セタガヤババア

年を取ってきたので備忘録、その他。ババアは性別年代を表す便利な3文字。

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最近の記事

【舞台】世界は笑う(2022年8月26日)

久しぶりに心から楽しめる舞台で満足!俳優のトリセツを観客に瞬時に提示する演出手腕、ベタなようで緻密な舞台美術のおかげですっかり観客が一体となり圧巻・・・。舞台を見るのが初めてならこれをお勧めしたい。いい意味でウェルメイド。 あと2か月後にKERA・MAPもあるのに、いったい何作書くんだろう・・・、と毎度心配になるペースだけど、今回はおなじみの戦後モノだし、まあ何となく無難な感じなのかな・・・、と期待半分という具合で参戦。 平日夜だったしなんとなく気分も乗らないまま、でもい

    • 【舞台】もはやしずか(2022年4月8日9

      演技巧者・脚本がそろい踏みの濃密な時間、それを間近で共有できる小さい空間。なんというぜいたくな舞台。こういう芝居があることがエンタメの豊潤さだと思うけど、見た後のストレスが半端ない。 世田谷シアター・トラムは、客席数も少なく座席も固く、ドーンと派手なお芝居というよりはテーマや出演者なども挑戦的な作品が見られるいい劇場だ。 昨年から橋本淳さんの演技が気になっているのを友人が気にかけてこの舞台を教えてもらい、ダメもとでチケットを探したら全然余裕だったので、急遽観劇。平日という

      • 【舞台】next to normal(ネクスト・トゥ・ノーマル)(2022年4月2日)

        ポスターの紫色の意味、最初の妻の赤いドレスと最後の夫の赤いシャツ。オフブロードウェイらしい狭い世界の深い話。 一方、ロック調ありミュージカル調ありのショーアップもあるきちんとしたミュージカル。曲が素晴らしいのと海宝さんがいい意味でバケモノすぎて・・・。胸板・・・。 タイトル通り、「ノーマルっていったい・・・?」「ノーマルでいるべき?」などなど普遍的な悩みについて、一つの家族をめぐる物語。わかりやすく悩んでいるお母さんと、それを支える夫、家族。そして精神科医と、娘の友人。

        • 【映画】ビルド・ア・ガール(2022年3月1日)

          90年代っぽいポップで明るい映画かと思ったら、きちんとした心理描写と繊細な脚本・構成でガッツリ泣いてしまった・・・。90年代に青春を(特に田舎で)過ごした人(特にサブカル好き)なら共感するのでは。 「ブックスマート」がとてもいい映画だったので、同じくビーニー・フェルドスタインが主演を演じると聞いて、本来は映画館に見に行く予定だったのだが、あれこれあって見逃していた。Netflixで早くも配信開始していたので(いいのか悪いのかはわからんが)、助かった。 実在するイギリスの音

        【舞台】世界は笑う(2022年8月26日)

          【舞台】三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち(2022年2月15日)録画

          歌舞伎役者って、一言発するだけで何もかもをひっくり返すくらいの力を持った特別な存在・・・。実際に舞台で見たら号泣しちゃってただろうなあ・・・。みたにかぶき つきあかりめざすふるさとううんじたち シネマ歌舞伎の録画を見たので、複製技術時代の芸術、みたいになっちゃっているけど、それでも十分に舞台の勢いは伝わってきた(と思う)。 三谷かぶきとしては2作目ということで、しかも幕末から明治維新を描いたマンガ・みなもと太郎の「風雲児たち」を土台に、あの大黒屋光太夫を主人公とした話、と

          【舞台】三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち(2022年2月15日)録画

          【舞台】ミュージカル ゴヤ(2022年2月13日)録画

          山路&キムラの圧倒的な熟年の魅力・・・。 美術にそこまで詳しくないので、ゴヤと言われるとあのサトゥルヌスの絵くらいしか知らなかった。以前山田五郎氏のYouTubeで、いわゆる反体制派画家といわれている、という世間でのイメージを初めて知ったくらいだ。(そのYouTubeでは、そのイメージとは少し違うのでは、という解説だった。) このミュージカルではまさに、彼が宮廷画家として「のし上がりたい!」という野望を抱きながらもがき、打ち砕かれ、立ち上がるという様子を、友人役の小西遼生

          【舞台】ミュージカル ゴヤ(2022年2月13日)録画

          【映画】きみに読む物語(2022年2月13日)

          若い時代に大切な恋愛をした人にとっては、とてもいい映画なんだろう。そうではない私にとっては、老いとお金の関係に気持ちがフォーカスされた・・・。小説を読んだ方が感動するのかも・・・? 感想サイトでの評価も高いし、内容も素敵なラブストーリーで、映画としてもよくできていたけれど、ただ単純に私向きではなかったかな・・・。映画はキャッチコピー通り、純愛、なので、これは相性だな・・・。 友人に「絶対泣ける!みたら感想を教えて!」と勧められてしまったので、どうやって伝えようか思案中・・・

          【映画】きみに読む物語(2022年2月13日)

          【映画】エール!&Coda コーダ あいのうた(2022年2月12日)

          フランスとアメリカ、映画作りなのかあるいはそもそも感動するポイントなのか、とにかく両者の違いがよく表れている。個人的には「Coda」の映画としての出来が素晴らしいと思った。 映画感想サイトなどでも多くの方が同じ導線でこの2つの映画を見ているようですね。私もその一人です。「Coda」という映画は、数年前のフランス映画を元にしていて~~、という宣伝(?)に影響されてまんまとアマプラでまずはもとになったフランス映画「エール!」を鑑賞。 ストーリーはすごくいいお話なのに、細かい部

          【映画】エール!&Coda コーダ あいのうた(2022年2月12日)

          【舞台】SLAPSTICKS(スラップスティックス)(2022年2月11日)

          後半の抒情的(メロ)部分が素晴らしかったので、前半が惜しい!はんにゃ金田さんにあんなに泣かされるとは・・・。うう・・・。 昨年、ミュージカル「ジャック・ザ・リッパー」でみた小西遼生さん×木村達成さんの組み合わせで、大好きなケラさん作品の再演(KERA CROSS(ケラクロス))ということで、チケットを取った。が、正直なところ、いくら好きだといってもケラ作品にも好き嫌いあるし、ポスターから醸し出される感じ(イケメンが二人!と美女!)は私向きではないなあ、と及び腰だった。残念な

          【舞台】SLAPSTICKS(スラップスティックス)(2022年2月11日)

          【映画】否定と肯定(2022年2月8日)

          昨年初めて観た際は、アンドリュー・スコットのかっこよさにばっかり気がいってしまって、かつ内容が何だか難しくて映画としての感想は、ネット上でもろもろ皆さんがアップされている素晴らしい解説や感想を読み、「へぇそうなのか・・・。全然わからんかったよ」というものだった。 今回は、映画公開時からかえってどんどん悪化する「言ったもん勝ち」の風潮について、いま再びこの映画を見たほうがいいのでは、というTwitterで流れてきたコメントを読んで、私も再視聴することにした。 解説などで言及

          【映画】否定と肯定(2022年2月8日)

          【舞台】SINGIN' IN THE RAIN ~雨に唄えば~(2022年2月6日)

          ブロードウェイに負けじとトーキー映画にチャレンジするハリウッドの様子、を描いた映画を、ブロードウェイが舞台化した、っていうのを渋谷でコロナ禍に観劇する、っていう喜び・・・。 アダム・クーパー、もう50歳なのか・・・。確かに往年のキレッキレと比べるとアレだけど、でも最後となる今回の公演で来日して、何とか幕があがってよかったよ・・・。講演開始時の1月はまるっと中止になってしまったようで、運よく2月公演チケットだったのでみることができた。 ミュージカルはあんまり馴染みがないけど

          【舞台】SINGIN' IN THE RAIN ~雨に唄えば~(2022年2月6日)

          【映画】空白(2022年2月1日)

          前半の細かいエピソードの積み重ねが後半でぐっと動き出すけど、店長の行動と後半の父親の改心がよくわからず。片岡礼子さんが画面に出るだけで説得力が増すのは何なんでしょうね、すごい。 漁船のシーン大変そうだなあ、と思いました。気を抜くと手指をなくしたりすると聞くし、俳優さんが一朝一夕にできるもんでもないと思うのですごいなあ、と。 しかし、思春期の女子中学生がお父さんと二人暮らしって、なかなかきついだろうな。成長期だけど自分でもわからないから不安だろうし友達に相談できない子も少な

          【映画】空白(2022年2月1日)

          【舞台】マーキュリー・ファー(2022年1月31日)

          今年初観劇はこれ。美しい容姿で演じられるからこそ持つ魅力。初演もみたかったなあ・・・。 自分の容姿にも興味がないし他人の判断にも容姿の優先順位が高くないうえ、性的な意味でも容姿の優先順位が高くない(むしろ低い)ので、芸能人はだいたいだれでもかっこいいし美人だなあ、とざっくりひとくくり。 とはいうものの、客観的に見てやはりキレイな顔立ちというものは存在する。好みとかいろいろあるんだろうけど、好き嫌いは別として美しい人というのは男女関係なくいるものだ。そして、その価値は本当にす

          【舞台】マーキュリー・ファー(2022年1月31日)

          【本】ふたりの証拠、第三の嘘(2022年1月30日)

          こ、これは続編を読んだほうがいいと私は思うよ、長谷川さん・・・。でも、40代を過ぎてからでもいいのかな・・・。 「バーナード嬢曰く。」で長谷川さんが断固拒否したあの続編。アゴタ・クリストフの「悪童日記」とその続編的存在の「ふたりの証拠」「第三の嘘」。 小説読みではないので今まで読んでこなかったけど、友人二人に勧められたので読むことに。「悪童日記」はなんだかぴんと来ず、中高生が好きな感じの話だな、と思ったら、「ふたりの証拠」の途中で思わぬ展開に声が出てしまった(駅のホーム深

          【本】ふたりの証拠、第三の嘘(2022年1月30日)

          【本】カササギ殺人事件(2022年1月17日)ヨルガオ殺人事件(2022年1月26日)

          久しぶりに小説読んだけど、面白いな~。海外旅行行きたいな~。 エンタメとか表現において、フォーマットというものが重要だな、と常々思う。「カラマーゾフの兄弟」のドラマ版や映画版を見ても途中で寝ちゃうのは(私だけかもだけど)、内容は大して興味をひかないからだ(亀山郁夫先生にわかってないなと言われそうだけど)。でも、小説だと人の悪口の描写がこれでもかというくらい細かくて面白くあっという間で、それを読んでいるだけでもう十分で内容なんてただ人物を描くための舞台に過ぎないな、と思えてく

          【本】カササギ殺人事件(2022年1月17日)ヨルガオ殺人事件(2022年1月26日)

          街中で続いてく暮らし

          コロナが広がって2年を経過し、暮らしはすっかり様変わりした。 中高生のころ、60年代・70年代の学生運動の映像や雑誌などの資料を見るたびに、「反抗できるほど恵まれてるってなんかのんきだなあ」と思ったし、「深夜特急」を読みながら「帰れる家があるエリートの発想だな」と斜に構えていた。 なので、小沢健二の「ぼくらが旅に出る理由」を初めて聞いた時、「街中で続いてく暮らし」という歌詞で思わず泣いてしまった。子供のころはあぶらだこや原爆オナニーズが好きだったのに、まさか渋谷系で泣くとは

          街中で続いてく暮らし