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中国ビジネスで学んだこと②


強い社長に憧れた・・・結果、真逆の社長になった。

中国での創業時、強い社長に憧れました。強い社長になりたかったです。トップダウンですべてを決めて「会社は俺が支えている。」が口癖の社長。そんな将来を思い描いていました。だいたい起業して社長になりたいような人間は、自己顕示欲が肥大化しているに決まっています。社長としてチヤホヤされたいと本気で思っていました。

しかし結果は真逆の社長になりました。それでよかったと思うし、そんな自分も大好きです。なぜそうなったのでしょうか?

中国では社長や上司の命令だからといって、みんながすべてに従うわけではないと思います。1つ指令や人事異動を出すにしても「根回し」が最も大切です。この「根回し」は取引先や役所関係においても本当に大切です。とにかく「根回し」です。会社の仲間が気持ちよく働き、能力を発揮してもらうためにとにかく「根回し」なのです。

私の会社はいくつかの城が集まって、一つの国を形成していました。外国人社長で最も手薄な私の城を中心に、他の中国人役員3人の強靭な城が3つ。その下に各店舗の店長の城が10前後。この国の中には、様々な派閥や利害関係、いろいろな思惑が渦巻いています。想像に難しくないと思います。社長であるはずの私の城が最も手薄なのです。これが海外ビジネスの醍醐味です。

この国を運営していくにあたって私に最も必要な能力はなにか?簡単です。「社内営業」です。これだけです。ある時から私は自分の仕事は「社内営業」であると言い切ってきました。日本から取材を受けた際も、胸を張って「毎日、社内営業で忙しいです。」と答えました。

真逆の社長になるはずです。中国においては「同じことをやれば、必ず中国人の方がうまくやり上げます。」中国人なのだから当然です。それならばいかに中国人にうまく働いてもらうかがすべてです。

「社内営業」に徹した社長業15年間でした。これからはじめる「鮪のシマハラ」ではどんな社長になるのか?いまからワクワクしています。

注)写真は築地鈴富さんと仕上げた天家二十二国金中心鈴富店



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