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冬季限定。オリジナル焼き菓子〈ティーグルシリーズ〉

今回ご紹介するのは、当店冬限定の人気焼き菓子〈ティーグル〉〈ティーグルノワール〉〈リヨン〉〈リヨンヌ〉〈ウルス〉。これらをまとめて〈ティーグルシリーズ〉と呼んでいます(笑)。

大変お待たせ致しました。『ティーグルシリーズ』、今年もちゃんとやります!
そして、既にバレンタインデーに向けて全種類、店頭・〈BASE〉に並んでおります!


『ティーグルシリーズ』とは、私がフランス菓子の〈ティグレ〉を参考にして作った、とびっきり美味しい〈進藤洋菓子店オリジナル焼き菓子〉5種類の事。

フランス菓子通の方は〈ティグレ〉と聞くとピンと来るかと思いますが、知らない方の為に。
まず名前の〈ティグレ〉は「虎模様の~」という形容詞が名詞化した言葉。
誰かが“〈ティグレ〉はフランス語で『虎』の意味”と言った?書いた?様で。
見事な伝言ゲームにより、ネット上はその誤情報一色ですが、残念ながら間違いです。

フランス語の〈虎〉。正しくは、雄が〈ティーグル〉で、雌が〈ティグレス〉。

仏語 tigre 虎  男性 (複数 tigres; 女性 tigresse, 複数 tigresses)

フランス語辞書

話を『お菓子』に戻すと、その〈ティグレ〉というフランス菓子。黄色のスポンジケーキに黒いチョコチップが斑点の様に浮かぶその姿は、確かに虎模様。
基本の作り方は、フィナンシェと同様の生地にチョコチップを混ぜ込み、それをサバラン型に流して焼き、冷めてから上部のくぼみにチョコを流し込む、というもの。
ちなみに、私が働いたパリの『シュクレ・カカオ』でも、確かそういったレシピでした。

私は当店の『ティーグルシリーズ』を作るに当たり〈フィナンシェ生地〉にはご遠慮頂いて、その形状・構成のアイデアだけを拝借し、中身は全く別な進藤オリジナルの焼菓子を作りました。
なので、レシピはいつも通りゼロから自分で考えた物です。
うるさいようですが当店の“キーワード”は『ここにしかない菓子』なんです。
レシピクリエイターの本領発揮。

まず、生地はパウンドケーキとフィナンシェの中間位をイメージし、その両方のいいとこ取りを狙いました。かなり斬新なレシピだと思います。
バター+砂糖を泡立て、そこに大量の卵白+極少量の全卵を加え、アーモンドパウダーや薄力粉+ベーキングパウダー等他の材料を混ぜていきます。
フィナンシェでも分かる通り、卵白はとても起泡性が高いので、バターの泡立て具合、ベーキングパウダーの配合量、混ぜ方等結構繊細な組み立てが必要でした。
このレシピに積極的に卵白を使用したのは、パティシエの方ならお分かりかと思うのですが、現代の菓子作りでは卵黄の消費が多く、卵白が余ってしまう傾向にあるので、実はそのバランスを取る為の開発でもあったからなんです(笑)。

生地の試作が思いの他、少ない回数で〈フワフワしっとり〉のとてもいいスポンジケーキ(基本の生地)が出来上がったので、その良い流れのまま、生地の薄力粉の一部をココアに変えた物、細かく刻んだオレンジの砂糖漬けを混ぜ込んだ物、アーモンドパウダーをヘーゼルナッツパウダーに置換した物等のバリエーションを作り、それぞれに私がベストマッチだと思うスイートチョコ・ミルクチョコ・ホワイトチョコをトッピングしました。
複数提案は商品開発者だった頃のクセの様なものです(笑)。

そして完成した『ティーグルシリーズ』5種類。
・〈ティーグル〉
  アーモンド生地にチョコチップ+スイートチョコトッピング
・〈ティーグルノワール〉
  チョコ生地にチョコチップ+スイートチョコトッピング
・〈リヨン〉
  オレンジ生地+スイートチョコトッピング
・〈リヨンヌ〉
  オレンジ生地+ホワイトチョコトッピング
・〈ウルス〉
  ヘーゼルナッツ生地+ミルクチョコトッピング


〈ティーグル〉

ティーグル=虎

当店オリジナル〈香り高くしっとりとしたアーモンドスポンジ〉に、風味の強いチョコチップを混ぜ込み、上部にフランス産のスイートチョコレートをトッピング した焼き菓子。アーモンド×チョコ+チョコチップのマリアージュは秀逸。美味しいに決まってるヤツです(笑)。特別な破砕方法で作られた上質なアーモンドパウダーを使用。

〈ティーグルノワール〉

ティーグルノワール=ブラックタイガー

風味豊かなチョコ生地にたくさんのチョコチップを混ぜ込み、冷めてから上部のくぼみにフランス産のスイートチョコをトッピングした焼き菓子です。
チョコ×チョコ×チョコなので、チョコ好きにはたまらない一品。間違いない美味しさ。バレンタインデーにぴったりの一品です。

〈リヨン〉〈リヨンヌ〉

リヨン=雄ライオン
リヨンヌ=雌ライオン

この2つは姉妹商品です。
スポンジケーキ部分は両者同じで、基本のオリジナルティーグル生地(バター・砂糖・卵白etc)に香り高い〈オレンジミンチ〉を混ぜ込み焼き上げた物。
そして〈リヨン〉にはフランス産のスイートチョコを、〈リヨンヌ〉にもフランス産の、こちらはホワイトチョコをトッピングしました。このオレンジのスポンジ生地は〈基本の生地〉とは違い、完成までにかなりの試作を要したので、とりわけ思い入れの強い商品です。こだわっただけに本当に美味しい。そして、土台は同じでもトッピングによってその印象がガラリと変わります。
面白いです。
私としては、出来れば食べ比べてもらえると嬉しいですね。名前は〈リヨン=雄ライオン〉〈リヨンヌ=雌ライオン〉。勝手なイメージです(笑)。〈ティーグル =虎〉に対抗するにはライオンかと。


〈ウルス〉

ウルス=熊

このシリーズには〈ティーグル〉=〈虎〉のようにフランス語の動物名を付けているのですが、〈ウルス〉は〈熊〉の意。
香り高く、しっとりとしたヘーゼルナッツ生地に、フランス産のミルクチョコレートをトッピングしました。
ヘーゼルナッツの香りを最大限に生かすため、皮つきのパウダーを使用しています。この焼き菓子も、サーブルやカラメルパウンドと同様に、私のお気に入りのひとつ。やはり若い頃、ピエールエルメ氏の〈プレジール シュクレ〉というケーキに感動した私としては、〈ヘーゼルナッツ×ミルクチョコレートのマリアージュ〉はマストです。本当に美味しいです。

以上になります。冬季限定の商品なので、是非この機会にご賞味下さい。

当店の焼き菓子が、どれもビックリする程美味しいのは何故?とよく質問を受けます。
ありがとうございます。
答えはとても簡単で

《全て自分でレシピ作成しているから》

その上で〈味わい深い〉や〈しっとりさせる〉を自分なりに模索しながら調整を繰り返しているので。以前の自分もそうだったのですが、自分でレシピを作れずいいレシピを探し求める〈レシピコレクター〉なら、『マドレーヌは素晴らしいレシピを持ってるのでビックリするくらい美味しいけど、フィナンシェは普通のレシピしか持ってないからイマイチ』みたいな事になってしまいます。
私は様々な場所でたくさんの菓子を作り、材料の知識を深め、ある時を境にレシピコレクターを卒業しました。転機は製菓専門学校教員と企業のレシピ開発者を経験した事です。材料を基礎から理解し、ゼロからレシピを生み出すノウハウを教わりました。それを駆使し、今でも日々新しいレシピを作り、既にあるレシピも〈美味しい〉を向上させる為に、事ある毎に微調整を繰り返しています。
修業を開始したあの頃の自分には〈全く想像すら出来なかったレベル〉に今いるのも、目の前の事から逃げず、日本各地やフランス等、様々な場所で沢山の事を吸収したからだと思います。努力と継続。

《千里の道もまず一歩から》
《ローマは1日にして成らず》

いつも通り、論より証拠。
こちらの焼き菓子も〈違いの分かる大人向き〉。では、ご来店をお待ちしております。
あ、〈BASE〉のオンラインショップで今の時期のみ〈メダイユ オ ショコラ〉〈ティーグルシリーズ〉〈ショコラ キュイ〉を絶賛販売中です!
店舗でのご購入は現金のみですが、〈BASE〉では各種クレジットカードが使えますので。そちらも是非ご利用下さい。


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