見出し画像

[ITIL入門⑦]多面的に捉える

ITIL入門シリーズ第7回は、「多面的に捉える」です。

ITサービスマネジメントの仕組みを設計する際に、業務フローと手順書があればとりあえず運営できると思われている方が多いのですが、実際はそうではありません。

顧客の求める価値を実現するために、ITマネジメント業務を運営していくためには、その運営を構成している要素を多面的に捉えて設計する必要があります。ITILでは、その要素を多面的に捉えるための観点を4つの側面として定義しています。

4つの側面とは、「1.組織と人」「2.情報と技術」「3.パートナーとサプライヤ」「4.プロセスとバリューストリーム」です。

こららの各側面が、サービスマネジメントを実践するにあたり、どのように影響するかを分析し、その組織にとって最適解を定義する必要があります。(ITILの事例をそのまま適用してはいけない)

[4つの側面]

1.組織と人
組織の構造、役割と責任、文化、必要なスタッフの配置とスキル・能力など

2.情報と技術
管理対象となる情報やナレッジ、サービスマネジメントを支える技術(ワークフロー、ナレッジベース、分析基盤、クラウドなど)、各システム間の関係

3.パートナーとサプライヤ
依存しているパートナやサプライヤ、その契約内容、役割分担、サービスレベル、サービスインテグレータなど

4.プロセスとバリューストリーム
合意された目標を達成するために必要な活動、ワークフロー、コントロール、手順など

個人的には、これに加えて「5.戦略およびガバナンス」、外部環境分析(PESTLE分析)の視点を加えて、検討にもれがないように影響分析を実施しています。(以下、ITIL4で変更した部分の補足説明)

このように、業務フローや手順といった部分的な設計で終わらせることなく、4つの側面で多面的に捉えることが、効率的・効果的にサービスマネジメントを設計・運営するためには重要となります。

本日は以上です。ありがとうございました。




この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?