40代にして、生まれて初めてヘアカラーします|新しい仕事が決まりました
今年の2月と4月の求職活動は、40代になってから初めての就職活動でもあった。
それは、きっと、今までの就職活動とは違うのが容易に想像できた。
その一つが《わたしのビジュアル》である。
今まで一度も髪の毛を染めた経験がないので、歳相応に白髪がある。
それは日に日に範囲が広がるのだが、白髪が均等に増えるのではなく、まだら模様のようになるのだから、今流行りのグレーヘアやホワイトヘアのようにお洒落と呼べるヘアではなかった。
接客をするのには、無理があるだろう。
しかし、なぜ、今まで髪を染めなかったのか。
それは、小・中学生のとき味わったトラウマとも呼べる出来事のためである。
今から約30年前は、中・高生で髪を染めたり、色を抜いたりするのは、いわゆる不良だけであった。(注)ここで言う不良とは、マンガ『今日から俺は』に出てくるような人たちのことです。
少なくともわたしが住む田舎ではそうだった。
そのため、生まれつき色素が薄くて髪の毛が茶色いわたしには
「中学校に進学する前には、当然、髪の毛を黒く染めるんでしょ?」
の言葉がクラスメートから大量に降り注がれ、中学に自毛のままで入学すると
「髪の毛、茶髪に染めてる?」
と、先輩や同級生から3年間で100回以上聞かれ、高校入試前にも
「試験前には、当然、黒髪にするんでしょ?」
と、うんざりするくらいクラスメートから言われた。たとえそれらの言葉が善意からくるものであっても、なぜ、生まれつきの特徴を指摘されたり、否定されたり、茶髪をわざわざ別の色に変えなければならないのかと、不快になった。
だから、絶対、髪の毛は染めるもんかと心に固く誓った。
当時、黒く髪の毛を染める行為は、同調圧力に屈して、負けを認めるようなものだと思っていたんだと思う。
また、わたしよりもさらに色素が薄くて、ほとんど金髪に近かった姉は、中学生のとき、一部の人から髪の毛を染めていると強く疑われていた。
そんな姉が、第1志望の高校にどうしても受かりたくて、ロングヘアをすべて真っ黒に染めたとき、金髪に染めていると疑っていた人たちが、さも鬼の首を取ったかのように
「ほーら、やっぱり、金髪に染めていたんだ!」
と、あたかも黒髪の方が自毛と決めつけたとき、自分が言われるよりも悔しくて、涙をこらえていたのを覚えている。
それから、月日は流れ、髪の毛を染めるのは不良だけがやることではなく、大半はお洒落のためにやることだと、日本人の意識が移行しても、わたしの中ではどうしても、髪の毛を染める気にはなれなかった。
黒く染めれば
「ほーら、やっぱり、黒髪が自毛なんでしょ!」
白髪を自毛の色と同じ茶髪にしても、悪いニュアンスを込めて
「茶髪に染めたんでしょ!」
あの頃のクラスメートたちの悪意も善意も全部引っくるめて、声がウワンウワンとこだましてくるのだ。
また、まだら模様の白髪の自分を気に入ってるわけではない。鏡を見る度に悲しくなるから、鏡はあまり見ないようにしている。
それでも、スーパーやコンビニの店員や、自分の仕事のお客様の視線が、わたしの顔や手元ではなく、頭に行くとき、まだら模様の白髪を否応なく自覚させられる。
40代での初めての就活では、履歴書にこう書いた。
ヘアドネーションをしているため髪の毛を染めていませんが、白髪が気になるようでしたら、就業までに染めてきます。
(注)ヘアドネーションは、髪の毛を染めていても、定期的にメンテナンスをしていればできますが、染めていない方がより多くヘアウイッグ(カツラ)として生かされます。
今回、新しく決まった仕事先からは、髪の毛を染めるように言われた。それは仕方のないことだと思う。
だけど、自分で染めたら失敗しそうだし、わたしの数十年分の意を汲んでくれるような方に頼みたい。
実は、わたしが生まれて初めて髪の毛を染めてもらう方は、密かに何ヶ月も前から決めていた。
それは、このnoteで出会った方だ。
この方なら、わたしの小学生からのトラウマレベルの気持ちも分かってくれるのではないか。
上手く言葉で髪の色をオーダーできなくても、素敵な色にしてくれるのではないのか。
突然、次の仕事が運よく決まり、初就業日が迫っている中、お目当てのカラーリストさんの予約も、これまた運よくとることができた。
初めてのヘアカラーは、不安と緊張も大きいですが、楽しみも大きいです。
少しは鏡を見るのが平気になったり、自信を持って接客したりしたいです。
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