ワタナベ私物

「ぼくのえにっき」 課されて嫌々やっていた夏のあれを今やってみます

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最近の記事

合宿免許④-2 【決断】

幸い祝日だったこともあり、 「オートマに変えようかな」というLINEには親からすぐに返信が来た。 「あなたにはオートマが合っている」 「マニュアル乗る日なんて来ないよ」 「お金が損したなんて気にせず自分次第で」 (※マニュアルよりオートマの方が安い。) 親は選択を尊重する言葉をかけ続けてくれたが、少しずつでも進んでいる実感があった手前 とても悔しかった。 (通いにすればよかったのかな)、(はじめからオートマにしてればこんな思いせずに済んだ) と考えても仕方のない後悔に

    • 合宿免許日記④-1【転落】

      4日目。鼻息を荒くして教習所に向かった。 ここから更に自分の成長速度を上げ、乗れる自信をつけていかなければいけない。 技能講習のテーマは「坂道発進とバック駐車」 坂道で止まってしまった場合を想定した発進など、多くの人が最も躓くテーマと聞かされた。 担当教官は、真四角の眼鏡に下ろした前髪が特徴的な40代男性。 ほんの少し痩せた六角精児という感じ。 初めて当たる教官だった。 基本的に怒ることなどはなかったが、あまり感情を露にせず、淡々とした口調で進めるので言い表せない怖さが

      • 合宿免許日記③ 【見えて来た希望】

        3日目。 生憎の大雨だった。 昨晩は寝つきが悪く、寝過ごす恐れがあったので多めにアラームをかけておいた。 その甲斐あり、いつもより余裕のある朝。 当然、天気のチェックもバッチリである。 宿では洗濯のできる回数が限られているため、ズボンの裾を少しでも濡らすまいと、短パン、Tシャツで行くことに決めた。 満点の朝支度で教習所に向かうバスを待つ。 バスに乗り込む際、少し肌寒かったことですぐに後悔した。天気にばかり目を取られ、気温を見ていなかった。 こういう所が運転が上達しない所

        • 合宿免許日記②-4 【相手の懐にいきなり飛び込むことはできますか?】

          帰る時間になり、宿に向かうバスに乗ったのは自分と窪塚(①-5より)の2人。 実は窪塚も1人で来ていることが分かった。 窪塚は相変わらず急な距離の詰め方だが、昨日より話しやすく感じた。 ただ、敬語になっていた。 今朝のバスでの話を聞いていたのだろう。 「思い描いた免許合宿とのずれ」について盛り上がった。彼も同じような憧れを持って入校しており、落胆していた。 窪塚は夜に宿を抜けてカラオケにいくのが夢だったらしい。 1番近い店が徒歩20分のセブンイレブン一軒のみである僕らの

        合宿免許④-2 【決断】

          合宿免許日記②-3 【ハロー、絶望。】

          スマホでオンライン学科をなんとか乗り切り、午後に2度目の技能講習を迎えた。 2度目の実車の担当教官は30代くらいのすごく優しい女性の方。 1度目以上に失敗を繰り返した。 ・聞いたことを一回消化してからじゃないと  動けないタイプ ・やりながら覚えられる器用な方ではない ・頭でっかちになりすぎている という評価を受けた。 なんとなく分かっていた。頭に身体が着いていかない。身体操作能力が低いのだ。 不安が最高潮に達し、思わず聞いてみた。 「俺ってマニュアル向いてないですか

          合宿免許日記②-3 【ハロー、絶望。】

          合宿免許日記②-2 【孤独】

          教習所に到着して2日目。分かったことがある。 ・合宿は個人戦 ・女子同士は打ち解けるのが早い つまり、完全に1人になったのだ。 昨日話した女の子は「明日も1人で不安なんでよろしくお願いします。」と言っていたがすっかり女子の輪に溶け込んでいた。 あるグループがUNOで盛り上がっている横で「免許を取るために来ている」と自分に言い聞かせ、待ち時間を乗り切った。 そして、いくつかの問題を解いて運転の向き不向きや、運転の際の注意点を性格的に判断する「適性検査」というものを受けた。

          合宿免許日記②-2 【孤独】

          合宿免許日記②-1 【打ち出した勇気と通わせた心】

          朝5時起床。 支度をして教習所までのバスに乗る。 旅館に泊まっていた合宿生の多さに驚いた。 男9人ほどが乗り込んだ。窪塚(①-5より)以外初顔合わせ。 車内は話す空気では無かったが、隣に座ってきた男に思い切って話しかけた。 関東から来た鳥海くん(仮)。 話に食いついてくれて、途端に質問責めを受けた。 「どこから来たの?」「教習生活どう?」 興味の持ちようが嬉しかった。 次第に打ち解けていくのが分かった頃、何つ目かの質問。 鳥海:「そっちの大学は二回生になったら授業忙し

          合宿免許日記②-1 【打ち出した勇気と通わせた心】

          合宿免許日記①-5 【思い描いてた合宿とのギャップ】

          バスで55分掛かって宿に到着。 古くからある田舎のおばあちゃん家の延長のような宿だった。 フロントに行くと、とどめのような一言が。 「ワタナベさんの部屋は1人部屋ですね〜」 (確かに相部屋不安って思ってたけどさ、思ってたけど、いや思ってたけどさ…?) これで噂に聞いていた楽しい合宿免許の要素は何一つ無くなった。 他の合宿生は自分の到着より随分と前に帰宅していたらしく、大きな食堂でたった1人の夕飯と風呂も1人で済ませた。 部屋に戻り改めて他人の合宿免許体験談を調べてみ

          合宿免許日記①-5 【思い描いてた合宿とのギャップ】

          合宿免許日記①-4 【講習開始】

          講習が始まった。 最初の講習は「宿での過ごし方」 入って2日目にして宿で飲酒と喫煙をした生徒が退校させられたこと、その生徒が宿に多くの謝罪金を払ったことや、退校させられる生徒が少なくないことなど次々と辞めさせた事例を話していった。 続いての講義は交通事故について。 死亡したケースを多くとして、交通事故の事例を淡々と話していった。 (最初から乗るの怖くなってくるって、、、) 当たり前のように運転に慣れている友達達に畏怖し、遥か遠くに感じた。 公道に出て走る責任は重大だった

          合宿免許日記①-4 【講習開始】

          合宿免許日記①-3 【思ってたのと違あぁぁう!】

          「ここにいる4人の皆さんは、それぞれ違う宿に宿泊することになっています。また、宿から教習所は大変遠いため、無料バスでの行き帰りになります。バスには予約が必要で、特にワタナベさんの宿からはバスの本数が少ないため、気を付けてください。」 (え、最後なんて言った??嫌な予感する…) 加えて、 ・急遽ほとんどの学科の授業がオンラインに  なったこと ・オンライン授業は教習所に来て受けなければいけないこと が発表された。 指導員が出ていった後、男の子2人が指導員の説明で聞き逃した

          合宿免許日記①-3 【思ってたのと違あぁぁう!】

          合宿免許日記①-2 【教習所で見たもの】

          教習所に着くと、衝撃の光景があった。 そこにはたくさんの一回生らしき子たちがすでに各グループでまとまっていた。 (そりゃそうだ。俺が悪い。夏休みの宿題を最終日に慌てて取り掛かっていた小学生はそうそう変われず、22歳で免許を取ることになったのだ。) 手続きを終え、「今日入校の方は教室に集まってください。」とアナウンスされた。 教室に着くとまたも驚いた。 同じバスに乗り込んだ4人のみが一堂に会していた。 (え、これだけなの!?もっと合宿って大勢でわいわいする感じじゃないの

          合宿免許日記①-2 【教習所で見たもの】

          合宿免許日記①-1 【入校当日】

          今回の教習所は、交通のアクセスがあまり良いとは言えないへんぴな場所にあるため、教習所を取り囲む各駅から無料でバスが出ることになっている。 駅に着くと、教習生と思われる3人がすでに待機していた。男の子2人と、女の子1人だった。多分3人とも大学一回生。 その近くに行き様子を探っていると、男の子2人はキャッキャ楽しそうに話しており、友達同士で参加していることが分かった。 (やっぱり友達同士で参加するもんなのか。) と思っていると、 「すいません、お一人で参加されたんですか?」

          合宿免許日記①-1 【入校当日】

          合宿免許日記⓪ 【大学4回生夏の記録】

          『前置き』 大学4回生にもなってようやく、自動車免許を取りにいくことにした。その方法は免許合宿。 マニュアルでの取得を目指す。 車の必要性よりも面倒臭さが勝っていたが、 あまり時間がなく、今年の夏を逃したらいよいよ取れなくなると思った。 また、好きな芸人さんがラジオや文章で免許合宿の楽しさを語っていた。 通学で免許を取った同級生も「免許合宿に参加できるなら参加する人生の方が良い」と言っていたし、 「免許合宿には出会いや青春が詰まっている」「県外にたくさんの友達ができた」

          合宿免許日記⓪ 【大学4回生夏の記録】