櫻井敦司さんの訃報によせて
不思議なことに、私がBUCK-TICKを聴くとき、必ずと言っていいほどその音は櫻井敦司の映像とともに再生されていた。聴覚と脳と視覚が瞬間的につながることで櫻井敦司のあのたたずまい、身振り、所作、表情、全てが一瞬にして想起され、音楽が「イメージの櫻井敦司から」鳴らされた。そんなのよくある話だよ、と思うかもしれない。確かに、音楽を聴いていて何かしら景色が想起されるというのはよくあることだ。ただ、私におけるBUCK-TICKを聴くという体験は「音楽を聴くことで景色が想起される」とい