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中村さんそインタビュー 音楽も人生も肯定するコンセプト「カワイイ×ポップ」を深掘りする

以下のインタビュー記事は、以前音楽メディアSoundmainにて女性のトラックメイカーを取材するリレー企画として掲載されていたものです。メディア終了に伴い、こちらのnoteに転載しています。(初出:2022年9月30日)

「カワイイ×ポップ」をコンセプトに掲げ、Soundcloudを中心に大きな支持を集めているシンガーソングライター・中村さんそ。DTMを駆使してのトラックメイキングをゼロから始め、コンスタントにアルバムやEPをリリースし続けることで着実にビートは研ぎ澄まされ、世界観も確立されてきている。

アンダーグラウンドシーンにおいて「カワイイ」をテーマにしたアーティストが多くひしめく中、なぜ中村さんそは独自のポジションを築けているのだろうか? 楽曲制作の方法はもちろん、彼女にとっての「カワイイ」の定義、「カッコイイ」との違い、そもそも「カワイイ音」とはどのような音を指すのかなどなど、これまで言語化されてこなかった核心に迫った。

初期の曲も良いと思える「カワイイ」という視点


音楽活動を始めたきっかけを教えてください。

中村さんそ名義での活動は2017年から始めているんですが、元々その前からイラストを描いたり、創作することは好きだったんです。電子音楽を始めたきっかけは、通話しながらオンラインゲームをやるために購入したオーディオインターフェースにCubaseがついていて、「これで曲が作れるじゃん。色々やってみたいな」と思ったのが最初です。あと、同時期にYunomiさんを知ったんですが、友達に「この人は“同人音楽”なんだよ」と教えてもらって。自分でCDを作ってリリースするという選択肢があることも当時は知らなかったのですが、それを聞いて、「私も素人だけど作れるのかも?」と思ったんです。

もともとジャンルでいうと、EDM系の音楽を中心に聴いてきたんですか?

音楽ジャンルというよりは「カワイイ曲」がめちゃくちゃ好きで、そのまま「カワイイ曲」とか打ち込んでGoogle検索したりしていました(笑)。Yahoo! 知恵袋にまとまっている曲を1曲ずつ再生して聴いていったり。その流れで、知らない間に同人音楽だったり、電波ソングっぽい音楽だったり、アニソンだったりも含めて色々聴いていましたね。

なるほど、リスナーとしても「カワイイ」という切り口で音楽を聴いてきたと。その流れで、ご自身もカワイイ曲を作りたいという気持ちになったわけですよね。DTMにはどのように入っていきましたか?

どうやって曲の形にしていけばいいか全然分からなかったです。ピアノはさすがに知ってるけど、そもそもベースって何? キックって何? 音域とは? みたいなレベルで。DTMの専門学校に通っていた仲のいい子がいたので、その子に最初だけ「コードっていうのがあってね」という話をしてもらいました。中学校の頃、アニメの『けいおん!』が流行っていた時に一回だけギターを買ったことがあったんですけど、「コードって、その時に聞いたことあるな」と思い出したり。「ドレミファソラシドがCメジャースケールで……」みたいな初歩的な話を教えてもらいながらなんとかやっていました。このボタンを押したら音が出た、1個ずつマウスで打ち込んでいこう、という感じで全てが手探りでしたね。王道進行というコードを知って、それをポチポチ打ち込んで、好きなメロディを乗せて、キックをトントントントン四つ打ちで入れてみて……という感じでとりあえず一曲作ったという感じが最初でした。

まさに手探りですね。楽しかったですか?

はい! とにかく好奇心が刺激されて。絵と違って、音楽ってドレミファソラシドという構造がそもそもあるから形になるのが早いと感じるんです。打ち込んだだけでそれなりに曲にはなるのが楽しいという気持ちだけでどんどん作っていました。

初期に作った曲を今でも聴いたりしますか?

初心を振り返りたくてたまに聴くんですけど、カワイイなって思う(笑)。私は、音楽って出来不出来はないと思っていて。もちろん初期の曲なので不出来ではあるんですけど、これはこれとして一つ形が出来上がっていると思える。可愛かったな、頑張ったな、という気持ちになります。

初期の楽曲「Only you」


完成度とは別のところで何か良さを感じるというのは音楽の面白さですよね。逆に、今だったらもっとこうするかも、という気持ちはありますか?

そういうこともあるのかなぁと思ってセルフリミックスみたいなことをしようと考えたりもするんですけど、その度に「これは出来上がってるものだから触っちゃいけないな」という気持ちになってできないんですよ。昔は音圧についてよく分かっていなかったので、そういうことを修正することはできるけど、音が良くなったところで何なんだ? とも思う。そこを整えても良さは出ないのかなと思ってストップしちゃうことが多いです。

「音が良くなったところで何なんだ?」というのは中村さんらしくて面白いですね。それは自分以外の曲においても同じように感じますか?

そうですね。一回もリミックスはやったことないし、これからもできないかもしれない。やっぱり原曲が好きなんですよね。Soundcloudとかで聴いているといいなと思うリミックス曲もあるんですけど……。

出来上がっているものに対して、多少いびつだったり過不足があったりしてもそれを肯定する「カワイイ」という価値観があるのはすごく共感します。完成度というのはあくまで一つの基準で、その基準とは別の捉え方として「カワイイ」というのは間違いなくあると思う。

そうですね。「その形が素晴らしい」っていう。

「カワイイ」音ってどんな音?


普段はどういう形で曲作りをされているんですか?

まずコードを打ち込んで、コードに軽くリズムをつけ、そこにメロディをつけるのと作詞を同時にしていきます。「いいな」と思ったら本格的にリズムを足して、ベースやシンセを足して、それをコピーして伸ばして増やして音を引いていったりもするといった流れです。ほぼ全部の工程を同時進行でやっている感覚ですね。

曲の中の色んなセクションを行ったり来たりしながらという感じですよね。ということは、曲作りは時間をたくさんとって集中してやると。

そうです。気づいたらすぐに5時間くらい経ってますね。寝る前に急に思い立ってやり始めてしまって、朝に寝ることもあります。

リズムを最初にしっかり組んで作っていく方も多いと思いますが、中村さんの場合はそうではないんですね。

はい、必ずコードからですね。外を歩いている時、ベッドに横になっている時、自転車をこいでいる時……急に頭にカワイイメロディが浮かんだりしたら、まずメロディから入れてコードを当てはめていくこともありますけど。とにかく、リズムよりもコードやメロディ、詞を先に考えていきます。

それは興味深いです。というのも、中村さんの音楽はコンセプトに「カワイイ×ポップ」を掲げている通り、何よりもポップなメロディが耳に残る。まずはそこから先に作っているというのは納得です。

とにかくメロディと歌詞の「ぴったんこ感」を大事にしていると思います。音の流れと言葉の流れがずれていたら気持ち悪いし、もちろん意図的にあえてずらしたりもするんですが、基本的にはそこに何か口ずさみやすい歌詞とか、口ずさみやすいメロディみたいなのを合わせていきたい気持ちが強いです。色んな音楽を聴くにつれて、編曲もすごく大事なんだと思うようになりましたけどね。同じメロディでも編曲で印象が全然違うから。

リスナーとして聴く場合も、メロディと歌詞を重視していますか?

そうですね。メロディと歌詞があわさって変な感じになっている曲が好きです。擬音とか可愛くて好き。

具体的にどのあたりの曲でしょう?

SHE IS SUMMERの「とびきりのおしゃれして別れ話を」です。まず、「とびきりのおしゃれして別れ話を」っていう表現もカワイイし、メロディも好き。

中村さんが考える、具体的な「カワイイ音」というのもあったら教えてもらえますか?

マリンバとかカリンバとかの、高い音がカワイイと感じます。エレピとかの「ポロン」みたいな音や、後ろで「コロコロコロコロ」「ポロポロポロポロ」って鳴るのも。あと、お口を閉じた状態から開く時に「ポッ」て出る音ががすごく好きなんですよ。私は自分では出せないから、人にやってもらったのを録音して曲にずっと使ってるんですけど(笑)。

入ってる! 何の音だろうと思ってました(笑)。

あの音が好きなんですよ。カワイイですよね。

上記の「カワイイ音」が聴ける「sugar taxi」

頑張っている人はみんな「カワイイ」


いま、アンダーグラウンドにおいて中村さんの掲げる「カワイイ×ポップ」という世界観に近い音楽を出している方はどんどん増えてきていると思うんです。それこそSoundcloudにはこの2,3年ですごく増えました。はたから見ると、けっこう激戦区になってきている気もします。その中で、ここは自分のオリジナリティであり強みだと思うところはありますか?

「カワイイ×ポップ」という言葉自体は、まず「Kawaii Future Bass」というジャンルを知った時に「ジャンル名にKawaiiが入ってるのって超カワイイ!」と思って。でも自分はジャンルにすごく詳しかったり音楽に精通しているわけでもないので、そうなると何でもありの「ポップ」って言った方がいいのかなと思って使うようになったんです。でも、自分のオリジナリティとなるとまだ言語化できてなくて……。

私は、中村さんのオリジナリティはメランコリックだけど前向きな可愛さにあると思うんです。「カワイイ」にも色々あるじゃないですか。ただただ元気でカワイイというのもあるし、ちょっとエキセントリックなカワイイというのもある。中村さんの音楽はちょっと憂鬱なニュアンスが入っているけれど、それがあまり重くなりすぎずちょうどいい塩梅で鳴っています。「爽やかな鬱っぽさ」というとちょっと矛盾してますが、なんとなくポジティブなネガティブさを感じるんですよ。最後に肯定するようなその鬱っぽさって何なんだろうと思って。

そうそう! 確かにそうですね! ちょっと気持ち悪い言い方かもしれないですけど……私は、人間ってカワイイよね、みんな頑張ってて、それってすごいことだよね、という感覚があるんです。たとえば、今ってお顔が大事みたいに言われるけど、そんなの関係なく女の子でも男の子でも人としてみんなカワイイじゃんって思うんですよ。見た目とか関係なく、そもそも人として感情が落ち込んだり上がったりすること自体がカワイイんだよって。だから、「誰かを救いたい」とまで大きいことを言うつもりはないですけど、そういった気持ちになって落ち込んだりする時に聴いてもらえる音楽だったらいいなと思ってます。

中村さんの「カワイイ」は、すごく包容力があって包括的なんですね。

普段こんなこと人に話さないのでちょっと恥ずかしいですけどね(笑)。みんな幸せであってほしいんですよ。これは中村さんそとしてではなく、私という一人の人間としてのポリシーです。ネガティブなものも含めて、感情を守りたいと思うんです。それってカワイイものだから。

「今って何でもカワイイでまとめちゃうよね」とか批判もあったりするけど、それは言葉よりも先に「カワイイ」と感じる感情の種類が我々の側に増えてきているからだと思うんです。むしろ、まだ言葉がないからこそそういうぐちゃっとした気持ちを曲にしていくしかなかったりもするわけで。

私が曲を作っていく上で一番サクサク作業が進むのは、自分がすごくネガティブな気持ちの時なんですよ。落ち込んでたりとか、傷ついてたりとか。そういうのって、「ムカつく」とか「もうこの人のこと嫌い」みたいな感じになるんですけど、でもそれをそのままにしておきたくなくて。ちゃんと自分の中で昇華させたいんですよね。今年出した「keep out」っていう曲は、まさにそういったネガティブな感情をきれいな形にできた曲です。


作品を送り出す際の気持ちの変化


中村さんは音楽以外にアートワークを描かれたりもしています。てんひなたさんがアートワークを描かれる場合もありますが、そのあたりのすみ分けはどのようにされているのでしょうか。

てんひなたちゃんにお願いしている時は、曲が完成する前から「こういう動画や絵が作りたい」というのがはっきりある場合です。ただ、私は基本的に作ったらすぐリリースしたくて我慢ができないんですよ。一日で曲ができたりする時もあるので、そうなったら頼んでる暇もなくもう自分で描いちゃえ、ってなる。でも、イラストは皆に見せられるレベルじゃないと自分では思ってるから、できれば他人にお願いするようにはしています。

てんひなたがボーカルでも参加している「morning lie」

とにかく作ったらすぐ聴かせたくて我慢できない、というのは最近皆さん言いますよね。中村さんは、曲を出した後のSNS上の反応は気にしていますか?

初期はリリースしても感想ツイートなんかほとんどなかったんですけど、「1%通行」という曲を出した時に一人だけ「この曲はすごくいい。今までと違って一気にあか抜けた雰囲気になったから、今後中村さんそはアーティストとして成長していくと思う」みたいなことを書いてくれていた人がいて(笑)。嬉しくてすぐスクショして、「私、もしかしたら音楽作るの向いてるかも」って思えたんです。

自分は、基本的には誰かに曲を聴いてほしいって思いながら作るというよりはただ楽しくて作ってるというのが根っこにはあるんですけど。でも、反応してもらえるようになってきたらわがままなもので、前より求めるようになってしまったところもある。自分が思っているより皆が反応してくれなかったら怖いし、それでSNSも見ることができなかったり。

一時期、曲を作るのにすごく悩んでた時期があって、「中村さんそらしさ」がわからなくなったんです。自分は他の人より劣ってるし、でもちょっとずつ聴いてくれる人は増えていて、リスナーの期待にどうやって応えていったらいいんだろう?って。「皆は中村さんそのこういう曲が好きだろう」みたいなものを無理やり目指して作っていた時もありました。

曲でいうとどのあたりの時期ですか?

「おとなしく好きになって」という曲を作ってたあたり。だから、もうタイトルにもその気持ちが出てますよね(笑)。

出てますね(笑)。

今となっては、「私はもう私なんだからそれでいいじゃん!」って思えますけど。その後『中村さんそと夜に溺れて』というアルバムを出したんですが、そこに入っている曲も、大体自分を見失ってうろうろしていた時期です。4月に出したアルバム『中村さんそは眠らない』に入っている曲を作りはじめた時くらいになって、ようやく「音楽作ってたら面白いし、別に悩む必要なくない? 私が作ったら中村さんそでしょ?」という気持ちになってきた。

2022年4月にリリースのアルバム『中村さんそは眠らない』トレーラー
曲作りのアプローチも変わりましたか?

けっこう変わりました。昔は一日中FL Studioを開きっぱなしにして、ずーっと画面とにらめっこしていたんですよ。でも今は、やりたい時にDAWを開いてガーッて作って、よしできた! みたいな感じです。好きな人が聴いてくれたらそれでいいと思えるようになった。無理に皆に聴いてほしいわけではなくて、私の音楽に出会って健全な形で好きになってくれたらそれでいいかなって。

そうなったらもう強いですよね。リリースペースも最近すごく早い気がしますが、そういった心境の変化と関係あるのでしょうか。

昔のほうが「月に一曲はリリースしないと」と思ってもっと追われていました。でも、同時にボツの曲もけっこうあったんですよ。自分の技術も足りなかったし。今は一曲作り始めたらちゃんと完成まで持っていける力がついた気がするので、リリースできる曲自体も増えているんだと思います。

やっぱりスキルが上がったということですよね。

うん、ちょっとだけ(笑)。

表現したい「カワイイ」と、憧れの「カッコイイ」


最近の中村さんはコラボも盛んですよね。Soundcloudメインで活動される中で、いつもどのようにコラボに発展しているんですか?

nyankobrq君は、元々私が1曲しか出してない状態でフォローしたらフォローを返してくれたのかな。たまたまTwitterでオンラインゲームを同時プレイする人の募集をしていて、その時私もそのゲームにハマってたから、良かったら一緒にやりませんか? みたいな感じで繋がりました。それでしばらくしてから、「女性ボーカルの曲作りたいんですけど、よかったら歌ってくれませんか?」って言ってもらえて、それでできたのが「カカレ!」という曲です。その後はお互い必要な時に声を掛け合ってコラボしています。

「カカレ!」(prod by nyankobrq)

なかむらみなみさんは?

2年前くらいに私が偶然なかむらみなみさんの曲を聴いて、カッコイイしカワイイし、大ファンになったんです。たまたまagehaでやっていた「暴カワ(暴力的にカワイイ)」というイベントに出た時に、なかむらみなみさんもいらっしゃって。「超ファンです!」って声をかけたら、「#生きてるだけで正解」っていう私のトラップ風味の曲を聴いてくれてて褒めてもらえたんですよ。その後、みなみちゃんから「中村っていう名前の人を集めて曲やりたいので一緒にやらない?」って言ってもらえて。感激でした。

中村さんのリリースの中で、トラップの曲は少しテイストとしては浮いていますよね。トラップもカワイイポップとして作っているんでしょうか?

元々、ヒップホップは詳しくないけど好きではあるんです。海外の曲も含めて、昔からうっすら聴いてはいて。その流れで、とにかくトラップとの出会いが衝撃だったんですよ。「この“ブゥゥゥン”っていうベースは何だ?」と。「トラップ 定義」とかで調べてみると「808のベースがうんたらかんたら」みたいな説明が出てきて、とにかくよく分からないけどそれっぽくベースをブゥゥゥン、ブゥゥゥンって打ち込んで、キックもドスンドスン入れて、ちょっと不安定感のあるメロディラインを入れて、ハイハットをチチチチ……って入れてみて。普段の自分だったら絶対に作らないような曲を作ったら、「めっちゃカッコイイ!」ってなった(笑)。でも、それをトラップって言ったら本当に好きな人に怒られそうだからあんまり言わないようにしてますけど。

トラップって、構造としては単純なのになぜあんなにもカッコイイんでしょうね。

男の人の声が合うんですよね。自分はもし男だったら、カッコイイ服を着てトラップを歌いたい。

中村さんそさんのこだわる「カワイイ」というのと、今おっしゃっている「カッコイイ」という概念はまた別のものですよね?

ヒップホップは人間味が出るところが好きなんです。私が一番最初に出したトラップ風味の「生きてるだけで正解」という曲は、「おにぎりがうまい、だふくん(編註:中村さんの愛犬)まじカワイイ」みたいなことしか歌ってないんですよ。私がそこで目指したのは、カッコイイ中にあるちょっとした間抜けさみたいな人間味なんです。曲はブゥゥゥンってベースが鳴っててカッコイイんだけど、上に乗っている私の声とリリックはちょっと間抜けな自分語りというか。

そういうカッコよさは、憧れですね。表現したいのはカワイイ系の方なんだけど、自分がなりたいなと思う憧れはカッコイイ系の方なんです。だから、生まれ変わるならめっちゃ渋い声のカッコイイラッパーになりたいなって。

表現したいものと、そうなりたい、憧れるものとは違うということですね。ちなみに中村さんが憧れてきた、もしくは刺激を受けてきた女性のトラックメイカーはいますか?

自分が活動し始めた頃に意識していたのは、YUC’eさんとTORIENAさんです。所属している界隈の中で女性の方って全然いなくて。私が最初に出た大きいイベントが「暴カワ」だったんですけど、そこにYUC’eさんとTORIENAさんが出ていて「私もこうなりたい!」って思いました。お二人とも音楽のジャンルは違うけど、「女性でもこんなカッコイイ曲作ってるんだ!」って刺激になりましたね。すごく大きな存在です。実際に会っても、カリスマ性みたいなものを感じますよね。

では最後に、これからトラックメイキングをやる人に向けて、メッセージをください。

まずは一曲作ることです。音楽は正しいも間違ってるもないので、好きに楽しんでやったらいいと思う。雑な答えに聞こえるかもしれないけど、本当にそう思います。私も自分の曲に対して不出来だなとか思っちゃうけど、本当はそんなこと考えなくていいんですよ。少しずつでも出来るようになったら楽しいし、それでいいと思います。とにかく最初はキック打ち込めたらそれだけですごい、コード入れられたらそれだけですごい、そこにメロディ乗せたらすごい、みたいな。ちょっとずつ進んでいくのが大事だと思います。

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