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設備設計一級建築士って、どんな試験??



1.はじめに

まずはじめに、設備設計一級建築士の制度は、2009年から始まり、施行されてから約15年が経ったこの資格。
3階建以上で5,000m2以上の建物の設計をする場合、設備設計一級建築士の関与が必要となります。

建築設計や設備設計の仕事をされていれば、聞いたことはあるけど、いざ取得するとなるとどんな試験??って感じで得体の知れない試験内容で不安があると思います。(自分もそうでした)

インターネットで調べても
『設備設計1級建築士修了考査は、法適合確認と設計製図の2つの区分で構成されています。 法適合確認は、設備関係規定について問われる記述式の試験で、空調・換気設備、給排水衛生設備、電気設備、輸送設備に関する問題が各5問ずつ出題されます。 考査時間は2時間です。』
とは言われても、法適合確認ってどんな内容?
設計製図ってどんな内容?って感じしません?

実際、自分も漠然と勉強を始めても最初は全容も掴めず、また、参考書なども書店に出ているわけでもなく、どんな勉強をしてよいか、さっぱりわかりませんでした。

しかも、9月中頃にテキストが届き、そこからの勉強をして間に合うのか?
テキストが届く前から始めたいが、何をして良いのか分からないって感じでした。

資格学校や、通信教材などの金額も調べたところ、法適合確認+設計製図で15万〜25万円くらいもかかる様なので、とても通う気にもなれませんでした。
一級建築士の取得の時などは、年齢的にも独身の方も多いと思い、自由に使えるお金もあり、通いやすいと思いますが、自分もそうですが、設備一級ともなれば、一級建築士を取得後5年も経っていることから、家庭を持たれている方も多く、そんなお金をかけるわけにはいかないと思います。
また、ただでさえ、受験料も高く、免許登録料も高いのに、その上学校なんて払ってられません。

そんな、資格を取得したいけど、学校に通う費用を節約したい方におすすめな記事や、過去の問題集や解答、インデックスの貼り方、テキストの書き込み方などを有料とはなりますが、学校などに通う費用に比べたら格段に安価な値段で提供して、この記事を見られた方、全員が合格できるようなアカウントにしていきたいと思います。

また、この記事では、自分が設備設計一級建築士を受験しようと思うが、調べても全容が見えず、同じように不安な気持ちを抱えている人が多くいると思い、そんな不安を取り除き、受験に向かえるような、不透明さを透明にできるような記事にしています。
(長文ですが、読んで頂けたらと思います)

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2.どんな試験内容?

前述の通り大きく分けて『法適合確認』と『設計製図』の2つがあり、どちらも基準点以上で合格となります。

受験する前までは、自分もその2つをすれば良いと思っていました。
ですが、実際は、『法適合確認』は良しとして、『設計製図』というのが厄介でした。

自分は、仕事上、意匠設計をしており、設備が専門ではないです。
設計製図は『電気か衛生か空調』を選ぶ様になりますが、主に設備設計をされてない方であれば、衛生を選ぶのが良いと思います。

さて先ほど述べました、『設計製図』の試験では、普段、設備図を書いていない自分にとっては、給排水衛生設備の平面図はまだ見ることはあっても、系統図はかなり敷居が高いものでした。
そして、平面図と系統図以外にも、各電気、空調、衛生についての記述の解答に加え、各機器の機器能力や容量の算出計算が必要な試験となります。
何度も言いますが、受験する前は、2分野(法適合確認と設計製図)をすれば良いと思っていましたが、何やら違うぞ?と気付き、設備が苦手な自分にとっては、先の見えない絶望感を感じました。

『設計製図』については要約すると、以下の様な感じです。

『設計製図』(給排水衛生設備の場合)
②-1.給排水の平面図
②-2.給排水の系統図
②-3.設備全般の計画の記述
②-4.給排水の機器能力の算出計算

この4つを習得していく必要があります。
言葉で言われても分からないと思いますので、設計製図の解答のイメージを添付します。

②-1.給排水の平面図


②-2.給排水の系統図


②-3.設備全般の計画の記述


②-4.給排水の機器能力の算出計算


3.試験までの流れ

(※自分が受講した時の流れなので、多少前後があるかもしれません)

①受講申込書受取【5月頃】
  ↓
②受講申込受付【6月中〜6月末頃】
  ↓
③受講票発行(通知)
 テキスト郵送受領【9月中頃】
  ↓
④講習(講義)の受講(3日間)【9月末〜10月初頃】
  ↓
⑤修了考査【11月中頃】
  ↓
⑥合格発表【翌年1月末頃】
  ↓
⑦免許証交付申請【1月末頃】
  ↓
⑧免許証受取【1月末頃】


4.いつ頃から勉強を始めれば良い?

前述した『3.試験までの流れ』で示した様に、テキストの配布から本試験までの時間があまりにもなさ過ぎます。
その期間は2ヶ月しか無い為、常日頃から設備設計をしている方なら設計製図などの時間もあまり勉強しなくても良いですが、全くの設備設計の素人にとってはその2ヶ月でなんとかするのは時間があまりにも短すぎます。
さらに、設備設計一級建築士の取得を考えとられる方は、もちろん一級建築士であり、また、業務に対しての意識も高い方だと思うので、日常業務が忙しく残業も多い方だと存じます。
自分も、中間管理職で残業、休日出勤などで勉強の時間が24時から1〜2時間という日々でもなんとか取れますので、ご安心を!
ただ、継続して勉強することは大事だと思います。

私は、受験する年の4月頃から勉強を開始し、受験申込の6月の頃(勉強を開始して約3ヶ月)には、『まぁー合格できるなー』という感じまで仕上げることが出来ました。

感覚的には、人それぞれだと思いますが、以下の様に思います。

【負け戦はしたくないタイプ(受験料も高い為、受験申込の際には、ある程度、この試験なら今年いけると確信が持ててから申込む方)】
(自分はこのタイプ)
→4月頃から始めれば試験申込の際にはある程度、仕上がって自信が持てている感じ。

【スタンダードタイプ】
→受験申込を行った後の7月からでも、試験までの5ヶ月ある為、問題ないと思います。

【短期集中タイプ】
→テキストを受領した9月から、約2ヶ月で。
 もちろん、設備設計をされている方であれば問題ないと思いますが、設備設計が専門でない方は、難しいのではないかと思います。
逆に落ちている方は、この時期から始めているから、受からないのではないかと思います。

よくよく考えたら、資格学校に行っていない、通信教材もないとなると、テキストが来る9月末まで、勉強のしようがないから、しょうがないといえばしょうがないですよねぇー。
合格率が40%くらいなので、受験者の半数の方がこのタイミングで勉強している人だと思うと、可哀想な気がしますね。

この記事に出会って、早く勉強が始められ、勉強の材料の入手もできるあなたはラッキーだと思いましょう!
(しかもここまで長い記事のこの辺りまで読んでるという方は、意欲がある方だと思います。まだ文章が続きますがお付き合いください。)

5.テキストの作り込みについて

試験は、法適合確認、設計製図共に、設備一級のテキストを持ち込む事が可能です。

その為、テキストのどこにどの様なことが書かれているかを把握し直ぐに開ける様にする必要があります。

ここで重要なのが、一級建築士の法令集のチェックの様な、一人一人のテキストをパラパラ見られて、不正な書き込みが無いかなど、その様なチェックも設備一級の試験ではありません。
逆に言えば、チェックがないという事は、テキストへの書き込みも問題なく、テキストへの書き込みなどは不正行為ではなく、むしろどれだけその人が勉強したかの証であり、どのようにテキストを作り込んでいくかが、合格の鍵を握っていると言っても過言ではありません。

特に、すぐに見たいところを見れる様なインデックス付けは必要不可欠です。
一級建築士の時のような資格学校で法令集へのインデックスの貼り方などを教えてもらえるわけでも無い為、特に独学の方は、どんなふうに貼ったら良いかも分からないと思います。
(※インデックスの貼り方などは、別途記事を作り、有料となりますが公開したいと思っております。)

また、繰り返しになりますが、前述した通り、テキストのチェックがないという事は、何を書いても不正では無いということでもあり、自分は設計製図の『給排水の平面図』、『給排水の系統図』、『設備全般の計画の記述』、『給排水の機器能力の算出』についても、製図の絵を書き込んだり、記述の答案解答をそっくりそのまま書けるように書き入れたり、そのまま数値を変えれば答えが出せるような書き込みをとにかく行い、テキスト無しには受からない様なテキスト作りをして、意匠設計者でありながら一発で合格することができました。

どの様な、テキストの書き込みを行ったかについては、具体的な書込みを掲載した記事を作成し、有料とはなりますが、公開していきます。

具体的にどの様な書込みを行ったかの参考の画像は以下です。

記述の参考解答書込み
EVの法適合確認用の要点
設計製図の平面図の作図参考

(本来のテキストの活用は、試験に合格する為ではなく、その先の、設備一級を取得した際に、設備の法適合確認などを行う際などに、実務で問題が無いかを見極めるための参考書となることも念頭に置いておくと良いと思います)


6.勉強方法について

勉強の方法についての説明ですが、自分は、ネットオークションで、過去の方が受験されたテキスト、何年分かの過去問と解答例を8万円近くで購入し、それを基に勉強を始めました。

やはり、過去の古いものでも実物のテキストが手元にあるのは大きかったです。
この記事を読まれた方は、初めての受験の方が多いと思います。
その為、実際のテキストが届くのは、試験の2ヶ月前になります。(どの受験生もみんなそうだと思いますが)
有料記事でテキストの書込み方を掲載していきますが、その記事を買われても、現物のテキストではなく、紙媒体を印刷して練習・勉強する様になると思います。

前置きが長くなりましたが、2.どんな試験内容?でも述べた通り、以下を満遍なく勉強していく必要があります。
①法適合確認
②-1.(設計製図)給排水の平面図
②-2.(設計製図)給排水の系統図
②-3.(設計製図)設備全般の計画の記述
②-4.(設計製図)給排水の機器能力の算出計算

法適合確認は、自分で書き込んだテキストの内容を見るというよりは、元からテキストに書いてある内容を把握して、問題とテキストとを見比べて数値の妥当性などを確認していき、不適合箇所を見つけて、記述解答することとなります。
これは、過去問を繰り返し練習することで身についていきます。
過去の問題集・解答も有料記事で公開していこうと思います。

②-1.給排水の平面図、②-2.給排水の系統図は、最初はトレースをして練習します。
何度かやっていくうちになんとなく覚えてきますので、問題文を見ながら、トレースを繰り返し最終的には、問題文を見て、テキストの参考の平面図、系統図を見ながら作図が可能になっていきます。

②-3.設備全般の計画の記述については、基本的に定型版になるので、テキストに定型文を書き込んでおき、本試験の際には、それを写して書くという感じでオッケーです。

②-4.給排水の機器能力の算出計算については、計算の練習が必要になる為、テキストに書き込んだ計算方法などを練習していくことが重要です。

勉強の流れとしては、やはり自分のテキストが9月頃に貰えることを、意識した勉強計画が必要になります。

例えば、4月から勉強を開始される方のイメージは以下の感じです。
4月 ①法適合確認の過去問
5月 ②-1.(設計製図)給排水の平面図
    ②-2.(設計製図)給排水の系統図
6月 ②-3.(設計製図)設備全般の計画の記述
    ②-4.(設計製図)給排水の機器能力の算出計算
    ①法適合確認の過去問
         (このタイミングでは②-3.計画の記述は
   あまり力を注がず、2〜3回模写しておく
   程度でこんな事書くのかー、くらいでOK)
※このタイミングで概ね、試験の全容が掴めると思います。
7月〜9月(テキストが届くまで)
   ①法適合確認の過去問
   ②設計製図
   を満遍なく行っていく!
9月末 テキスト受領後
   ・インデックス貼り
   ・記述書込みやマーキング
   ・講義受講(3日間)
※その後
   ①法適合確認の過去問
   ②設計製図 を満遍なく行っていく!という感じで、本試験に向かう流れが良いと思います。

自分は各過去問(約10年分)を3〜5周ずつくらい行い、本試験では、(結果は貰えないですが、)ほぼ、満点では?という感じで受かることが出来ました。

自分の勉強管理表



7.最後に

どんな試験でも同じですが、過去問を解いても最初の1回目では、法適合も、設計製図もサッパリわかりませんでした。

その際に、自分も、分からなすぎて、『無理かもー』という気持ちで、勉強していました。
ですが、2回目、3回目、他の年度の1回目など回数を重ねるごとに、自信に変わっていきました。

最後の方は、あえて、目新しい問題を解きたくて過去問1年分は、解かずにとっておいた問題も、余裕すぎて、『はい、はい、この問題ね!』みたいな感じで解けました。
本試験も同じ様な感じで受かる気しかしなかったくらい自信を持って受験できました。

誰でも最初は、さっっっぱり分からないです!
それでオッケーですので、そこで受験するのを諦めず続ければ、間違いなく受かりますので、一緒に合格を勝ち取りましょう!!

とっっっても長ーい記事となってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!

また有料記事のご購入の方も、どうぞ、よろしくお願い致します。

最後に、皆様の合格を記念しております。


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