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アメリカ生活:シマリスのだいたい今

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最近のお話をまとめました。シマリス界では最近とはだいたいここ10年以内のことです。
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#エッセイ

母に貰った着物を着る

明日は着物でお出かけなのだけど、初めてこの金茶の着物を着る。(*アメリカ東に在住です) 随分前に母にもらったのだけど、これまであまり色が好きではなく箪笥の底に長らく眠っていた。 広げて見てみると、裏地は紺色でピリッとカッコよく、表の金色はグラデーションのようなローズゴールドの部分もありなかなかオシャレだ。 この着物はもともと桃色だった。 母が私の小学校の入学式か卒業式(どっちもかも)に着たもので、写真で見たことがある。 それきりで仕舞ってあったのだと思うが、それからしばら

ゆるゆると聞いてみる:どんな記事が読みたいですか?

いつもなんとなく心にひっかかっていることがある。 私のnoteをフォローしてくださっている方・読んでくださっている方はどんな内容の記事を読みたいとご希望なのだろうか。 これまでの582本は自分の思うまま、記憶にあるまま、その日のこと、考えて来たこと(そしてアルフィーさんのことw)を自分がいいように書いて来た。 反応が多い記事もあるし、あまり読まれていなさそうなものもたくさんある。 思えば私の英語に関する記事をきっかけにフォローしてくれた方、学校の様子を楽しみにしてくれて

受賞の気持ち:581分の581

お題やコンテストは書く気力やアイデアやヒントなんかを貰えるので毎日チェックしている。 お題に沿った記事を書いて、そのお題についてのみなさんの記事を読むのも楽しい。どんなトピックも色んな視点や捉え方や受け止め方があるのだな、と感じるし、改めて書き手のみなさんは誰一人として同じではないのだ、とうれしくなる。 #一度は行きたいあの場所 というテーマで募集があった時、私の中に湧き上がって来たちょっと苦い思い出を文章にした。 そしてその苦い文章を入賞に選んでいただいた。 読んでくだ

君の名は:シマリス編

シマリスを手厚く保護している(=甘やかし放題している)私ら夫婦(*アメリカ東に在住です)。 この季節になると庭には毎年7−8匹のシマがうろちょろしている。 彼らはナワバリ意識が強く、鉢合わせすると団子になってゴロゴロするほどに喧嘩をするのでなるべく誰も周りにいない時を見計らってヒマワリの種をあげている。 大抵は耳が切れていたり、しっぽやお尻に特徴があったりするので、ちゃんと見分けがついているものには名前をつけ、どの穴に帰っていくかも把握している。 野生の個体の寿命は2−3

サイコパスがいる教室

その女生徒がいるクラスは朝一の授業に彼女がいるかいないかの違いで、教室の空気が大きく変わる。(*アメリカの私立高校で教師をしています) 彼女が遅れて入室するとクラス全体がシーンとし嫌な空気が漂うのがはっきりとわかるが、気づいていないのは本人だけだ。 私は医者ではないのでこんなことを言うのは間違っているのかもしれない。 でもこれまで毎日顔を合わせ、会話をしてきて、私は彼女がサイコパスかソシオパスであろうと感じている。 本来はサイコパス・ソシオパスは病名ではないのだが(本当

マイノリティ代表

自分が”みんなと同じ”な環境にいたのははるか30年以上前のこと。生徒たちにはいまだ28歳で押し通しているのでこの事実は黙ってておいてほしい。(*アメリカ東私立校で教師をしています) 日本を出てからあっちやこっちやをぶらぶらして生きてきた私は、この30年間毎日何かしらのマイノリティとしての扱いを受けてきた。 母語や文化や見た目や考え方なども、着ているものや持ち物さえも周りの大多数とちょっと違う。場所によっては目立ちすぎて嫌な目にあったり、気をつけてひっそりと暮らしていても”

どうすりゃいいの、人間

知識が狭い、視野が狭い、世界が狭い。 使命感がある、独自の論理がある、承認欲がある。 悪気がない、自覚がない、限度がない。 正しいことをしていると信じている。 反対する人は間違っていると思っている。 異議は聞かないと決めている。 小さな問題も、狭い社会でのいざこざも、終わりのない絶望も、こんな風に誰もが持っている・持ちうる要素が重なり合って起こるのではなかろうか。 ニュースで見ること、身近に起こること、自分が関わること、自分が巻き込まれること、事態の大小はあれど人間界に問

先を読む人の運命

時々遭遇する、この手のトラック。(*アメリカ東に住んでいます) 規制では車体の長さを超えるものを運ぶ時は先に赤い布などでマークを付けないといけないが、やってない人の方が多い。 この板も荷台から50cm以上ははみ出ていた。 バンジーコードや紐などで荷台に固定されてるようではない。 後ろについて走っていて、これが滑り落ちてきてフロントガラスを突き抜けたら、と想像して鳥肌がたった。 当たらなくても車輪が取られたり、弾んで私の後ろにいる車に当たるかもしれないし、滑り落ちたことに驚

母の日に:ぽてぽてのお母さんの話

*この記事は連続100日投稿時の2021年2月に書いたものに加筆し編集したものです。この記事で555日、毎日記事をアップしたことになります!月日が経つのは早いなぁ〜 お母さんは優しい。怒られた記憶は全くない。 若々しくて、美人で、ニコニコ可愛くて、参観日はいつも友達に ”いいなーシマちゃんのおかあさん、綺麗でいいなーーー”と羨ましがられるのが嬉しかった。 前は153センチあったけど、今は149センチに縮んだ。 ポテポテ体を揺らせて歩く。遠くから人混みに紛れていても、顔が見

自由になった手乗りニワトリ

小学生の時にひよこが我が家にやって来た。 夜店で買う、あのかわいそうな色をつけられたひよこを母が連れて帰って来たからだ。夜店のひよこは何か問題があるひよこで農家の人たちがいらない、って夜店にあげたものなので、大きくならずに何日かしたらすぐ死んじゃうよ、と友人に教えられ私はそれならその命尽きるまでデレデレに可愛がってあげよう!とせっせとお世話をした。 多分母も同じようにひよこを甘やかしに甘やかしたと思う。 デジャブ(Deja vu)と名をつけ、小さなアパート暮らしだったので外

パンツ、何枚持って行く?

一週間の旅行でも1ヶ月でも、私は4枚(一枚は穿いて行く)。 以前バックパックでふらふらとしていた時代(といっても長くてひと月)は3枚だったが(一枚は穿いていく)洗濯のタイミングが合わずノーパンで過ごすことがわりと多かった。 そして、小さいものや薄手のものはホテルのシンクやホステルのシャワールームなどで洗ってしまうが、出発が朝早かったり到着が遅かったりするとパンツが乾かない! 更には、ホステルの相部屋なんかだとパンツが盗まれる!(誰や?パンツが足らん人か?)なので一枚増や

”昔は良かった”という呪い

過去に囚われて生きる人がいる。”昔は良かったな〜今はちょっとな〜” と言う人だ。 自分に対してのそんな思いならこれからどうにでも状況を変化させることは可能だし、”今はちょっとな〜”の愚痴も改善の余地はある。自分が行動を起こせばいいだけの話。昔はスリムでかわいかった、今は太ってかわいくない、そんな愚痴ならばさっさとダイエットを始めてスリムになればいいし、若い頃は行動力があった、なら気持ちを新たに出来る範囲での行動力を高めればいいだけの話。 ただ自然に変わりゆくものや人に対し

8時間睡眠の難しさ

8時間・・・・若い頃は10時間でも12時間でも目が覚めずにひたすら寝ていられたのだが、もう出来ない。最後に8時間ぶっ通しで寝たのは病気の時だったと思う。 我が家は毎朝5時から5時半の間に起きるが、大抵二人ともその前に目が覚めてしまう。というか夜中に2回も3回も目が覚める。”もう朝かな〜” と毎回思いながら時間を確認すると1時だったり3時だったりしてがっくりする。夫も同じらしい。 7時間を細切れに寝ている訳だが、特に体調が悪いとか睡眠不足を感じることはない。目の下にクマもな

跳ねる子供

ここ何日か卒業生たちのことを考えていた。 私がこの学校で受け持った初めての生徒たちは今30歳になっている。ちょっと信じられない・・・・30歳?時間はいったいどこに行ってしまったのだろう。もちろん私もその分歳を取ったのだが、彼らが17歳から30歳になるのと比べたら自分の人間としての変化なぞ取るに足らないほど小さいような気がする。(*アメリカの私立校で教師をしています) 来て2年目に7年生の学習サポートを担当した。そのクラスの生徒たちはLD(学習障害)があったり英語が母語でな