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”昔は良かった”という呪い

過去に囚われて生きる人がいる。”昔は良かったな〜今はちょっとな〜” と言う人だ。

自分に対してのそんな思いならこれからどうにでも状況を変化させることは可能だし、”今はちょっとな〜”の愚痴も改善の余地はある。自分が行動を起こせばいいだけの話。昔はスリムでかわいかった、今は太ってかわいくない、そんな愚痴ならばさっさとダイエットを始めてスリムになればいいし、若い頃は行動力があった、なら気持ちを新たに出来る範囲での行動力を高めればいいだけの話。

ただ自然に変わりゆくものや人に対して ”昔は良かったのに” と言い続ける人はちょっと悲しい。呪われていると思う。

昔はもっと思いやりがあったのに、若い時はもっと優しかったのに、以前はもっと素敵だったのに、前はもっと楽しかったのに、あの頃はもっといい関係だったのに

相手は年月が経ち、成長し、必要な変化を遂げ、今を楽しく懸命に生きているのかもしれない。それに対して文句を言う誰かの方が成長に追いつかずまだ”昔”の視点や価値を頑なに手放そうとせず、今を喜べない人なのだろう。今を楽しめないのは動かない自分のせいなのに、巻き込まれる相手はかわいそうだ。

昔は良かった、は誰でも思うことだと思う。ノスタルジックになり若い頃を振り返り、その時に出会った経験や人や夢が当時よりも一層輝いて見えることはある。昔の方が優れていた事柄もあるし、ネガティブな変化の末の現在ももちろんある。ただそれでさえも”昔は良かった”と吐き出された言葉のせいで改善されないことだってある。

昔は良かった としか言えない人は悲しい。昔の誰かにすがりついて今の大切な誰かが見えていないなら損している。そして成長を遂げたその誰かがそんな理不尽で嫌味なことを言われるのはもっとかわいそうだ。

時間が経ったら環境も、人間も、細胞も、思考も、常識も、なんもかんも変わるのだよ。何度も何度も”昔は〜” って言う人は自分にそこから抜けられない呪いをかけていてもう抜け出せないのかな。せめてそんな思いをばら撒かずに自分の胸にしまっとけばいいのに、と聞くたびに苦い気持ちがする。

昔も良かった、今ももちろん違う風に素晴らしい。

それでいいじゃないの。

シマフィー 



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