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場面97:学校のグランド(音楽劇「君の名は希望」96)

乃木坂46の「君の名は希望」を題材にした舞台脚本。「透明人間」と呼ばれている女子が、お調子者の男子との出会いを通してクラスの中で居場所を作っていく物語。

ラストの場面は望(白川)たちの高2の終業式です。本編最後の歌は次の場面で歌われます。そちらもお楽しみに

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年が明けて3月後半の終業式の日
松井と白川たち四人、中山、村田たち三人、金谷、佐久間と成瀬先生が舞台上手側に集まっている
先生、普段着ないスーツの上下を身に着けている
終業式が終わり、全員が解放感に包まれている

松井「また1年終わった。ってもう3年生かぁ」
白川「でもさ、ここに希がいるのが奇跡だよな」
鶴見「本当だな」
松井「まぁね。みんなを心配させちゃったよね」
白川「でも、生きててくれて良かった」
小平「そうね。希ちゃんには感謝しないと」
保田「それでさ早季、最近いいことあったんだよな」
小平「え?それ言うの」

小平、いきなり話を振られて戸惑う

松井「何なの?早季ちゃん」
小平「うん、ええとね」

小平、少し口ごもってから

小平「大津さんと一緒に作ったコスプレが売れてね。予約も来てるの」
金谷「えぇ?凄い」
佐久間「デザイナーデビューだね、小平さん」
金谷「あと気付いたことがあるんだけど」

金谷、先生の方を見て

金谷「先生、左手に指輪してますよね」
成瀬「あぁ、これ?」
松井「もしかして先生」
成瀬「うん、中田君と入籍しました」
佐久間、小平「先生、本当ですか?」

女子たち、先生の報告を聞いて歓声を上げる

成瀬「そうだね、松井さんから中田君とどう、って聞かれて。それから中田君に『結婚するつもりないなら別れるから』って言って」
松井「凄い、先生」

女子たち、再び沸き立つ

成瀬「あ、それでね、松井さんに渡すものがあるの」

先生、ここでバッグから封筒を取り出す

成瀬「これ拘置所にいる黒岩さんから中田君に来た手紙なんだけど」

松井、黒岩の名前を聞き、一瞬表情が曇る。黒岩と対峙したことが遠い昔のように感じる

成瀬「松井さんのことも書かれていて、読んで欲しいって」
松井「そうですか」

松井、手を差し出し、先生から手紙を受け取る
松井、黒岩との記憶が一気に蘇る
松井、震える手で封筒を開き、それから三つ折の便箋の束を開き読み始める

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