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跳ねる子供

ここ何日か卒業生たちのことを考えていた。

私がこの学校で受け持った初めての生徒たちは今30歳になっている。ちょっと信じられない・・・・30歳?時間はいったいどこに行ってしまったのだろう。もちろん私もその分歳を取ったのだが、彼らが17歳から30歳になるのと比べたら自分の人間としての変化なぞ取るに足らないほど小さいような気がする。(*アメリカの私立校で教師をしています)

来て2年目に7年生の学習サポートを担当した。そのクラスの生徒たちはLD(学習障害)があったり英語が母語でなかったり、読んだり書いたりするのが時間がかかったりする子供で、小さなグループで先生と一緒に宿題をしたり本を読んだりするクラスだった。

7年生は本当に小さな子供だった。大きな子供か大人しか教えたことがなかった私はこのクラスが始まった時に本当に不安だったなぁ。毎日何かしらどったんばったんしていたような気がする。

そのクラスにいたV君。彼は今幾つだろう・・・・22か23か・・・。彼は大丈夫だろうか、元気だろうか、無事だろうか、何をして何を思っているだろうか。もう何年も連絡を取っていないのが本当に悔やまれる。

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彼はいつも、毎日、どこでもハッピーな子供だった。ぴょんぴょん飛び跳ねて喜びを全身で表す子で、私の手元にある彼の写真はどれもブレブレにブレている。上の写真でも講堂に飾られた自国の国旗に興奮して腹を出して飛び跳ねている。

彼が私が受け持った初めてのウクライナからの留学生だった。ウクライナがどこだかよくわからなかった私に一緒に地図を見て懸命に都市の名前や歴史なんかを教えてくれた。若干12歳でウクライナの全てが誇らしい愛国心あふれる子供だった。

彼以外にもパッと思い出せるだけで7−8人のウクライナ人の生徒の顔が思い浮かぶ。

どうか元気でいますように。早くV君が自国の幸せに飛び跳ねる時が来ますように。

シマフィー 

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