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海外でのプチ成功はインディーズで売れたようなもの

 上海で15年間商売をしました。頑固マグロおやじの店「天家」を中心に鉄板焼き、とんかつ店、鮨店など最盛期には14店舗を運営しました。30歳の私は無一文でしたが、大きな野望もって海を渡りました。そのわりには小さな小さなプチ成功でした。

 海外で少し売上をあげている企業や個人は、インディーズで売れているバンドのようなものだと思います。インディーズはメジャーほど大きな制約がないので自由に活動ができます。裏を返せばルール自体も自分たちで作っていかなかればなりません。そうです。メジャーとインディーズではバンドの売り出し方もついているファンの層も全く違います。中国で商いをする私にも日本とはぜんぜん違う負荷がかかっていたと思います。

 そしてインディーズは何よりも儲かります。同じ商いの規模であれば、社長が得る報酬はメジャーに比べてはるかに多いと思います。大手事務所を通さないインディーズバンドが多額の報酬を得ているのと同じです。

 ただやっぱり「所詮インディーズでしょう。」という見方があるのも事実です。わたしの場合であれば「中国バブルにのっただけでしょう。」「中国人のパートナーに恵まれたのね。」「上海は見よう見まねの商売が通用していいわね。」などの意見をよく頂きました。これらのご指摘はすべて的を射ています。すべて事実です。それをもとめて海を渡っているのです。日本にはない、メジャーにはない、チャンスをもとめて海外で商いをしているのです。当時の私はインディーズであることに誇りすら持っていたように思います。

 そんな私が45歳にして日本で商いを始めました。なぜでしょうか。答えは簡単です。メジャーで評価されたくなったのです。王道を歩きたくなったのです。インディーズのコアなファンに支持されるのもいいのだけれども、、メジャーのファンにも自分をアピールしたいと考えました。マニアックな会場でライブをするのではなく、紅白歌合戦に出たいと思い始めたのです。

 「鮪のシマハラ」はメジャーの王道を歩みます。紅白歌合戦を目指します。もちろんジャンルは演歌です。中国帰りの私にしかできない演歌歌手を目指します。インディーズ出身の演歌歌手。最高です。

 インディーズだから売れたのではなく、その気になればメジャーでも通用することを証明します。お茶の間の皆さんを虜にする「鮪のシマハラ」の挑戦は始まったばかりです。






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