部下との対話を通じて再確認した大企業病の責任感と経験値
昨日初投稿した記事をまとめてて、また部下との対話から照らされた角度で色濃く浮かんできた大企業病の形をここに書いておきたいと思いました。
完全に余談ですが、誰ともつながりのない中で昨日初投稿した記事が思いのほかたくさんの方に読まれ、スキ!を頂くことができて、とても励みになっています。
本当にうれしいです。
入社歴の浅い部下の一言でまた気づかされる
『課長、なんでうちの課だけ真面目に議事録発行するんですか?』
まっとうな会社にお勤めの読者さんには想像もつかないかもしれないが、これがこの会社のリアルです。
特に営業が訪問先顧客の記録なんて公式に文章として残しているのを見たことがない。
出張報告もなく、商談記録もなく、週報すらない。
こんな状態を目の当たりにしていれば、常に『簡素で構わないから基本は当日中、最低でも24時間以内に議事録を発行せよ』という僕からの課長としての課員に対するお願いは異質に映るだろう。
『異質に映る』ということは、僕の課以外からは、営業に限らずまともな議事録が出てくることは少ないのだ。
なぜだか知らないが、当然のようにISO9001は取得している。
不思議だ。
この会社の会議では
会して議さず・議して決さず・決して行わず
が定常化している。
正直変化が嫌い(できない)なので、何か問題があっても改善しないのだ。
だから会議も決定事項も意味をなしていない。
しかし、会議は存在するのだ。
集合研修に顕著に表れていたアウトプット軽視
冒頭の部下からの問いを受けて、真っ先に僕が新任主任研修に行った時のことを思い出した。
上場企業であるわが社の人事部主催の集合研修の最後に、いくつかのグループに分かれてポストイットにいろんなアイディアを書いて模造紙に張り付けてディスカッションする的なワークがあった。
(うちの会社ではよくある形式なんですが、皆さんのところもありますよね?)
僕は自分のグループでまとまった模造紙を写真に撮って持ち帰ろうとしたその時、なぜか人事部のスタッフが、まだ写真が撮れていない模造紙をグシャグシャにして捨ててしまったのだ。
人事のスタッフ曰く、『そんなことわざわざしないでいいのよ。早く撤収しましょう!』だそうだ。
その人事部スタッフが首からかけているネームカードに書いてあった肩書は『人事課長』だった。
これを引っ越し業者に例えてみたら
会議や研修をすること自体が目的になってしまって、アウトプットを文字通り『ゴミ箱に入れる』作業は、引っ越し業者に例るとバイト君が一回新居へ荷物を持って行って、それをまた元の家に戻しているのと同じである。
労力はかかるが、結果は何もか変わっていない。
人工費と時間だけが失われただけだ。
でもこれが『仕事』だと思っている大人が僕の会社にはたくさんいる。
前のブログで書いたような人たちだ。
良ければ読んでほしいです。
使っている言葉だけがいかにも大卒サラリーマンっぽい感にアップデートされているだけで、やっていることはこの程度である。
しかも会議が無駄なだけでなく、アウトプットは捨ててしまうクセに、会議準備と呼ばれる事前作業にもその時給が発生しているので非常にタチが悪い。
この引っ越し業者が自分の個人事業だったら?
仮に妄想してみてください。
脱サラして、裸一貫運送業を始めたあなたは、このバイト君を放置しておけますでしょうか?
このお茶目なバイト君の残したアウトプットを褒めることはできるでしょうか?
荷物を持って一日中グルグル回って元の場所に置いてしまうチャーミングなバイト君が、日当ばかりか高額の交通費(会議準備の人工費)も請求していても頭をなでて日当を渡せるでしょうか?
そして、やることは変わらないのに、バイト歴が長くなったからと言って無尽蔵に時給を高くしていくでしょうか?
何か法に触れるような特別な社長の弱みでも握っていないとこうはならないと思う。
完全に余談ですが、僕が学生の時にバイトしていた引っ越し屋さんでそんなファニーなアクションをしていたら間違いなく鉄拳が飛んできていました。
(そんな現場を目撃したのも若かりし頃のいい思い出だな。。)
で、改めてあなたはどうですか?
なぜこの状態が放置され続けるのか?
僕が個人事業主であったら、残念だけどこれを放置はしていられない。
教育論とか、チームビルディングとかの方法論は別として、この状況を何とかしなければいけないと思ってしまう。(当然ですよね?)
上でリンクを貼らせていただいた前の記事でも書いた通り、僕の会社ではこういった状況は放置され、そしてその活動は『褒められ』続け、給料が上がっていくのだ。
法に触れるような社長の弱みも握っていないのに。だ。
こうなっている状況の原因を推察すると、パッと思いつくのは
①これが無駄だと気付く能力がない
②そもそも無駄が悪いことと思っていない
の2つくらいか?
どっちにしろ地獄である。
実際は、とある社内的な全社改善活動推進部署的な組織のお達しで啓蒙の掲示物(会議には遅れてきてはだめですよとか、会議は始める前に何を話すか決めておきましょうといった、小学校低学年の学級会のグランドルールのような内容)や注意のメールなどが日々飛び交っていたりするのだが、そのうえで、この現状である。
こうなると
③無駄だと指摘されても何か自分の行動を変化させることができない
という最強に地獄なパターンが原因である可能性が出てくる。
そして、ここでやっと冒頭のタイトルに書いた『責任感』という単語が登場する。
この前の段落で、『もしあなたが個人事業主だとして~』と問いかけさせていただいたのもこの観点からである。
僕が現状放置の原因仮説として思いついてしまって、一番これじゃないかと思っているけど、それでも一番認めたくないのが
④この会社が儲かろうが儲かるまいが、給料がもらえるんだから一番楽なのがいいんだから、『面倒なことはやらない』と多くの人間が考えている
である。
でもこれっぽいよ。
だって朝ちゃんと指定時刻までに出勤して、規定時間座ってる生活を何年も続けていれば日本人の平均を大きく超える給料をもらえるんだもん。(上記前回の記事参照)
そして前回の記事に補足して書けば、僕の会社は査定による給料の差はほとんどない。
査定はS・A・B・C・Dの相対5段階評価で、分布は山型。
最上位のSと最下位のDは全体の4%程度しか入れないので、実質ほとんどの人がABCに固まっている。
そしてSとDでも年収は20万円程度も変わらない。
最短コースで課長になった僕の主任時代の給料は880万円だ。
それが860万円になったところで多くの人にとっては誤差程度のもんだろう。
だったらやんなくていいよ。
仮説④最高。
要は会社の未来、もっと近視的な表現にすれば明日の自分の食いブチが自分の仕事によってもたらされていることを意識していないのだ。
その軽薄な意識が日当をもらっているにもかかわらず会議だの研修だののあとプットをゴミ箱に入れ続けることを許容しているのだ。
もっと僕の実体験に近い部分でいえば、僕が現在出向している子会社の社長は当然創業者なんかじゃない。
本体の事業部長クラスが社内昇進がふさがった場合の脇道的ポジションで、サラリーマンとしてのキャリア最終地点として、必ず3年交代で入れ替わっている。
やってくる社長がどういうモチベでこの子会社と向き合っているかは人によるし、状況だけで勝手に社長の気持ちを決めつけてしまうのは乱暴だ。
それでも・・・・。
3年したらサラリーマンでなくなってしまう人が、10年後の会社のことを本当に考えて決断をしてくれているのかな・・・
本体の上役から怒られないことを最優先に考えているのではないかな・・・
という言葉が頭をよぎってしまう。
だってどの社長もお茶目なバイト君を叱らないんだもの。
そして必死に抵抗しているつもりではあるものの、新卒で入社して以降この会社でしか働いたことのない僕の考え方は、世間一般からみても相当甘いんだろうな・・・
と、不安になる。
この辺はまた別の機会にウィンド転職活動で見えた自分の市場価値への不安として記事にしたいと思てっいます。
(さりげない告知なので皆さんよかったら読んでくださいね!さりげないでしょ?)
そんな僕でも部下に伝えなきゃいけないこと
そうそう。
長く書いてしまったが、事の発端は部下からの問いかけにあった。
これらを踏まえたうえで部下にどういう仕事への取り組み方をして欲しいかを、こんな会社ではあるものの、その中では出世の早かった僕が実践してきたこととして伝えた。
でも長くなったのでこれはまた次回に書きたいと思います。
この部分がタイトルにあった『経験値』の要素だったんだけど。
(また次回予告だ!)
最後まで読んでくれた方。本当にありがとうございます。
同意・批判・賞賛・侮蔑のどの感情でも構いませんので、コメントかスキで表現してもらえたらとてもうれしいです。
悩みや不安を誰かが聞いてくれていると思うととてもうれしいです。
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