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本の要約とか感想とか

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勉強の価値

勉強の価値 (幻冬舎新書) https://www.amazon.co.jp/dp/4344986091/ref=cm_sw_r_cp_api_i_VTQMC5GD7RWQGYYD9E6B 自分の子供になぜ勉強をしないといけないか伝えられるか 勉強は何か目的を達成するための方法を学ぶものであるが、その目的を子供のうちには見出しにくい。 だから大人が勉強する姿を見せ続ける必要があって、子供が大きくなってやりたいこと、目標ができたときに勉強ができるようにしておかないといけない。

    • 健康かプライバシーか

      『サピエンス全史』などで知られるユヴァル・ノア・ハラリ氏の寄稿とインタビュー記事を書籍化したものが本著である。 特に印象に残ったのが、以下の通りである。 プライバシーと健康のどちらかを選ぶかを問うことが、じつは問題の根源となっている。なぜなら、選択の設定が間違っているからだ。私たちは、プライバシーと健康の両方を享受できるし、また、享受できてしかるべきなのだ。全体主義的な監視政治体制を打ち立てなくても、国民の権利を拡大することによって自らの健康を守り、新型コロナウイルス感染

      • 問題発見力を鍛える

        「2月と8月はものが売れない」「アメリカで流行ったことが1年遅れて日本で流行る」 よく言われるこんな「ビジネスの常識」を貴方は疑ったことがありますか? 「そんなの常識だよ」とわかったふりして思考停止していませんか? デジタルの進化と新型コロナ問題で、もはや何が起こるかわからない、いままでの常識が通じない時代(VUCAの時代というそうです)が一気にやってきました。これに立ち向かうには自分の頭で考えて、問題・課題を発見する能力が不可欠です。 あの『ノートの魔力』で絶賛された『

        • 純粋理性批判

          純粋理性批判における中心課題は、ふたつある。 (1)「主観による認識の客観性」の再建 (2)「よく生きるには何が必要か」 カントは、ふたつの課題に対してどのような答えを出したのだろうか。 「認識が対象に従うのではなく、対象が認識に従う」 ひとつめは、「主観による認識の客観性」の再建について。 まず、時代背景には、宗教改革を経た後の新たな価値観、常識として自然科学の飛躍的発展がある。例としては、ヨハネス・ケプラーによる天体の運行法則の発見、ガリレオ・ガリレイによる物体落

        勉強の価値

          ハーモニー

          『ハーモニー』の舞台は、二一世紀の初めに起こった「大災厄」と呼ばれる地球規模での大擾乱と核兵器の使用による荒廃の時代を経て、そのトラウマと反省から、テクノロジーによる極度の厚生社会、高度医療社会が実現された世界である。                     巻末解説引用 21世紀後半、“大災禍”と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は大規模な福祉厚生社会を築きあげていた。医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、見せかけの優しさや倫理が横溢する“ユートピア”。そんな社会に倦んだ3人

          ハーモニー

          僕は君の「熱」に投資しよう

          独立系ベンチャーキャピタルであり、シードファンドとして国内最大となる300億円のファンドを運営する佐俣アンリ氏による仕事論について書かれたもの。 特に若者に向けて、熱をもって挑戦することの大切さを説いているが、世代関係なく、自分自身の現状に目を向けて、いま自分は何かに挑戦できてるか、熱を注げるようなことに向き合えているか、漫然と過ごすだけの毎日を送ってはいないかと、考えさせられる。そして、考えるだけではなく、行動しなければと焦りを感じてしまう、それほどに著者も挑戦し続けてい

          僕は君の「熱」に投資しよう

          ペストの記憶

          本書は、17世紀のロンドンで大流行したペストについて書かれた文学作品、ダニエル・デフォー著『ペストの記憶』を、個人の内面、市民生活、市民と行政、危機を記録することの4つの面から解き明かしたものである。 生命か、生計か?究極の選択 なかでも、市民生活にペストが与えた影響について解説された第2回の内容は、現在のコロナ禍においても共通の問題であり、我々がどうコロナ禍と向き合っていくべくか考える助けとなる。 それは、生命と生計どちらを優先すべきであるかという問題である。 本来、

          ペストの記憶

          自律と自立を育てる教育

          マリア・モンテッソーリによって創出された教育方法は、「敏感期」という感受性が特に敏感になる時期を利用し、「知性のエネルギー」を発揮させることで、”じりつ”を育てることである。 2つの”じりつ”(1)自律 考える力と心をもち、考えるとおりに活動を展開できる力。 (2)自立 自律が前提となって、自信と責任をもって行動する力。 これらを敏感期に育むことが、モンテッソーリ教育のゴールである。 3つの敏感期(1)秩序感の敏感期 順番、場所、所有物、習慣にこだわる期間。 環境全体

          自律と自立を育てる教育

          遅いインターネット

          インターネットを活用することで、情報へのアクセス容易性は格段に高まったが、その反動として、見たいものだけを見る、ものすごい速さで流れていくタイムラインに気づけば自らも流されてしまう、ということが起きてしまっている。 それにより、かつては国家、宗教などの虚構を共有することで団結し、協力することができていたが、現在は自由をもたらすはずのインターネットがむしろ、分断を加速させている。ブレクジットやトランプ政権の成立が顕著な例だ。 ※虚構の共有によるホモサピエンスの繁栄については

          遅いインターネット

          イノベーションを起こし続ける企業

          「御社の新規事業はなぜ失敗するのか?」田所雅之著 光文社新書 において述べられているイノベーションを企業文化とするための組織づくりについて要約・考察する。 1階建組織と3階建組織1階建組織 従来の組織は各事業ごとに縦割りされていることが多く、各事業ごとに利益責任を負うこととなる。そのため、短期的なP/Lの成果を意識した事業活動となりがちである。そこには、先を見据えたいつ利益があがるかもわからず、スケールするにも相当の時間を要する新規事業を許容する土壌は育たない。 筆者は

          イノベーションを起こし続ける企業

          『息吹』テッド・チャン

          現代SF界を代表する作家テッド・チャン 知性の極限を追求した世界最高水準のSF作品集、ついに刊行! 「あなたの人生の物語」を映画化した「メッセージ」で、世界的にブレイクしたテッド・チャン。待望の最新作品集がついに刊行。人間がひとりも出てこない世界、その世界の秘密を探求する科学者の驚異の物語を描く表題作。『千夜一夜物語』の枠組みを使い、科学的にあり得るタイムトラベルを描いた「商人と錬金術師の門」をはじめ、各賞受賞作を含む9篇(初訳5篇含む)を収録。 〈本書収録作〉 「商

          『息吹』テッド・チャン

          イノベーションオブライフ

          不幸な道へと踏み外してしまう問題の原因はどこにあるのか。 それを知ることは、まだ正しい道を歩んでいる人や、いままさに旅を始めようとしている人にとっても重要だ。 わたしたちはだれしも、これまであまたの人に踏み誤らせた力や決定に翻弄されやすいのだから。 「イノベーションオブライフ」 クレイトン・クリステンセン著 同書では、自分の人生に対する簡単な三つの質問に対して、賢明な選択をするための手助けをする理論を提示している。 以下では、引用を交えながら三つの質問に対して答えを

          イノベーションオブライフ

          力なき者たちの力

          100分de名著 2020年2月 「力なき者たちの力」 ヴァーツラフ・ハヴェル 東西冷戦下のチェコで、権力のありようを分析し、全体主義に抗する手だてを考え抜いたハヴェル。不条理演劇の劇曲家は、なぜ制度を疑い、言葉で民衆を導くことができたのか。 真実の生理性・良心・責任を放棄した「嘘の生」による見せかけからなる全体主義から脱出するためには、「真実の生」を求める必要がある。 「真実の生」とは、個々人が倫理・責任を意識した具体的な行動をとること。 具体的な行動は、政治的活動

          力なき者たちの力

          アルゴリズムによる支配

          テクノロジーによる革命を人類は指をくわえて見ているだけでいいのか ユヴァル・ノア・ハラリの『21Lessons』を要約する。 過去2作から見る本書の位置づけ ・サピエンス全史:過去から現在について。ホモサピエンスの繁栄は虚構の共有による協力を可能としたこと。虚構の例は、国家、宗教、会社など。 ・ホモデウス:未来について。IT、テクノロジー、アルゴリズムによる人類の支配が待っている。持てる者と持たざる者の差は拡大し、持てる者はヒトを超越し、神になろうとする。 ・21Le

          アルゴリズムによる支配

          野生化するイノベーション

          ”経営資源の流動性が上がることで、            イノベーションの破壊的な側面が強くなる” 生産性のジレンマイノベーションの種類は、2つに分けられる。 ①プロダクトイノベーション(市場を創る) ②プロセスイノベーション(改善) この2つはトレードオフの関係にある イノベーションのジレンマ市場を生み出すためには、ラディカルなプロダクトイノベーションを 累積的なプロダクトイノベーションにつなげることが必要。 大企業はこれまでの投資や既存顧客があるため、不確実性

          野生化するイノベーション

          コミュニティの循環

          著名人によるオンラインサロンはいま熱を帯びている。 なぜ、多くの人にオンラインサロンというコミュニティが求められているのだろうか。 『100分de名著 オルテガ 大衆の反逆』 『WE ARE LONLEY BUT NOT ALONE 佐渡島傭平』 の2冊を引用しながら考えてみる。 不自由だが安心、自由だが不安まずは、コミュニティの定義を確認すると、 〘名〙 (community) 村落、都市、地方など、地域性と共同性という二つの要件を中心に構成されている社会のこと。特

          コミュニティの循環