム酒も✕。

私の菓子の心臓は、味のバランスなんです。

二つ目の変更点は焼き方。
ダマンドの焼成は、いつもの湯煎焼きではなく直焼きに。今回は、クレムダマンドの中にコンポートした洋梨を散らして焼き上げるので、以前のダマンドのレシピより比較的水分が多。なので、直焼きにして、水分を飛ばしながら焼く感じにしました。

実は、今回使う〈パートシュクレとクレムダマンド〉のレシピは、パティスリーの名店〈レアントルメ国立〉の、私が尊敬する魵澤シェフから以前に頂いた物をそのまま使用しています。
基本的に、当店の商品には〈自分が独自に作ったオリジナルレシピを使う〉という縛りを設けているのですが、手を加える必要のない素晴らしいレシピがある場合は、仕方なしにそのまま使います(笑)。極僅かですが…。
その魵澤シェフとは、私が専門学校教員だった時に初めてお会いしました。年に1度、私が勤めていた専門学校製菓クラスでの授業を受け持って頂いていて。それ以外にも、私の図々しいお願い〈就職ガイダンスや学園祭講習会等〉の依頼もOK して頂き、貴重な経験談をお話してくださったり、素晴らしい製菓テクニックを披露して頂いたり。
その節は大変お世話になりました。

話を戻すと、その当時学生達に指導して頂いていたのが、正に〈タルト オ ポワール〉で。
私は若い頃転々と多くの職場を経験したので、その副産物として多くのレシピを持っていて、その中には上記、最初の就職先の物もあるのですが、魵澤氏から頂いたそのレシピが圧倒的〈No.1〉。多くの素材が同割である事からクラシックな配合である事が窺えるレシピで。たぶん、氏が長く勤めていらっしゃった『ルコント』の流れを組むレシピなのだと想像できます。
そのシュクレは甘さがかなり控えめで、それが粉の旨みをより強調。で、サクサク。
そして、ダマンドはしっとり柔らかく、焼成後にバターとアーモンドの香りが際立って非常に美味しい。
一つだけ物申して良いのであれば、そのレシピは〈学生に扱える代物〉では無いです(笑)。シュクレはバターの割合が多すぎるので、手で伸すには高度な技術が必要で。ダマンドも水分多過な為、教えて頂いた手順(全卵を入れる度にアーモンドプードルで繋ぐ)を守らねば、分離して使い物にならずで…(笑)。
いずれにせよ隣で助手を努めさせて頂いた私が 、毎回一番の特等席で授業を受け、そして、その時のレシピを使って今このように新商品を作っているこの現状。魵澤さんには感謝しかありません。ご指導頂いた事をしっかりと守り、今後も技術者として近づけるように努力します。

すみません、逸れてしまいました。
話を〈洋梨のタルト〉に戻します(笑)。
その土台に進藤特性スペシャルバタークリーム(クレムアングレーズベース)を塗り、8等分にカット。
その上に今回の主役、香り豊かにコンポートした洋梨(バートレット)をたっぷりと盛り付け、自家製洋梨ナパージュと粉糖+ピスタチオで飾って完成!

通常の、そして他店の〈タルト オ ポワール〉に比べて洋梨の果肉がモリモリなので、果実のジューシーさを存分に味わって頂けるタルトです。
併せて、先程書いたアーモンドの香り高い〈パートシュクレ・クレムダマンド〉との均整のとれたマリアージュも感じて頂けたら…。
本当に美味しい…。

詳しい説明のリリースが遅くなっておいて大変申し訳ありませんが、こちらの〈洋梨のタルト〉は材料の都合上、11月半ばまでの販売となります。
なので、今週末で終了かも?
気になった方はお忘れなく。

当店の全ての菓子は〈違いの分かる大人向け〉。では、いつも通り〈論より証拠〉。ご来店をお待ちしております。


秋の期間限定商品人気No.1の〈モンブラン〉も、ご一緒にいかがですか?


この記事が参加している募集

至福のスイーツ

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?