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【ハーブ天然ものがたり】カモミール


医療と魔術の線引き


古代エジプト時代、生命の家と呼ばれる神殿で人々に治療を施していた神官たちは、カモミールを聖なる薬草として重んじ、神や太陽への捧げものとしていました。

「生命の家」(ペル・アンク)と呼ばれる施設がエジプト第1王朝の時代から作られていたことが知られている。

ウィキペディア-古代エジプト医学

古代エジプトの高度な医療の評判は近隣諸国にも知れ渡り、他国の王たちはエジプトのファラオに医者(神官)の派遣を依頼することも多かったといいます。
エジプト人は人体の解剖をすることはなかったそうですが、解剖学についての知識はもっており、たしかにミイラを仕上げる高度な技術を鑑みれば、高い識見をそなえていたことは疑いようもありません。

薬草、ハーブの効能を熟知し、活用していたこともそうですが、医術を行う際に神々に捧げるハーブやその聖水、香煙を焚きしめることにもちゃんと意味はあったのだろうと思います。

現代ではハーブを捧げる=魔術か宗教的儀式のたぐいと、十羽一絡げにまとめられますが、神の依り代である植物について、現代人以上に知悉ちしつしていた古代エジプト人にとっては「この症例には、この植物の香煙をくゆらしといた方が、めっちゃ効率いいし早いやん」と逆に嗜められそうです。


*ここから過去記事リライト部分が含まれています。
当社商品Shield72 °のオリジナル・アロマブレンド。
72°の香りとして抜擢されたカモミールのものがたりです。


古代エジプト第1王朝はおよそ5000年前のことなので、どうがんばっても今様の固定観念がじゃまをして、想像力の限界を思い知らされますが、神々と共存していた古代人が、香気とともに味わう至高体験はいったい、いかほどのものだったのだろうと想像すると、カモミールの芳香空間に神秘性がいや増します。

カモミールは北欧神話が色濃くのこる医学書「九つの薬草の呪文」のハーブのひとつでもあります。

九つの薬草の呪文とは、10世紀のラクヌンガ(en、「治療法」の意)の写本に記録された古英語の呪文である。
この呪文は九種の薬草を用いて毒や感染を治療することを目的とする。
なお「9」と「3」は、この呪文やゲルマン人の異教信仰、ゲルマンの民間伝承(en)に頻繁に現れる数字である。
この詩はキリスト教とアングロ・サクソンの異教信仰(en)の両方の要素を含み、ゲルマン神話(en)の神ウォーデン(en)について触れられている。

ウィキペディアー九つの薬草の呪文

・よもぎ-マッグウィルト(Mucgwyrt)
・カッコウソ-アトルラーゼ(Attorlaðe、またはベトニー)
・ミチタネツケバナ-スチューン(Stune)
・オオバコ-ウァイブラード(Wegbrade、オオバコ属)
・カモミール-マイズ(Mægðe、またはカミツレモドキ)
・いらくさ-スティゼ(Stiðe、イラクサ属)
・林檎-ウェルグル(Wergulu、リンゴ属)
・タイム-フィレ(Fille)
・フェンネル-フイヌル(Finule)

と、(いまのところ)解釈されており、過去記事で紹介しました、タイム、よもぎ、オオバコ、フェンネル、パチュリ(カッコウソウ)につづき、カモミールは6つ目のハーブとなります。


植物のお医者さん


「弱った植物の近くには、カモミールを植えるといい。カモミールがそばにいると、たちどころに元気を取りもどすだろう」

植物のお医者さんという異名をもつカモミールは、ハーブ水を苗木に噴霧すると立枯れ病を防ぎ、堆肥にかけると、分解と活性を早めるとして重宝されてきました。

ハーブティに使われるのは一般的にカモミール・ジャーマンで、リンゴと干し草の甘い香りがします。
胃腸を整えたり、安眠効果があるとされています。

ジャーマンの学名、Matricaria(マトリカリア)はラテン語で子宮=マトリックスのこと。
キク科アレルギーの心配がない限り、小さい子供にも安心して使えることや、月経前の不調を緩和する働きがあることからマザーズ・ハーブとも呼ばれます。
童話「ピーターラビット」でお腹をこわしたウサギのピーターに、お母さんがカモミールティーを飲ませるくだりはあまりに有名です。

乾燥させたハーブを蒸留する過程で、抗炎症作用に優れたカマズレンという特殊な成分が生成され、精油に抽出されると青緑色を呈します。
精油にはカモミール・ジャーマンとカモミール・ローマンの2種類があります。
カモミール・ローマンの学名はAnthemis nobilis(アンテミス ノビリス)、高貴な花という意味を持ちます。

「ノブレス・オブリージュ、今後も救世主足らんことを」

東のエデン(神山健治初のオリジナルストーリーアニメ)に出てくるノブレス携帯、ジョイスの名台詞。
高貴なもの、崇高なものには、果たすべき義務があるという意味で使われています。

カモミールが現地球史で果たしてきた貢献度を思うと、ノブレス・オブリージュというインスピレーションを人類に授けたムーサ(ミューズ)が、カモミールだったのではないかとさえ感じます。

精油を蒸留できるカモミールは、ともに20~50センチほどに生育しますが、草丈約5センチの花をつけない品種は芝生として人気が高く、踏みつけられるほどに広がっていく旺盛な繁殖力から、逆境におけるエネルギーということわざも生まれました。

カモミールという名前はギリシャ語で大地の林檎、カマイ・メロンに由来しています。
日本にはオランダ医学とともに入ってきたので、オランダ語のカミッレから、カミツレ、カミルレと呼ばれてきました。


四季折々の花鳥風月


夏至祭は毎年太陽がいちばん南中高く昇る夏至のころ、ヨーロッパのキリスト教国をはじめとする国々で開催される、植物が主役のお祭りです。

木々の葉や、花でつくられた飾り物がふんだんに街中を彩り、祝祭前日の夜に摘むハーブは特に薬効が高いと信じられています。
夏至の夜は、神秘的で超自然的なものたちとの結びつきが強まると信じられており、精霊たちに捧げる花冠の花を摘みに行くのも楽しみのひとつだとか。
摘んできた花々を囲んで冠を編み、できあがったものは身に纏い、髪に飾り、大きなオブジェを作って天高く掲げ、精霊たちに捧げます。

花々を囲むだけではなく、水辺で焚火を囲んで瞑想する地域もあります。
どこからともなく人が集まり、しずかに座って炎を見つめ、精霊たちに感謝や喜びを伝えてまた静かに去ってゆく。
各国で微妙に違いはありますが、四つ辻や空き地、湖畔の近くでかがり火をたき、ハーブをくべる祭事もあります。

カモミールは聖ヨハネの日までに花を摘んでおかなければ、魔女ヘカテがお小水をひっかけてまわるという言い伝えがあり、魔女の小水まみれになる前にせっせと摘んで、夏至祭にはカモミールの花も盛大に使われます。
香りよいハーブがくべられた焚火を7回飛び越えることで、煙の効力が悪霊を追い払うと信じられ、果樹園や家畜小屋にその煙を導き、実りある収穫を願います。

最高位に輝く太陽の光、花々、炎、水辺、四つ辻。

まさに精霊4属性との饗宴にふさわしい演出が盛りだくさんの夏至祭ですが、夏至を過ぎると再び日は短くなり、夜が長くなっていくことから、太陽が一番輝き、植物たちが生気をみなぎらせるその刹那を、精霊たちと人間が一緒になって、存分に楽しむ、とくべつな1日なのだろうと思います。


すべての季節がまんべんなく揃っている日本は、地球上でも珍しい温帯地方の国土をもっているので、四季折々、花鳥風月の移ろいによって、自然に感謝することや、畏怖畏敬の念が、自然と身の内に宿っていくのだろうと感じています。

1年を24分割して、四季折々の花鳥風月をあらわす二十四節気。
24の節気をさらに3つに分けた72通りの花鳥風月、72候は、めぐる季節とともに生きる、人のからだの自然なサイクルに連動しています。
からだのなかが「うごいている」「循環している」と感じられるのは、純粋にうれしいし、こころも喜んでいるのがわかります。
あたらしい酸素、あたらしい血液、あたらしい水分、あたらしい印象。
めぐり、めぐる、循環という純粋なヨロコビ
循環するだけで活性化する、いのちの仕組は、とてもシンプルです。


みんなもってる循環魔法


手のひらでやさしくさわる、ふれる、つつみこむ。
それだけでも、お肌はとても喜んでいるのがわかります。
からだとお肌が鎮まると、こころも連動して素直になって「いつもありがとう」って言葉も、ストレートに伝えたくなる。

正直なところ、人生の秋分を過ぎてからは特に、からだは自分の持ち物というより、地球にいるあいだは地球からお借りする原料で常に再構築し続ける「いれもの」という感覚が強いです。

ふれるとき、さわるとき、お肌を見てるよ、興味をもっているよ、大切に思っているよ、ありがとう、というメッセージも、自分のからだに、というより貸してくれている地球への声掛け、という気分のほうが大きいかもしれません。
そして、そんな些細な声掛けで、からだは俄然やる気を出して、モチベーションアップしてくれるようで「どんどんめぐります、まわします、循環します」とばかりに、ほんのり赤らんでくれます。

面白いもので「見る」という行為だけでも、細胞がどれほど活性化するものか、かんたんに自分で確かめることができます。
右手と左手を出して、どちらかを選んでしばらく眺めていると、圧倒的に見ている方の手が血行よろしくなってポカポカしてきます。

これは以前、デッサンを習っていたころ、自分の左手だけを見て、紙上を一切見ずに描く練習というのをやったときに気がつきました。
ふつうのデッサンとちがって、見る視点に細かさがなくなり、たとえば長さ大きさのバランスとか、陰影とか、しわの本数や位置を描くのではなく、ボヤっと左手をみつめたまま描きつづけるので、正確さはどうでもよくて、皮膚の上にただよう気配や雰囲気を描いてみる、という練習でした。
すると不思議なことに、うごかし続けていた右手より、ぼんやり見続けた左手がポカポカして、指先がピンクに色づいてゆきます。

夏至祭をはじめとるす四季折々のお祭りで、地上界、精霊たちの元素界、そして神仙世界へ感謝を込めて植物を捧げるように、まいにち鏡で見る自分の顔やからだにも、やさしい植物の香りを捧げたい。
地球にお借りしているあいだは、ていねいにケアしたい。
からだは地球の一部だから、地球を思う気持ちをそのまんま、からだにも伝えたい。

そんな願いをのせて選抜されたカモミールは、「大地の林檎」と呼ばれるにふさわしい、地上世界の豊かさ象徴である花と果実の香りをもち、ノーブルでありつつ踏まれ強いという、おとぎ話プリンセス元型のようなハーブです。
聖なる9つのハーブのなかでも「植物のお医者さん」「マザーズ・ハーブ」「高貴な花」「逆境におけるエネルギー」など、愛されてきた証としてのニックネームもたくさんもっています。

当社製品Shield72° しっとりホワイト洗顔シリーズは、まいにちの洗顔をオイル&クレイで洗う新発想のナチュラルスキンケア。
天然由来成分100%、クレンジングオイルは石油系・ミネラルオイルも、鉱物油も一切使用せず、植物・ハーブオイル100%のやさしい肌あたりです。
クレイパック洗顔はカオリンとベントナイトという天然クレイ100%のパックにもなる洗顔料です。

オーガニックアロマ100%のブレンドは、カモミールローマン、ローズマリー、レモンの組み合わせで調香し、トップノートのローズマリーとレモンの爽やかな香りを追いかけるように、カモミールローマンの香りがふんわり包みこんでくれます。
朝は現世で、夜は夢見世界で、さぁ今日も存分に遊びましょう、とレモンがワクワク感をつくり、マザーズハーブのカモミールは「いってらっしゃい」とやさしく背中を押してくれます。

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9つの植物・ハーブオイルを贅沢に配合した クレンジングオイル

*当ブログで紹介している植物の一般的な性質は化粧品の効能を示したものではありません。
*正式な化粧品業界の記載では、カモミールはローマカミツレ花油、ローズマリーはローズマリー葉油、レモンはレモン果皮油といいます。
すべて賦香目的で配合しています。

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お読みくださりありがとうございました。
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