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『サージェント・ペパーズ』を褒めて、褒めて、ややディスる。(パート3)(全3回)

パート2の続きです!パート2はこちらから!!そんで、パート1はこちらから!!

 さぁさぁ、このシリーズもついに最終回になりました。あー、さみしー。

 そういえばどうでもいいんですが大学がはじまりました~。授業カレンダーには対面って書いてあったんですけど、蓋を開けたらけっこうオンライン授業ありました~~😢

 でもオンライン授業って、結局楽なんですよね。つまらんだけで。

 楽さを取るか、楽しさを取るか、みたいなところでしょ。対面とオンラインの違いって。奇跡的に漢字だって被ってるしね!!

 オンライン授業地獄を通して感じたことは、「楽」しさ、と、「楽」さっていうのは、似て非なるもので、絶対に両立できないってことですね。これを悟空さんに言わせると、

おめぇ、つえぇなぁ!!おら、わくわくすっぞ!!!

ってことですよね。悟空は強いからザコは楽に倒せるけど、彼にとっては楽しくない。強い敵は楽じゃないけど、彼的には楽しい。

あれ、、、ちょっと待って、、、

この理論、悟空みたいな人にしか成立しないかもしれない。

俺なんてスマブラ弱い人と戦ってボッコボコにするの楽しいもん(クソ)


はーぁ。さーて、ビートルズ評、はじめますか、、、

10.Lovely Rita

きたきたきたーーー!!!これだーいすきな曲!!!

なんかノリノリになれないかい!!!この曲!!!フゥー!!!

 歌詞自体はポールが得意の物語調で、それ自体はなんてことない(笑)ポールの曲の歌詞ってこういうのが多いんだよね。メロディはめちゃくちゃいいけど、歌詞は割と平凡みたいな。でも、英語話者じゃない自分からしたら、正直どうでもいいことではある。

 イントロからすごく引き込まれるんだよねー。この魅力的なアコギのアルペジオはジョンだと言われてます。でも、ジョージもアコギ弾いてたらしいから、こればっかりはなんとも言えんなぁ。これに並走するのがポールの撫でるようなピアノの伴奏。この二人の絡みからはじまるのがいいよね~~

 曲中のピアノソロも絶品ですよ。弾いてるのはプロデューサーのジョージ・マーティン。あえて遅いスピードで録音して、そのあと速くテープを回して再生する。それによってキーが上がると。こういう工夫でいいサウンドが生まれるんだね。うんうん。よくわからんけどさ。

 あとね、面白いのがね、途中に変な音、「ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥン」みたいなのが流れるんだけど、これは何の音なのか。Wikiを見てみよう。

ポール・マッカートニー - リード・ボーカル、バッキング・ボーカル、ベースギター、ピアノ、櫛とトイレットペーパー

ジョン・レノン - バッキング・ボーカル、ボーカル・パーカッション、アコースティック・ギター(リズムギター)、櫛とトイレットペーパー

ジョージ・ハリスン - バッキング・ボーカル、アコースティック・ギター(リズムギター)、櫛とトイレットペーパー

リンゴ・スター - ドラムス、櫛とトイレットペーパー

ジョージ・マーティン - 音楽プロデューサー、ピアノ(ソロ)

ジェフ・エメリック - レコーディング・エンジニア

(引用)
『ラブリー・リタ』の
Wikiページ



あれれぇぇ~おっかしいぞ~(少年名探偵風)

なんか知らない楽器ない?

え、櫛??トイレットペーパー??

 そう、この音は彼らが櫛とトイレットペーパーを組み合わせて作った即席楽器の音らしい。意味が分からない。あまりに天才だ。

 ちなみに、この「ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥン」みたいな音は「カズー」っていう民族楽器の音に似せたらしい。カズーは元々はアフリカの楽器で、黒人奴隷によってアメリカに持ち込まれたんだってさ。

 500円とかで買える安価な楽器で、練習もほとんどいらないらしい。そういう楽器の音を積極的に取り入れるところが好き。

 てかさ、安価で技術もいらない楽器って、、、

 フエラムネもいけるんじゃね???

 誰でもいいんで、フエラムネをフィーチャーした曲を作ってください。

 そうそう、あとこの曲の終わり方もすごく好きです。不穏で。

 なんかのセッションを切り取ったみたいなリアル感というか。すんなり終わればいいのに少し余韻を残して終わるのがいいよね。不気味な効果音入れてみたり。ジョンの声が目立つからたぶんジョンの発想なんだろう。そういうのがすごく好みです。

 とにかく、この曲にはこういう遊び心があるからすごく好きなんだよな~

 ビートルズを知らない人たちにぜひぜひおすすめしたい曲です。

 まぁ、ビートルズを好きになりたての人に、絶対にこのアルバムは勧めないけどね(^-^)

11.Good Morning Good Morning

 これもそんなに好きではない。歌詞にもそんなに深みは感じないな。

 ジョン作の曲で、当時の彼が抱えてた閉塞感とかが表現されているんだけど、それもあまりこの曲では巧みにできてはいないと思うし。("I'm Only Sleeping"とかはそれに成功している例だね)

 でも、転調する部分は割と好き。その部分のスピード感とリンゴのいつも通りの素晴らしすぎるドラミングで聴いてられるけど、割と退屈な曲です。

 あ、あと、ギターソロの部分も好き。疾走感あってね。テクニカルでね。こういうギターソロは大体ポールなんだよね。

 だって、ベース担当なのに、一番ギター上手いんだもん、、

12.Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)

 「ウェルカムソングがあるなら、グッバイソングもあるやろ!!」の一声で出来上がった曲。割と好きやで。

 最初の『サージェント・ペパーズ~』と比べるとテンポも速い。それプラス、管楽器が一切ない。あと、メイン・ボーカルはジョンだね。

 まぁ、これは次の曲の序章として聴いてくださいや、、次に控えるのはとんでもない怪物ですからね、、実際、曲同士つながってるからね!!自分も次の曲を聴くときはこれとセットで聴くことがけっこう多いです。

13.A Day in the Life

 この曲は、人によっちゃあ、今までの曲全部足してもこれには敵わないって言われるほどで、とんでもないやつですわ。

 ローリング・ストーンズの元ドラマー、故チャーリー・ワッツ(We miss you😢)も、ビートルズの曲は別に好きじゃないとは生前言ってはいたけど、この曲だけは称賛せざるを得ないって認めてました。

 それぐらいすごい曲だと。

 なにがそれほどすごいのか。

 それについては、死ぬほど語られてると思うから難しいし、音楽理論的なものは全然わからないので、本当に自分が思っただけのことを書くと、

ビートルズのヒットメーカー・チームのレノン=マッカートニーの一つの完成形、だと言い切れると思います。”I Want To Hold Your Hand"だったり、"She Loves You"みたいなところから勢いに乗り出して、このアルバムの前あたりから、完全に一緒に作るなんてことがなくなったわけだけど、この曲に関しては、「二人で作った」と断定することができると思うんすよ。

 その証拠に、二人の作品の典型的な特徴が歌詞にも歌い方にもよく表れてる。

 この曲自体は、ジョンのパートとポールのパートが完全に二分されてるんだけど、ジョンの気だるげな歌い方と、ポールのキリッとしつつ淡泊な歌い方、まったくテンポもリズムも歌詞のイメージも違うけど、うまくくっついてるのは彼らの力量の成果ではあるよね。

 歌詞もおもしろいんだよー。彼らの「最高傑作」とか言われてるのに、歌詞自体は「何を言ってるんですか?」って感じなのが彼ららしい。思い切って全文載せてみよう。

[John]
I read the news today—oh, boy
About a lucky man who made the grade
And though the news was rather sad
Well, I just had to laugh
I saw the photograph
今日新聞を読んだんだ
それは運良く成功をつかんだ男の記事だった
まぁその記事はどちらかと言うと悲しい内容だったんだけど
とにかく僕は、その写真を見て笑ってしまった

He blew his mind out in a car
He didn't notice that the lights had changed
A crowd of people stood and stared
They'd seen his face before
Nobody was really sure if he was from the House of Lords
彼は車の中で頭がおかしくなってしまって
信号が変わったことに気が付かなかった
たくさんの群衆が立ち止まってそれを見つめてたよ
「どっかで見たことがある顔だな」って
その中の誰も、そいつが上院議員だってことに気づかなかったみたいだ

I saw a film today, oh boy
The English Army had just won the war
A crowd of people turned away
But I just had to look
Having read the book
I'd love to turn you on
今日は映画を見たよ
イギリスの軍隊が戦争に勝つ話でね
みんなはどんどん帰って行ってしまったけど
僕だけは見続けたよ
前に本で読んだ内容だったからね
君を目覚めさせたいよ

[Paul]
Woke up, fell out of bed
Dragged a comb across my head
Found my way downstairs and drank a cup
And looking up I noticed I was late
Found my coat and grabbed my hat
Made the bus in seconds flat
Found my way upstairs and had a smoke
And somebody spoke and I went into a dream
起きろ!ベッドから飛び起きて
クシで髪を整える
やっと階段を下りて、お茶を一杯
見上げると、遅刻してるってことに気づいた
コートを取り出して、帽子をにぎる
なんとかバスには間に合ったよ
やっと階段を上って、タバコで一服
すると誰かが話しかけてきて、僕は夢の中へ

Ahh-ah-ah-ah
Ah-ah-ah, ah-ah-ahh

[John]
I read the news today—oh, boy
Four thousand holes in Blackburn, Lancashire
And though the holes were rather small
They had to count them all
Now they know how many holes it takes to fill the Albert Hall
I'd love to turn you on
今日新聞を読んだんだ
ランカシャーのブラックバーンに4,000個の穴が開いていたっていう記事
その穴はけっこう小さかったんだけど
あいつらは全部数える必要があったみたいだ
その調子じゃ今頃、アルバート・ホールを埋めるのに必要な穴の数まで把握してるんじゃないかな
君を目覚めさせたいよ

 これなんですよ。これが彼らの最高傑作と言われる曲の歌詞。

 これはいったいどういうことなんでしょうか。(困惑)

 歌詞については一回置いておいて、僕の考えを話すと、彼らがこのアルバムで一番気合入れて作った曲は間違いなくこれです。だって、Wikiに乗ってる演奏者数がダントツで多いもの。


ビートルズ
ジョン・レノン - 序奏部のリード・ボーカル、アコースティック・ギター、ファイナルコードのピアノ

ポール・マッカートニー - 中間部のリード・ボーカル、ピアノ、ベース、指揮者

ジョージ・ハリスン - マラカス

リンゴ・スター - ドラムス、コンガ、ファイナルコードのピアノ

スタッフ
ジョージ・マーティン - ファイナルコードのハーモニウム、指揮者、オーケストラ編曲

ジェフ・エメリック - レコーディング・エンジニア

マル・エヴァンズ - 目覚まし時計、カウント、ファイナルコードのピアノ

ジョン・マーソン - ハープ

エリック・グリューエンバーグ、グランビル・ジョーンズ、ビル・モンロー、ユルゲン・ヘス、ハンス・ガイガー、D.ブラッドリー、ライオネル・ベントリー、デヴィッド・マッカラム・シニア、ドナルド・ウィークス、ヘンリー・ダティナー、シドニー・サックス、アーネスト・スコット、カルロス・ヴィラ - ヴァイオリン

ジョン・アンダーウッド、グウィン・エドワーズ、バーナード・デイビス、ジョン・ミーク - ヴィオラ

フランシスコ・ガバロ、デニス・ビゲイ、アラン・ダルジール、アレックス・ニフォシー - チェロ

シリル・マック・アーサー、ゴードン・ピアース - ダブル・ベース

ロジャー・ロード - オーボエ

バジル・チャイコフ、ジャック・ブライマー - クラリネット

N.フォーセット、アルフレッド・ウォーターズ - ファゴット

クリフォード・セビリア、デビッド・サンデマン - フルート

アラン・シヴィル、ニール・サンダース - フレンチホルン

デイビット・メイソン、モンティー・モントゴメリー、ハーロルド・ジャクソン - トランペット

レイモンド・ブラウン、レイモンド・プレムルー、T.ムーア - トロンボーン

マイケル・バーンズ - チューバ

トリスタン・フライ - ティンパニ

マレイケ・クガー - タンバリン

(引用)
『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』の
Wikiページ

 こんなに外部アーティストを呼んでる。それプラス、この曲の制作風景を番組にもしようとしてたとか。ゲストに、ローリングストーンズのボーカルのミック・ジャガー、ギターのキース・リチャーズ、同じくギターのブライアン・ジョーンズを呼んで。ほら!気合入ってるでしょ~??その様子は、この曲のMVとして残されてて、YouTubeで見られるんでぜひ見てみて。

 あとさ、サイケが台頭していた時期だから作れた傑作だとも思うんだよ。サイケロックが流行して、実験的な音楽を作ることが一般化してきたロック業界の中で、一つの「正解」を示したというか。だから、今でもこうやって残り続けているんだと思う。

 こういう実験的で、長い音楽(このアルバムの曲はどれも2分半から3分半だけど、この曲だけは5分半ある)は後にプログレッシブ・ロックていう、長尺で壮大なロックのジャンル(代表的なバンドだと、ピンク・フロイドとか)として成立していくし、この曲みたいなふわふわした浮遊感のあるサウンドはニュー・ウェーブみたいなジャンルとして残っていく。いろんな音楽の分岐点ともなってるところも本当にすごい。

 そして、これほどの作品にこういう歌詞を載せて、タイトルを"A Day In The Life"、つまり、「人生の、とある一日」にするあたり。

 あー、天才。

 どれだけ泣かせる歌詞をつけようが、どれだけかっこいい歌詞をつけようが、どれだけ深淵で立派なタイトルをつけようが、この曲の持つ「強さ」と歴史的意義には到底敵わない。ビートルズが遺した、

 誰にでも起こりうるような一日、何気ない一日、きっとすぐに忘れてしまうような一日のエピソードを切り取って、それを壮大な一曲に落とし込んでしまう、このセンスよ。


 どうですか、みなさん。
 これが人類史上最高のバンドが産んだ、珠玉の最高傑作です。
 どうぞ、ご一聴あれ。


 まぁ、ここまでだらだらと書いてはきましたが、どうですか。書いてる方は楽しかったよ、すごく。ただ、僕は天性のめんどくさがりなんで、だるかった時もありましたけど、なんとかこうやって発表できて嬉しいです。

 ビートルズは自分の中で本当に大きくて、洋楽というかロックというか、そもそも音楽にここまでのめり込めたのはビートルズのおかげみたいなとこもあるんで。そこのきっかけも、今後書いてみようかなーと思います。

 ここまで壮大なアルバム評を書いたのは人生で初めてだったし、割と大変だった。けっこうだるいねんで、これ。いちいち調べて、何回も聴いて書くのは好きなんだけど、書きたいことが多すぎてここまで膨らんでしまいました。

 これからもこういうアルバム評とか、映画評とか、エッセイとか、文句とかいろいろ書いていくつもりですんで、ちょくちょくチェックしてくれたらうれしいですー!

 あと、お金くださーい(大声)

 次の記事は、「無駄」について書きます!
 詳細はまた明日!

小金持ちの皆さん!恵んで恵んで!