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企業の「人材を抱え続けることの問題」の解決に向けた理想

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。

いま、noteさんの #創作大賞2024 #ビジネス部門 という企画に参加しています。『「仕事っぽいシゴト」が社会の課題を解決する』というタイトルの本を作るイメージで毎日お話しています。1本目、目次はこちらです。

昨日までは、「キャリア安全性を高めるための理想」というお話をしてきました。

今日からは、「企業の「人材を抱え続けることの問題」の解決に向けた理想」というお話です。

音声はこちらです。

第3章では、人口減少やキャリア不安の課題に対して「もしも、理想的な状況があったなら」という話をしています。

そのテーマとしては

の3つについてお話をしていまして、今日からは3つ目の、企業の「人材を抱え続けることの問題」の解決に向けた理想についてお話をしていきます。

伸びる高年齢労働者の雇用確保

人生100年時代と言われ、人がいままでよりも長く生きるようになった半面、少子高齢化の進行に伴い、高年齢労働者の雇用確保を目的にした法改正がたびたび行われています。

2020年の法改正では、65歳までの雇用確保義務に加え、70歳までの就業機会確保が努力義務として定められています。主な改正の内容は、以下の通りです。事業主は……

(1)70 歳までの 定年の引上げ 
(2)定年制 の廃止  
(3)70 歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
  (特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む)  
(4)70 歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入  
(5)70 歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
   a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
   b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

出典:高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~ | 厚生労働省

再雇用制度などはすでにありますが、第2章でお話したように、現状だと、仕事内容は同じなのに、再雇用で給与が大幅に減額されるケースも少なくありません。

こうした課題を踏まえると、「年齢を重ねても活躍する」という意味で、もしも、理想的な姿があるとしたら……

  • 年齢に関係なく、活躍できるような……

  • 会社だけではなく、地域に還元できるような……

  • ベテラン世代の社員が、第2、第3のキャリアを見つけて、社会との接点が見つかるような……

  • 少しずつ独り立ちできるような……

  • 会社の「雇用する負担」が軽減できるような……

  • ベテラン世代だけではなく、若い時から未来のキャリアを形成できるような……

具体的には、企業側の視点では……

  • キャリア主体性を育てる

  • ミドルシニア世代の「会社の依存率」を下げる

  • 地域で活躍できるようにする

ことが、理想的な姿を実現する手段なのではないかと思っています。

キャリア主体性を育てる

年齢に関わらず、できるだけ長く活躍できるようにするためには、キャリア主体性を育む必要があります。

「キャリア主体性を育てる」ということは、言い換えると、「キャリア安全性を高める」ということでもあります。

キャリア安全性を高めるための理想については、以下の項目を参照してください。

ミドルシニア世代の「会社の依存率」をさげる

定年が引き上げられると、シニア世代を長く雇用する必要があるため、(こういう言い方はよくないとわかっています。でも、企業視点としては、事実として)会社の負担は増えます。

そこで、ミドルシニア世代の「会社の依存率」をさげる必要があります。その手段のひとつが複業です。

「会社の依存率をさげる」という言い方をすると、ネガティブに捉えられるかもしれませんが、僕は前向きな意味でお話しています。

これまでの再雇用制度は、「労働時間ややることは変わらないのに、給与はさがる」という理不尽なものです。同一労働、同一賃金に反します。給与をさげるなら、労働時間も減らすべきでしょう。たとえば、給与を6割にするなら、週の労働時間は3日にする……みたいに。

残った2日は、第2、第3のキャリアのために使う。その時間を使って複業する。

そうすれば、会社の負担も減るし、ミドルシニア世代の第2、第3のキャリアにつなげることもできます。

第2、第3のキャリアを歩むための支援もセットで行う必要があります。支援というのは、「キャリア主体性を育てる」ということでもあります。

地域で活躍できるようにする

僕にとってこの視点は、最近出てきた視点です。

企業は、社会にとっての一員です。それならば、地域の役に立つ必要があるでしょう。

「企業が、社会の役に立つ」という意味では、これまでは、CSRのような活動が一般的でした。分かりやすく言えば、清掃のような「環境活動をする」とか、「ボランティア団体に募金をする」といった内容ですね。

ですが、企業人は、環境活動の専門家ではありません。中には、「本当は、やりたくないんだけどな……」みたいな社員の方だっているでしょう。

そこで、です。「仕事を通じた地域貢献」みたいな形はどうでしょうか。

たとえば、今まで社内で培ってきた経験を、地域貢献として「社外の企業に活かす」試みです。これができると、「個人の強みを活かした、地域貢献」ができると思っています。

さらに詳しくは……

この、具体的な内容については、

  • キャリア主体性を育てる

  • ミドルシニア世代の「会社の依存率」を下げる

  • 地域で活躍できるようにする

を一つひとつとりあげて、さらにくわしくお話していきますね。

今日の話は、これで終わりにします。

次の記事:人材を抱え続ける企業の課題解決に向けた理想―①キャリア主体性を育てる

#創作大賞2024 #ビジネス部門

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