【ハーブ天然ものがたり】アロエ
葉っぱに保水
日本の風土にあっていたキダチアロエ。
欧米で主流のアロエベラ。
日本薬局方に収載されたケープアロエ。
インド洋のガラパゴスといわれるソコトラ島に自生するアロエ。
アロエにもたくさんの種類がありますが、薬用、食用、美容、観賞用と、さまざまな用途で世界中で親しまれてきた植物です。
現在300種以上のアロエが確認されており、とくにアフリカ大陸南部とマダガスカル島に多く自生しています。
アロエ葉肉のジェル状部分には水がたっぷり含まれています。
軽い火傷、擦り傷、切り傷
虫刺され、湿疹、かぶれ
打ち身、捻挫
日焼け、肌荒れ
抜け毛
便秘、胃弱
更年期等の不快感
などに良いといわれ、民間療法として古くから活用されてきました。
アロエはそのまま刺身やサラダとして食べることが多いですが、苦すぎて食べられないときは、水とはちみつ、レモン汁なんかを加えてミキサーにかければ苦味も和らぎます。
アロエには200種ほどの有効成分が含まれています。
厳しい環境で生き抜くための進化プロセスによって、葉肉に栄養を蓄え、なかでも多糖体の多さは秀逸です。
多糖体は糖がつながって、さまざまなはたらきを持つ成分のことで、デンプンや食物繊維なども多糖体の一種です。
多糖体は、分子量が多いほどネバネバします。
昆布や茸など、ネバネバはからだによさそうという感覚は現代人ならみんな持っていると思いますが、ネバネバのすごいところを要約すると
・免疫力の調整
・血糖値の調整
・細胞のはたらきを調整し、新陳代謝を正常化
・DNAにはたらきかけて新しい細胞をつくる
・炎症部分の熱をとり、雑菌の侵入を防ぐ
・腸の善玉菌のエサとなって、善玉菌を元気にする
といわれています。
アロエはネバネバ成分のほかにも健胃作用、殺菌作用、緩下作用、抗腫瘍性のある成分などが認められており、ビタミン類、カリウム、鉄分などのミネラルも豊富です。
葉っぱに保水しつつ、多糖類や栄養素が豊富で観葉植物にもなるアロエは、鉢植えでひとつ持っておくと、おうちの常備薬&いざというときの非常食にもなるのでは、と思います。
鉢植えの場合、アロエに限らずですが、植物にとっては世界線がうんと小さな規模で循環することになり、水や日当たり、風通し加減も大事ですが、まいにちのやさしい視線や声かけが、いちばんの栄養になっているのではないかと感じることがあります。
大きな世界線から切りとって、おうちのなかの小さな循環システムへお招きした以上、新鮮で気分のいいエネルギーを感じられる環境を提供するのは、植物だけの仕事ではなく、ヒトの役割も大きいのではないかと思います。
葉肉のなかにたっぷりと保水するアロエの場合、水はなんにでも混ざり、溶けあってしまう性質が強いので、視線も言霊も音楽も、ぐんぐん吸収して混ざりあってしまうと感じます。
互いの提供するものを必要としあう関係ならば、協働して感謝しあう方が、だんぜん気持ちよいわけで、愛でたり声をかけたり、ときに歌を聞かせたりすることは、どんな生命種にとっても必要なライフラインなのではないかな、と。
ライフソング
「音はなぜ癒すのか」を著したミッチェル・ゲイナーは、音とからだの関係を統合医療の立場から研究したアメリカの医師です。
「声とこころの解放―トーニングとシンギング」という章に、自動車事故でむち打ち症がどんどんひどくなった女性(アリーナ)のお話が掲載されています。
アリーナは軽い催眠状態に誘導され、事故現場イメージを再現して、衝突の瞬間の恐怖感情を思い出し、それを声で表現できた日から寛解に向かいます。
こうした事例を含めて、本のなかでは古代から人類が、あらゆる局面で歌を活用してきたことが紹介されています。
・グリーンランド東部のイヌイットは、論争の解決には太鼓をたたき、歌をうたうことで、互いへの怒りを発散しながら解消した。
・古代エジプト、古代ギリシャ・ローマ時代の僧侶は、悩める人に歌をうたって癒した。
・ニューギニア先住民の女性は哀哭の歌をうたって悲嘆を癒す。
・アパッチ族は、少女から母親になる女性の成長過程を、その人のうたった歌によって判定する。
・ニューメキシコ州プエブロ族は、出産の祝儀に母親が赤ん坊に歌であいさつする儀礼がある。
・東アフリカでは赤ん坊の命名時には歌うことを儀礼として用いる。
ライフサイクルの節目に歌をうたうことは、文化の特異性ではなく普遍的な慣習になっており、日本でも学校行事などで歌う伝統が引き継がれ(すでに形骸化されてしまった感はぬぐえませんが)なにかしらの意味はあったのだろうな、と。
著者のゲイナーさんは歌うことをライフソングと表現し、治療にくる多くの患者が、病気の固有性に悩まされているのではなく、自分のライフソングがきこえない(つまり歌えない)ことに起因するのではないかと問いかけます。
現代の地球環境では、幼児期から経験するトラウマ、否定的なメッセージによって音痴になり、自己のたましいのほんとうの声がきこえなくなっている(から、即興で歌うことを楽しめない)のではないだろうか、と。
本のなかで紹介されているトーニング(発声)は、とてもかんたんなエクササイズで、自分のライフソングを歌えるように練習する第1歩です。
トーニングに慣れてきたら、からだを動かしながらリズムをとって自由に遊ぶのも楽しいです。
声出ししながら手のひらでドラミングしたり、箸やスプーンでマグカップを叩いたり(小さいころよく怒られていたので、はじめは罪悪感ありましたが、これがとっても楽しいのですw)
チベットのシンギングボウルを使ったり、鈴を鳴らしたり、ボウルを太鼓に見立てて叩いたりするのもよいですし、道具がなくても手を使っていろんな音を出しながら、思いのままに声を出します。
寒くなってからベランダの鉢をすべておうちのなかに入れまして、これはもう、ひとりよがりの妄想感覚と思われますが、ハーブたちも変唄を歌いまくる時間はうれしそうにしているなぁと感じています。
身近にある奇跡
アロエは古代アラビア語の「苦い」という意味の alloeh が語源で、アフリカ、アラビア原産といわれています。
苦味成分についての所感は、ヒキオコシの記事に綴らせて頂きましたので、ご興味ありましたらゼヒご覧になって下さい。
アロエは砂漠などに自生する多肉植物らしく、二酸化炭素は夜間に取り込みます。
ふつう植物は日中に気孔を開けて二酸化炭素を取り込むので、同時に気孔から水分も出ていきますが、アロエは水分が慢性的に少ないエリアで生きるために、昼夜の温度差が大きい環境を利用して生存システムを順応させ、涼しい夜に気孔を開けて、日中は気孔を閉じ水分を損なわないように工夫しています。
夜間に二酸化炭素を吸収することで、ほかの植物と競合することなく呼吸できるという意味もあるそうです。
寝室に置くと酸素量がふえて、よさげですね。
BC3400年以前の文章を書き写したと考えられている古代エジプトのパピルス、最古の医学書と言われている Ebers Papyrus(エーベルス・パピルス)に
アロエの薬効が収載されています。
クレオパトラはアロエの樹液を美容液として用いていたそうです。
日本に入ってきたのは鎌倉時代と考えられており、江戸時代には盧薈という名で、漢方薬として用いられていた記録があります。
アロエに限らずですが、精油も野菜も木の実や果物も(わたしにとっては化粧品も)ヒトのからだに触れたり、入りこんで作用するとき、植物の精(スピリット)がからだにとりこまれて、自分の一部になると感じます。
口から、皮膚から、鼻から、植物の精をいただくまえには(あたりまえすぎて口にするのもはばったいのですが)それとひとつになることへの、感謝のきもちがあふれます。
奇跡のようなはたらきをもってからだに作用する植物たち。
身近にありすぎて、その御業、その奇跡を「いつでもそばにいて、あたりまえ」と慢心しないよう、自宅でも、事務所でも、倉庫にも(製品に聴かせたい故)ずっと音楽をかけており、まいにちの声掛けも習慣にしています。
地球規模のダイナミックな水循環は提供できないけれど、音の魔法はたっぷりと、注ぐことができます。
ちなみにアップルミュージックの2022年一番聞いた音楽ランキングでは1位クープラン、2位ショパン、3位ヴィヴァルディ、4位マタイ受難曲、5位バイノーラルビート入りの波の音、でした。
こうしてみると、アロエのように大々的に流通にのって、いつでも手に入るハーブしかり、スマホひとつあれば世界中のいろいろな音楽を楽しめることしかり…
からだを動かしてリズムをとることや、ハミングしたり歌ったりすることも、深呼吸をすることも、気分をよくする魔法は身近にたくさんあふれていて、いつでも発動することができる便利なものだなぁと思います。
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お読みくださりありがとうございました。
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