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【本】カササギ殺人事件(2022年1月17日)ヨルガオ殺人事件(2022年1月26日)

久しぶりに小説読んだけど、面白いな~。海外旅行行きたいな~。

エンタメとか表現において、フォーマットというものが重要だな、と常々思う。「カラマーゾフの兄弟」のドラマ版や映画版を見ても途中で寝ちゃうのは(私だけかもだけど)、内容は大して興味をひかないからだ(亀山郁夫先生にわかってないなと言われそうだけど)。でも、小説だと人の悪口の描写がこれでもかというくらい細かくて面白くあっという間で、それを読んでいるだけでもう十分で内容なんてただ人物を描くための舞台に過ぎないな、と思えてくる。
創作論とか芸術学とかだといろいろ明確な理論や説などあるんだろうけど、そういうのはわからない。

ミステリ小説って、たいていトリックがなんだの過去のアレコレと似ているだの、外野がうるせーな、っていう印象で読む気がしない。ラーメンとワインとフィギュアスケートについてうんちく語る人が多すぎて楽しめないのと似ている。
どうせ読むなら長い小説のほうがいいと思っているので、「年間読書量が~~」というニュースに年末ギクッとしないよう、今年はこのシリーズ計4冊で一気にカサを増すことにした。

名前覚えるの苦手で小説をあんまり読まない方だが、これはまあまあ覚えられますよ。どこかで「名前覚えられない」っていう感想を見たけど・・・。何度も同じ人と同じシチュエーションでかなりわかりやすく人物を描写しています。一人称の地の小説と、作中劇となる三人称の部分と、の入れ子構造でミステリーを単純に2回楽しめるうえ、その関係を何かな~、と考えられるし、軽く楽しめるいい小説でした。翻訳もこなれてるし。
特に一人称の主人公スーザンが相手を心の中で描写する嫌な感じは小説でならでは、という感じで、小説を読む意味、というと大げさだけど、ドラマや映画とは違うフォーマットならではなんじゃないかと。これだけの情報量を自然に映像にするのは無理だし面白くならない。たった上下巻でこの描写ができるのが、小説。

と、そこまでほめるものでもなかったけど、一番好きなエンタメフォーマットがドラマなので、たまに小説を読むとそれはそれでいい体験だったなあ、というだけの感想でした。
今度ドラマ化するようだけど、それはそれで、ドラマというフォーマットのなかでどう表現するのか、楽しみでもある。


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