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白川 侑
2024年6月23日 18:41
かすかに覚えている、高校の頃の思い出です。テキスト祈りなど知らないままで透明に透明を着せたようなきみは数学のテストも同じ点数できみは微笑む 風はまだ春恋人のフリをしてよと言った時きみはわずかに神様だった放課後はアイスクリームの外側が溶ける速度で過ぎ去ってゆく写真機のピントが揺れるほどそばにいたのにきみの手は掴めないわたしたちもう音楽になれたかな河川敷までのびてきた夏
2024年6月16日 18:52
偏見で芸人さんの短歌を詠みました。各芸人さんのネタやくだりなんかのフレーズを詠み込んでいます。テキスト令和ロマン・髙比良くるま毛でもってぐるりと顔を囲むのはきみへの返事を丸にするためラランド・サーヤ現代に蔓延る悪は誰のせい?お母さんが悪いってこと?ウエストランド・井口浩之記念日に差出人のわからないお花が届いたぞじゃないんだよお見送り芸人しんいち人が好き/うまくいかない
2024年6月1日 22:10
はぐはぐとビッグマックをほおばって強がるための栄養とした骨だけになっても生きる まだ何もやり遂げてなどいないのだからビルだけが燃えていく朝 いつものように制服のボタンをとめるこの愛もいつか化石に成り果てて朽ちていく肉だけが鮮やか気の抜けたクリームソーダを欲しがってやさしさの意味を考えている「マイペースなあなたらしくていいね」って10%くらいの肯定エイトビート刻むナイフに横顔
2024年5月5日 17:03
8人組コントユニット「ダウ90000」さんをイメージした連作です。 少し前に観に行った単独ライブ『30000』のフライヤーのような、プールの背景にしてみました。テキストはぐはぐとビッグマックをほおばって強がるための栄養としたまちがえて白いチケットを食べたからドラマみたいなカットがかかる平成を脱げないドール さびしげな風に吹かれて六度目の春びいどろのような瞳に騙されて車をと
2024年5月5日 02:06
熱っぽくて寝込んでいた日に、ベッドの上で思ったことを連作にしました。テキスト冷房をつけて布団にくるまった三十七度五分のおはよう真上から見たシルエットがひらがなの「よ」になるようにベッドに寝ころぶこのままじゃ空に落ちちゃいそうだから下向きにパラシュートをひらく窓際に見える子どものキラキラを指で隠せば、いない、いない一滴。いま鏡さえ見なければ泣いてなかったことにもできるひ
2024年4月30日 09:09
X・TikTokで開催されていた、#ネット歌枕 という企画に参加していました。 ネット文化に最も浸かっていたのは、高校生の頃だった気がします。2chやニコ動など、今よりもくらいインターネットが賑わっていて、その淀みならではの魅力がありました。最近でもX上でのバズやミームも多数生まれていますが、淀みを楽しむのではなく正論で斬るような風潮もあり、かつての高揚は感じにくくなったような気がします。
2024年4月21日 16:41
短歌を詠むようになって、はじめての連作です。 国際宇宙ステーションは地表から約400kmの上空に浮かんでいて、それが東京大阪間くらいの距離と知り、遠距離恋愛の短歌を詠んでみました。 大阪住みの私からしたら、東京は意外と遠いし、宇宙は意外と近いです。テキスト「さみしい」の4文字をすぐ取り消してごまかすために送る「おやすみ!」落ちるっていうより落ち込むといったような感じで君に恋す