見出し画像

のび太の昼寝の才能が開花する!『小人ロボット』/のび太の3大特技がスゴイ!お昼寝編①

のび太の三大特技と言えば、①射撃②あやとり、そして③昼寝であることはは有名。そのどれもが世界的なレベルであり、あたらめて、できることとできないことの差が激しい人間だということがわかる。

これまで、射撃とあやとりについては記事にしてきたので、是非ともご一読下さい。

①射撃

②あやとり


「昼寝」については、先日、のび太が初めて昼寝をした瞬間の作品について記事にした。


まずは、いかにのび太=昼寝名人というイメージが作られていったかを見ていきたい。

昼寝シーン初登場となった『おいかけテレビ』は1970年4月の作品。連載開始4ヵ月目で、早くものび太の昼寝デビューが描かれる。

その翌年の『夜の世界の王さまだ』(1971年12月/大全集1巻)では、学校帰りに疲れて昼寝して、友だちを遊ぶと疲れて昼寝すると語っている。まさかの日中に二度の昼寝をしているというのだ。

そこから4か月後の『いつでも日記』(1972年2月/大全集2巻)では、かの有名なのび太の三日坊主の日記が登場。1月2日の日記において「あさおきて ひるねして よるねた」という寝正月丸出しの文章が書かれる。

ちなみに1月3日は「きのうとおなじ」であった・・。


さらに2ヵ月後の『おはなしバッジ』(1972年4月/大全集2巻)では、部屋で寝ているところを未来からの小包をぶつけられて飛び起きるシーンが登場。

さらに翌月の『ゆめふうりん』(1972年5月号/大全集2巻)では、夜に活動するために、ドラえもんに昼寝をしておくよう布団を敷いてもらうのだが、「こんな時間から寝られない」と言った瞬間に眠ってしまう。一瞬で寝られるという能力の片鱗が見える。

そしてそこから1年後、ついにのび太の昼寝の才能が本格的に目覚めることになる・・!


『小人ロボット』「小学二年生」1973年5月号/大全集5巻

冒頭からのび太は部屋で昼寝。ママがやってきて「また昼寝しているの。よくそんなに眠れるわね」と話しかける。するとのび太は「昼寝だけは得意なんだ」と言い出し、「寝ようと思えば、いつでもどこでも眠れる」と胸を張る。

そしてさっそく実演。目を閉じて、「一、二、三」と数えると、ママの目の前で座ったまま「グウ」と眠ってしまう。寝つきの悪い人でなくても、驚きの特技である。


ママに宿題をするように注意され、机に向かう。ポカンと何か考えごとをし始めたところにドラえもんがやってくる。のび太はそこで、「あの靴屋さんはいいなあ」といきなり語り出す。あの靴屋の話と言うのは、グリム童話の「小人の靴屋」のことであった。

「小人の靴屋」の内容については詳細は語らないが、プチ情報を混ぜておくと、のび太が指しているお話は、「小人の靴屋」の第一話のこと。あまり知られていないが、このお話は3部作となっていて、二話目、三話目が存在する。

その内容は、一話目のようなほのぼのしたいい話ではなく、「本当は怖いグリム童話」という内容となっているので、ご興味ある方は調べていただきたい。


のび太は「寝ている間に仕事をしてくれる機械ってないかしら」と妄想すると、ドラえもんは「あるよ」と田中要次のように答え、「小人ばこ」という道具を取り出す。

この箱に頼むごとをして眠ると、小型のロボットが出てきてやってくれるという、昼寝得意ののび太に打ってつけの道具である。

のび太は宿題を頼む前に、他の事で試してみようということで、箱を持って出掛けていく。この時、すぐに宿題に取り掛かっていれば・・・と後の祭りになるのだが、それはまた後ほど。


ママに何か仕事がないか尋ねると、ニコニコしながら「いいえ結構よ」と返事をする。のび太に頼むと何やっても失敗するからというのが理由である。ちゃんとやるということで、靴磨きを頼まれるのび太。靴を作るのではなく、磨くというところが可愛い。

さっそく玄関で靴を出して、「一、二、三」とひと眠り。すると、小人ばこの玄関がパカッと開いて、5体ほどの小人ロボットが出てきて、キュッキュッと靴を磨いていく。靴はまるで買ったばかりのようにきれいになる。


宿題には戻らずに小人ばこを持って家の外へ。しずちゃんに何か仕事がないかと聞くと、草むしりが大変だと答える。そこでしずちゃんをあっちへ行かせて、のび太は昼寝をすると、あっという間に庭はきれいになる。

調子づいたのび太は、スネ夫の家の故障車を直し、ジャイアンの家の洗濯機の修理、他の子の頼まれごとを次々とこなしていく。日が暮れるまで、片っ端から眠って仕事を片付けるのび太であった。


さてようやく帰宅。ママからは「宿題まだなんでしょ」と注意を受けるが、のび太は「寝る時やります」とちょっと気の利いた返事。

そしていよいよのび太の宿題に着手してもらうべく、のび太は布団の中へ。いつものように「一、二、三」と数えるが、何べん数えても全く眠りにつくことができない。

さすがののび太も、昼間ずっと昼寝をしていたので、眠気がさっぱり飛んでしまっていたのであった。寝ないと小人は出てこない。結局のび太は「自分でやらなきゃだめか」と宿題に取り掛かる羽目になるのであった。


私事だが、自分も眠るのが凄く早いという自負がある。学生の頃、CDを掛けて布団に転がると、一曲目が終わらないうちに眠ってしまう程だった。今でもかなりの速度で眠ることができる。

しかし、土日などでうっかり夕方から昼寝(夕寝?)してしまうと、その夜は全く眠りに付くことができなくなる。いつもと違って、眠るのに苦労するのはとても苦しいものである。

いずれにせよ、早寝が得意なのび太も、眠りすぎては眠れなくなる点は、普通の人間と変わらないようである。


さて次稿では、眠りの能力がいかに世界レベルかが証明される作品を取り上げる。


この記事が参加している募集

コンテンツ会議

マンガ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?