見出し画像

殺戮ロードムービーこれにて完結?シド・ヘイグよ、永遠に…「スリー•フロム・ヘル」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(466日目)

「スリー•フロム・ヘル」(2019)
ロブ・ゾンビ監督

◆あらすじ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
殺戮大好きファイアフライ一家のキャプテン・スポールディング、オーティス、ベイビーは警官隊の銃撃から生き残るが刑務所に入れられてしまう。死刑を逃れたオーティスとベイビーはオーティスの腹違いの兄弟フォクシーの協力で脱獄するも指名手配犯となり警察に追われる。そこで一家は、自分たちの知名度が低いメキシコへの逃亡を試みる・・・しかし一家の行く先々では、おぞましい量の血が流れることは避けられないのである!(公式より引用)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ヘヴィメタル界の超大御所であるロブ・ゾンビ氏が監督を務める「マーダー•ライド•ショー」シリーズの3作目で、前作の公開が2005年なので14年ぶりの新作となります。

一作目と2作目はこちらから↓

◇ファイアフライ一家のキャプテン•スポールディング、オーティス、ベイビーの3人は前作のラストで警官隊の銃撃から生き残ったものの刑務所に収容されている

というところから物語が始まります。

前作までと比べるとかなり明るい印象の作品で
ロブ・ゾンビ監督の音楽も相まって殺害シーンは汚いのに美しいという“奇跡の矛盾”が生じます(笑)

ロブ・ゾンビ監督の作品を見るたびに音楽ってすごいなと思い知らされます。

現在、アマゾンプライムで300円でレンタルできます。U-NEXTやhulu、FODなどでも見られるそうです。

全編通してベイビーが主人公ポジションなのでベイビー役のシェリ・ムーン・ゾンビのファンの方々は大歓喜でしょう。

インディアンスタイルに弓矢で戦います。
ちなみに御存知かとは思いますがロブ・ゾンビ監督の奥さんです。

今まではファイアフライ一家の面々が贈る愉快痛快な殺戮ショー、そしてその狂気性やグロ描写を我々視聴者は楽しんでいました。
しかし今作ではベイビーを筆頭に人間味が増しており、不安を吐露したり、慈愛に満ちた表情を浮かべたりと登場人物たちの魅力をより感じることができます。

シド・ヘイグ演じるキャプテン•スポールディング
処刑されてしまうため出番は少なめですが存在感と狂気性は断トツです。
ベイビーがヘッドロックしている刑務官は「クリッターズ•アタック!」のディーおばさん役のディー•ウォーレスです。
ビル・モーズリー演じるオーティス
「真実はナイフだぜ、深く刺さる諸刃の剣だ」というセリフが最高にクールです。
リチャード・ブレイク演じる腹違いの兄弟フォクシー
通称ミッドナイトウルフマンです。

殺戮を繰り返す救いようのないクズ一家なりに信念みたいなものがあって、その信念を貫くために色々と苦労もしているんだなとなぜか一家を応援してしまいます。

そして、もちろん殺戮ショーはご顕在です!
コメディ色は強くなったものの、何を仕出かすかまったく予想できない行動の数々には毎回度肝を抜かれます。

看守長ハーパー(左)のキャラも濃くて面白かったです。

個人的には
オーティスが看守長ハーパー宅に押し入り、婦人が大事にしていた骨壺を手に取り「ママ、羽ばたいて飛んでいけ、さぁ飛んで遠くへ逃げていくがいい」とゲラゲラ笑いながら遺灰をぶち撒けるシーンは不謹慎ながら笑ってしまいました。

全裸女性をナイフ持って楽しそうに追いかけまわすベイビーも最高でしたね。

何も知らずに来たピエロが弄ばれるシーンは
これぞ“緊張と緩和”という感じですごく良かったです。

メキシコに舞台を移す中盤以降も尻上がりに勢いを増していき、クライマックスの赤覆面の殺し屋集団•黒サタンとの壮絶な戦いもバチボコに熱い展開の連続で心の底から「あぁ、見て良かったな」と思う最高の映画でした。

そして

ロブ・ゾンビ監督作品常連でキャプテン•スポールディング役でお馴染みのシド・ヘイグ氏は今作の公開5日後にこの世を去りました。

享年80歳でした。

おそらく撮影時から体調は相当悪かったんだと思います。本編では処刑されてしまうため出番も少なかったですが、体調さえ良ければきっとベイビーたちと一緒に脱獄してメキシコで大暴れしていたことでしょう。

本当に本当に残念でなりません。

しかしシド・ヘイグ氏の出演作はこれからもいつでも見ることができます。もしこの記事を読んで少しでも気になった方は見てください!私も見ます!

そうすればキャプテンも天国で喜んでくれると思います。

キャプテン•スポールディングは永久に不滅です。


☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


この記事が参加している募集

おすすめ名作映画

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?