一切喝采
親友だと勝手に思っていた人が、死んでしまった。つらい。
そんなに話したことはなかったし、父親が早くに死んだことさえも知らなかったけれど、クラスの中で一番信頼できる人だった。
だってその子は、差別しない人だったから。
金持ちも貧乏も賢い子もバカな子も分け隔てなくバカにして、イヤなことをしてくる。
「は? なんでいるの?」
その子に言われた最初の言葉はそれだった。
でも、それから、フードコートで一人ファーストキッチンのスイーツを食べているとき、隣に座ってきてくれた。だから好きになった。
「つまんない人生でしょ」
「…………」
何にも答えられなかったけれど、その子もきっとそう思っていたからアタシにあてつけがましく言ったと思うの。
人って思ってないこと、感じたこと内は口に出せない。
それにしてもずるい。自殺しようとしてたアタシより先に自分で命を絶つなんて。
葬式で笑っていたことを誰かに気づかれたかもしれない。でも、気にしない。
アタシは親友のいじめっ子が死んだ理由を、原因を探すことにした。
初めての上京だった――。夜行バスで電信柱に叩きつけられた夢を見た。
人は体験したことあることしか夢に見ない。
そう、その子にやられたんだ。
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