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「やってみなけりゃ分からない!行動あるのみ!」は正しいか?~「ピンチを切り抜ける」働く知識

新しい事をやろうとしている時に、絶対に必要なことがあります。それは「行動力」です。「行動力」が無いが為に折角のチャンスを逃してしまった人はどれ位いるのでしょう?ここぞという時に行動できず後悔している人も数知れずいるでしょう。

一方で、「行動力」があり、思い切って新しい世界に飛び込んだ人は、みんな成功しているのでしょうか?

今回は、新しい事をする時に言われる決め台詞「やってみなけりゃ分からない!行動あるのみ!」を検証してみようと思います。

①「やってみなけりゃ分からない!行動あるのみ!」は正しいか?

以前「ピンチを切り抜ける創業セミナー」という勉強会に出席しました。主に創業時に起こりうるリスクを事例と共に分析しながら、知識を深めるという勉強会です。

勉強会の目的は、創業後に直面する様々な事例を見ながら、それらのリスクを知ることです。そのリスクを知る事で、実際の創業に生かしていこうという事です。

実際、その勉強会では「創業の失敗事例」が具体的に実に多く説明を聞きことが出来ました。正に「失敗から学ぶ」を地で行った内容です。なかなか的(まと)を得た企画でした。

勉強会が進むにつれ、分かったことがあります。それは、「エッ!?そりゃ失敗するでしょ」的な、あまりにド素人的な失敗で廃業した例が実に多いのです。

つまり、今回の多くの失敗事例を見ると「ド素人経営が完全に裏目にでた」事例がほとんどなのです。

最初はイケイケで行くのですが、途中で「売り掛け・買い掛け」の知識がなくてキャッシュが不足して倒産とか・・・。

当初絶好調の中、社員を雇い過ぎて、業績の悪化と共に人件費(特に社会保険料)が支払えなくなって倒産とか・・・。

確かに事業を始めてから、その渦中にいれば、分からないのかも知れないのですが、あまりにこの辺が適当と言うか、知識が無さすぎるというか・・・。

あまりに基本的なことが原因の「失敗例」を聴いていて、本当に胸が痛みました・・・。

その勉強会で結果的に分かったことはこれです。

行動すればいいってもんじゃないでしょ!

②「やってみなけりゃ分からない!行動あるのみ!」〜検証

多くの成功者が「やってみなけりゃ分からない!行動あるのみ!」なんて事を言います。この言葉って全てにおいて殺し文句になっている様な気がします。本来の意味は「行動こそが全てを生み出す」ということです。

確かに行動を起こさなければ、なにも起こらないのは間違いないでしょう。

でもね、この言葉を真に受けて「何でもいいからやっちまえ!」みたいなのはどうかと思ってしまいます。

特に自分の人生をかけて起業する場合は、この「やってみなけりゃ分からない!行動あるのみ!」は非常に危険だと思います。

この言葉が生きるのは「大きな失敗をしてもリカバー出来る」環境があっての事です。

全財産、人生をかけて何かをする場合、こんな危険な言葉は無いと思います。サラリーマンが会社のバックのもと新事業を起こすのとはワケが違うのです。

サラリーマンが失敗したって飛ばされるくらいです。だからと言って、サラリーマンは甘いって話ではありません。独立しようと思った人たちは、そのリスクを承知で行動したわけですから。個人事業主であろうが法人の代表であろうが、あなたが起業する以上、リスクの責任は代表であるあなただと言う事です。

ところが、果たしてそこまでリスクの責任を持ってやろうと自覚している人が、どれだけいるか甚だ疑問です。

③行動に加えて大切な事

では、どうすればいいのでしょう???

それはやはり何か新しい事を始める前には下準備をキッチリすることです。

下準備というのはこう言う事です。

起業をするなら「財務・労務・マーケティングその他業界知識・裏知識」等々を出来る限り前もって仕込むべきです。いや、身に着けなければなりません。

もし、どうしても財務の知識が身に付けられなければ、有能な税理士等の専門家を見つけておくと言う手もあります。つまり、自分に知識が無いのなら、その方面の専門家をわきに抱える体制を作っておくと言う事です。

また、今回のセミナーのような諸先輩の失敗事例をたくさん聴くことも知識に繋がります。そして、ある程度その体制が整ったら「行動する!」のです。

「やってみなけりゃ分からない!行動あるのみ!」という言葉は、そういう地道な仕込みが面倒くさい人達には、まるで麻薬のような言葉なのでしょう。

だから何も考えずに「とび込んで死んじゃう」わけです・・・。

何か新しいことに挑戦しようとしているあなたにはこう言いたい。

「やってみなけりゃ分からない!行動あるのみ!」に従う前に、まず自分のポジションを確認しましょう。

失敗がどれくらい許されるのかをシミュレーションするのです。

今回の挑戦が人生にとって非常に重要なものだったら、前知識を徹底的に調べましょう。そして、少なくても80%程度業界の事が見えたら、飛び込みましょう。

場合によっては、週末など余暇を利用してテストを繰り返すのもいいでしょう。とにかく、何も考えず「とにかく行動だ!」というのは、言語道断です。

④まとめ

何か新しい事をやる時には、自分が飛び込む業界、市場を徹底的に調べることです。それこそ、これまで勉強した事がない位、徹底的に調べるのです。また、財務の知識、そして、人を雇うなら労務の知識。税理士など専門家を雇うのも手です。これらも必須事項です。そこで勝算価値がありそうだと思ったら「行動」です。

そこではじめて「やってみなけりゃ分からない!行動あるのみ!」となるのです。勿論、今の自分で十分リスクをカバー出来る範囲なら、「やってみなけりゃ分からない!行動あるのみ!」はありです。

しかし、大勝負では絶対に駄目です。徹底的に裏付けを取らなければなりません。リサーチした上で、更に実証テストです。ましては、創業した以上、事業を継続しなければ意味はありません。そうであれば、わかりますよね。

自分の目指す業界の知識やスキルと財務労務というベースの知識を整えてから「やってみなけりゃ分からない!行動あるのみ!」を実践するのです。あなたの未来を応援しております。

⑤今日の名言

❝リスクとは、自分が何をやっているかよくわからないときに起こるものです❞~ジェシー・リバモア


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