『孟子』74滕文公下―孟子と陳代の対話(2)趙簡子と王良~道を曲げず
*今回、登場する趙簡子(ちょうかんし)は、かつて春秋時代後期の晋の有力氏族であった趙氏の当主です。趙という氏でもわかるように、彼の子孫が後に、戦国七雄の趙を建国します。
*さて、前回の孟子の言葉はつづきます。
……。
むかし、趙簡子(ちょうかんし)は、狩猟をおこなった際、王良(おうりょう)が御者をつとめる馬車に、腹心の嬖奚(へきけい)を乗せて二人に狩りを行わせた。
そして二人は、一日かけて一匹も獲物を狩ることができなかった。
嬖奚は、趙簡子に報告して、このように言った。