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続編じゃないのに続編?一作目より先に公開されたPART2とは「サスペリア PART2」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(469日目)

「サスペリア PART2」(1975)
ダリオ・アルジェント監督

◆あらすじ
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心霊学会で講演していたヘルガが、突如悲鳴を上げる。聴衆の中に殺人者の邪気を感じたのだという。その晩ヘルガは何者かに包丁で惨殺され、ピアニストのマークは窓越しにそのシーンを目撃。事件が起きた部屋にマークは妙な違和感を覚え、真相を探り始める…。(公式より引用)
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先日視聴した「サスペリア」の続編

ではないんです!

タイトルにPART2と付いていますが、イタリアでの「サスペリア」の公開は1977年、今作は1975年公開と2年も前の作品です。同じダリオ・アルジェント監督の作品ではありますがもちろん関連性はなく、まったくの別物です。

ではなぜPART2と付けられているのでしょうか。

まず日本では「サスペリア」が1977年に公開され、“本物の霊が映り込んでいる”、“ショック死保険”などが話題を呼び大ヒットを記録しました。

その大ヒットを受けた日本の配給会社は次に輸入された今作を同じダリオ・アルジェント監督作品というだけで「サスペリア」の続編として公開したほうが売れる!と考え、「サスペリア PART2」と名付けました。これを知った監督は大変驚いたそうです。
ちなみに日本での公開時のキャッチコピーは「約束です!決してひとりでは見ないでください」です。
(「サスペリア」の時は「決してひとりでは見ないでください」でした。中々に手を抜いていますね笑)

今作にはホラー要素がほとんどなく、強いて言うならば冒頭に霊能力者の女性が登場するのと中盤で人形が襲いかかってくるシーンくらいでしょうか。ジャンルとしてはミステリー映画だと思います。

人形は中途半端に大きく、こちらに向かってくるスピードも絶妙に速くて不気味です。

音楽は「サスペリア」と同じくイタリアのロックバンド“ゴブリン”が手掛けており、今作が初参加となっています。

現在、アマゾンプライムでレンタルが可能です。

原題は「Deep Red」であるため「サスペリアPART2/紅い深淵」と題される時もあります。

前述したように今作はほぼミステリー映画ではありますが内容としては歪んだ母子の愛情をテーマにした極上の骨太謎解きミステリーで、一作目にも負けず劣らずの見ごたえがあり非常に面白かったです。

血の赤が映えますね。

いわゆる視覚トリックが用いられており、わりと冒頭で犯人の顔がさらっと映っています。ちなみ私はそのシーンを偶然発見しましたが、また“霊が映り込んだ”という演出なのだろうとスルーしてしまいました…

主人公マーク役のデヴィッド・ヘミングス
マークと息のあった掛け合いを見せる
ヒロインの新聞記者•ジャンナ役のダリア・ニコロディ
「サスペリア」の主人公スージー役の候補にも挙がっていました。

主人公のマークも犯人を見ていたはずなのにあまりにも自然すぎて見過ごしており、それがかえって捜査を難航させていました。

犯行シーンは黒手袋をしたアルジェント監督自らが全て担当しています。

日本では何かと変な扱いを受けておりますが、映画秘宝EX最強ミステリ映画決定戦というおそらくすごい決定戦において、ミステリ映画オールタイム・ベスト10というこれまたおそらくすごい部門で1位に選出されていますし、ちゃんと面白いのでもしお時間ありましたらご覧になっていただきたいです。オススメです!

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

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