合宿免許日記②-3 【ハロー、絶望。】
スマホでオンライン学科をなんとか乗り切り、午後に2度目の技能講習を迎えた。
2度目の実車の担当教官は30代くらいのすごく優しい女性の方。
1度目以上に失敗を繰り返した。
・聞いたことを一回消化してからじゃないと
動けないタイプ
・やりながら覚えられる器用な方ではない
・頭でっかちになりすぎている
という評価を受けた。
なんとなく分かっていた。頭に身体が着いていかない。身体操作能力が低いのだ。
不安が最高潮に達し、思わず聞いてみた。
「俺ってマニュアル向いてないですかね?無理ですかね」
少し間が空いて教官は答えた。
「何も考えなくても、できるようになるくらい練習しよう。ただ"ノビる"とは思うよ。」
自分: 「こんな俺でも伸び代あります??」
教官: 「ごめんね、卒業が"延びる"って意味」
ハロー、絶望。
どん底で教習所に着くと、はかったかのように母から「オートマに変えてもいいんだよ。」
というLINEが来ていた。
一瞬、(オートマに変えちゃえば楽に乗れるようになるかも)と思ったが、そういう時の思考は悪い方に発展していく。
(今後色んなことを諦めていく人生なのかな)
と考えるところまで落ちた後、トイレに駆け込んだ。
泣きそうなのである。
涙を呑みこんだ後、これまで車に乗せてくれた友達の顔が浮かんでもはや怖くなってきた。
彼らは免許を持っている人間なのに、さも当たり前のような顔をして普通に接してきた。
運転ができるんだぞ。もっと誇ってきていい。もっと自慢してきてないとおかしい。もっと見下していていい。
自分が運転できるようになる想像が全くできなかった。
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