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【映画】きみに読む物語(2022年2月13日)

若い時代に大切な恋愛をした人にとっては、とてもいい映画なんだろう。そうではない私にとっては、老いとお金の関係に気持ちがフォーカスされた・・・。小説を読んだ方が感動するのかも・・・?

感想サイトでの評価も高いし、内容も素敵なラブストーリーで、映画としてもよくできていたけれど、ただ単純に私向きではなかったかな・・・。映画はキャッチコピー通り、純愛、なので、これは相性だな・・・。
友人に「絶対泣ける!みたら感想を教えて!」と勧められてしまったので、どうやって伝えようか思案中・・・。

巷間では「命短し恋せよ乙女」、と言われるしその通りだと思うけれど、個人的には、短い命だからこそ恋ばっかりしててもなあ、と思ってしまうほうなので、かつすでにババアなので・・・。恋愛が大切な人はすればいいし(というかしちゃうんだろうし)、旅行だってスポーツだって、将棋だって、ゲームだって、なんだって若いうちに打ち込むことがあるのはいいことだ。

そう、この映画は、「青年時代に恋に打ち込んだ男女の物語」です。甲子園を目指すドラマや花園を目指すドラマや東大を目指すドラマと同じように、恋愛に打ち込んだ男女の物語。それを年を取って思い出している、という構成です。
野球やラグビーや東大受験をしたことがなくても、そういったドラマでは共感できるポイントがある、要素として恋愛や友情、困難へのチャレンジなど普遍的な人間の行動が描かれるからだ。

一方この映画は、その「要素」のみが「主題」になっているので、「要素」自体に興味共感がない人間からすると、まったく入り込めない。野球ドラマで野球自体のことしか描かなかったら、野球を知らない人がみても理解できないでしょ?「この場面でまさかバントとは・・・!次はどう攻撃する?どう守る?」が延々と続くとか。「ドカベン」や「キャプテン翼」や「スラムダンク」などなどスポーツマンが出ももちろんそういう見せ場はあるけれど、それはそのスポーツ自体に認知がある、あるいは細かいところを伝えてスポーツ自体の魅力を知って欲しい、という意図があるだろう。

つまり、「恋愛」自体が、人間に共有された感覚である、という前提のもとに作られた映画なんだろうな。「みなさん誰でも経験した”恋愛”について、これから純愛をご覧ください」というスタンス?
純愛と言えば、とてもピュアな純愛マンガ「エマ」を読んだときは、恋愛に興味がないにもかかわらず号泣してその日は目が開かなかった。
この二人の出会いはいわゆるひとめぼれだしありきたりなんだけれど、男女の生い立ちや人生において大切にしていることなどが丁寧に描かれるから、二人が多くを語らなくても惹かれあってしまうということに説得力があった。恋愛でなくても、そんな相手に出会えたらどんなに幸せだろうか、と思わせられたのだ。

一方、この映画もひとめぼれから強引に付き合い始めて、という「グリース」のようなものなのだけど、まあ、ナンパで付き合って結婚すると意外と長続きする、という俗説も聞いたことがあるし出会いは何でもいいんだけれど、映画で見せられるほどでもない、普通の話なんだよなあ。

ババアとしては、置いていく中であんなにリッチなスーツやジュエリーを身に着けて優雅な施設で優雅に余生を送れているこの2人がうらやましくて、あんな老後を日本で迎えられるんだろうか・・・、と思って泣けてきました。


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