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合宿免許日記③ 【見えて来た希望】

3日目。
生憎の大雨だった。

昨晩は寝つきが悪く、寝過ごす恐れがあったので多めにアラームをかけておいた。
その甲斐あり、いつもより余裕のある朝。

当然、天気のチェックもバッチリである。
宿では洗濯のできる回数が限られているため、ズボンの裾を少しでも濡らすまいと、短パン、Tシャツで行くことに決めた。
満点の朝支度で教習所に向かうバスを待つ。

バスに乗り込む際、少し肌寒かったことですぐに後悔した。天気にばかり目を取られ、気温を見ていなかった。
こういう所が運転が上達しない所以かもしれない。気を引き締め直す。

教習所で講習開始を待っていると、入ってくるスウェット、スウェット、スウェット。
抱えている不安な気持ちとは裏腹に、たちまち1人浮かれた夏男の完成である。

誰も気にしていないのは分かっているが、 
スウェットだらけの大衆に恥ずかしくなった僕は隅の死角に移動し、周囲をシャットダウン。
技能講習の脳内練習に励んだ。

本日の技能講習は復習からスタート。
昨日の失敗から憂鬱で迎えた講習だったが、あら不思議。だんだん操作に慣れてきたのだ。

本日の講習2時間目のことだった。1時間目は変化がなかったものの、復習に多く時間を割いてもらい、走れるようになった。カーブが曲がれるようになった。

本来なら1時間目にできるようになる予定のテーマであったが、そんなことはお構いなし。

(嬉しい。)
(とにかく嬉しい!!!出来なかったことができるようになるって楽しい。)

他の人より進捗こそ遅いものの、着実に一歩一歩進んでいる実感があった。

授業時間が1時間増やされることが決定したが、「焦らず学べば俺も乗れるようになる。」
と僅かに拓けた希望を信じて疑わなかった。

免許合宿始まって以来、初めて自信を持って教習所を後にした。



しかし、この後に最大の難関が待ち受けていることはこの時知る由もない。




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