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藤村綾
2020年8月31日 17:41
隣に住んでいる住人の顔を2年近く住んでいるにも関わらず一週間前に初めてみた。普通の優しそうなお兄さん? いやおじさん? どっちともとれる顔や体躯はゲゲと声が出てしまうほどあたしのバッチリでグッとなるタイプだった。なぜ2年もの間知らなかったのかといえばお隣さんはなにせ朝ど早く出ていき帰ってくるのは次の日になってからでだから会うわけなどはない。多分土日休みだったろうと思うけれどあたしが土日休みではな
2020年8月24日 13:12
さっきまでピーカンでうだるような暑さだったのに急に空がグレーになってきてフラッシュ? と見まがう閃光の光のあとそれをすぐさま追うようにゴロゴロと猫の猫のご機嫌なときの声じゃないけれどお腹に響くようなかみなりが鳴った。「おう! びっくりしたぁ」とほんとうにおどろいたのはあたしではなく床屋のおじさんだった。「おれさ、まじで雷だめなんだよね。あとおやじと」なぁーんてとおやじがおやじギャグをいう。「
2020年8月22日 17:18
年下の彼にあう。たまたまLINEをしたらたまたまいいよという返信がきてたまたま近くにいたのでうきうきして彼のアパートにいった。 偶然が度重なった場合だけこうやってあうことが出来る。あたしは年甲斐もなくはしゃいでいた。彼のこときっと好きだ。あまりにも年下だけれど。 とにかく暑い。日傘をさしていても背中に不快すぎる汗をかく。彼のアパートに着きチャイムをおす。いくどか鳴らしてもうんともすんともいわな
2020年8月18日 00:30
連休明け。なんとなく彼からメールが来るという変な自信があった。もうあたしからはメールをしないと決めていてメールが来たら返事を返すなり会うなりそうゆうあとのことは彼に全て委ねようとこの前から決めていた。 どうしても終わりにすることが出来ない。出来ないとゆうか出来そうにないし彼はあたしの切ない気持ちなどおかまいなしに身勝手にメールをしてくる。『あちい』 夕方の4時。あたしはパソコンと向き合って
2020年8月11日 18:43
「はい。大きく息を吸ってー。そう、そう、もっともっと。そう、どうかな? ぼーっとしてきたか……」 のあとの記憶がまるでない。『え? 嘘でしょ? こんなに効く人あんまいないよ』『あ、でもさそういえば昨日彼氏とさ』『まじでぇ〜』そんなくだらなすぎる看護師いや女王さまたちの会話は真っ黒な渦のただの片鱗にあるだけであたしの意識はその渦の中にいてオナニーでイク感覚を何回も何回もあじわいなんでこんなに気持ち
2020年8月5日 20:51
「もう松葉杖とれたんだね」おじゃましますと部屋に入りテレビを観ていた直人が振りかえったと同時にいわれる。 あ、うんと曖昧にこたえて直人の隣に座る。 10日ぶりにあった直人はやはり10日前とは少しの変わりもないけれどそれでもやはり10日間の間でお互いに些細なニュースはあるし10日間の間でこうやって松葉杖もとれたり10日間の間にちょっとでも浮気をしているかもしれないという被害妄想にやられそうになり
2020年8月1日 17:37
あなたは誰なの? 大好きだった男が隣にいてけれどどうしてかあなたではないあなたがあたしになにか話しかけていて、あ、ふうん。あ、そうなんだ。へえ。たいへんなんだね。そんな雑な相槌を打ってはいるけれどもうこの人はあの頃のあの人ではないことに気付いてしまい胸の中が暴風雨によってさらされた森のようにざわめき今にでも顔を両手で覆っておいおいと声をあげて喚き泣きたい衝動に駆られる。 助手席から窓の外に目