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企業理念を作ったその後の話 #メンバー座談会

こんにちは!
株式会社セプテーニ・クロスゲートのnote編集チームです。


2021年10月、当社は
アイデンティティ・ビジョン・ミッション・コンセプト・バリュー
これら5つの言葉を企業理念として策定しました。

企業理念

▲言葉の1つ1つがどのような定義をもち、どのように結びついているか表した図解

※下記書籍の文中に登場する図解を参照し作成しております。
出典:『THE VISION あの企業が世界で成長を遂げる理由』(朝日新聞出版 2019年)


今回、企業理念の策定プロジェクトの振り返りもかねて
言葉を作ったその後について話そうと、策定メンバーでの座談会を企画してみました。

策定メンバー

▲策定メンバー(画像左から)

石山 結稀  2016年入社 アカウントプランニング部
小川 必人  2017年入社 データソリューション部統括
棚橋 京士郎 2011年入社 アフィリエイトマーケティング部統括
佐々木 貴之 2006年入社 コンサルティング部統括
岩﨑 友理子 2005年入社 事業推進部統括
小林 晃嗣  2015年入社 アカウントプランニング部統括

(進行:note編集チーム)


・・・

―― 今回の策定プロジェクトは、代表高野さんとマネージメント層である皆さんで言葉を作り、全社へ浸透させていくというプロセスとなっていますが、プロジェクトメンバーとして、どのような気持ちで参加されていたんでしょうか。

小林:
ビジョンを決めていく上で、背伸びをしすぎるとすごく遠い言葉になるし、コンサバに考えすぎると、今から予測できるような範囲の中でしか言葉が出てこないと考えていたんです。なので、自分が本当に理想だと思える未来像で、且つ根源的なもの、例えばアフィリエイト事業や広告事業をどうしたいという話よりは、社会がこうなるといいよねといった未来を考えようという意識でいました。
とはいえ、あまりにも現状とかけ離れていたり、勢いだけで世界を救うみたいなものにならないよう、常に理想の未来像とセットで、実際に決めた言葉を使うシーンであったり、クロスゲートのみんなの顔を思い浮かべながら、言葉を選んでいこうと考えていましたね。

石山:
私も、ただ置いてあるだけのビジョンにならないようにと、意識していました。事前に他の企業のビジョンを比較してみたり、策定メンバーで関連書籍などを読むといった準備もしたのですが、その際、ビジョンからどういう一枚絵が浮かぶかがとても重要だということを知ったんです。
言葉が机上の空論にならないよう、実際の策定プロジェクトに参加していないメンバーであっても、作られたビジョンから、こういうことを目指してるんだなとイメージできるようなものにしていきたいと思いました。

小川:
感情としてはワクワクして参加していました。僕自身、入社1年目の頃から、会社にビジョンがあった方がいいなとずっと考えていたんです。現メンバーはもちろん、これから入ってくる新しいメンバーに対しても、何らかのアクションであったり、意思決定で困った時、心の支えとなるようなビジョンがあれば、きっとよりよい成果を生み出す環境が作れると思いまして、参加するならば、そんな言葉を作りたいと考えていました。

佐々木:
僕は、過去にグループの7th codeプロジェクト第一期(セプテーニグループの企業理念・行動規範を浸透させるグループ横断企画)も経験しているのですが、参加メンバーから様々なアイディアが出てきて、形になっていくことに非常にワクワクしたんです。同時期に、クロスゲートでも通年のスローガンの浸透に取り組みはじめ、言葉が会社の力になっていくことを実感していたので、ビジョンやアイデンティティというものが文言化されたら、きっと強みになるだろうと思っていたんです。
その取り組みに参加できることになり、すごく楽しみにしていましたね。

座談会1


―― ワクワクされていたという話が続きましたが、皆さん同じ気持ち?

小林:
僕は、「ようやく道を決められる」「ずっと宙ぶらりんになっていたことを話せる」という喜びと共に、完成度を高めなきゃいけない、何がよいだろうかと苦しんだ気がします。。

棚橋:
僕自身も正直なところ、ワクワクよりもプレッシャーでしたね。ただ、最初にプロジェクトメンバーの目線を合わせるために、共通の本を読んだりして進行していったことがすごくよかったです。よりメンバーに伝わる言葉選びだったり、定義の部分をしっかり固めないといけないと、意識しながら参加していました。

岩﨑:
私も、何年も前からずっと待っていたプロジェクトでしたので、「いよいよこのタイミングが来た」という気持ちと、「ここで作る言葉がこれから軸になっていくものなんだ。きちんと作れるだろうか、、」というプレッシャーの方が大きかったですね。

―― 策定プロセスにおいては、このメンバーで多くのワークに取り組んでいただいていましたよね。策定で難しかったこと、また印象的だったエピソードなどがあれば教えてください。

座談会2

小川:
僕らの事業は、何かのプロダクトを売っているわけではないので、どうしても言葉の抽象度が高くなってしまう傾向がありましたね。具体的すぎず、抽象的すぎず、絶妙なラインにおくのがなかなか難しかったです。どうしても、伝えたいことや入れ込みたいことが多くなると、言葉が長くなってしまうので、そこからいかに引き算するかが大事だなという気づきもありました。

石山:
私もワーディングが難しかったですね。メンバー全員の方向性が揃ってきた感覚があっても、それをどう落とし込むかのところが本当に難しくて、、加来さん(サインコサイン社代表)に入っていただきありがたかったです。

岩﨑:
ワーディングは難しかったですよね。出せば出すほど、「それだ!」に近づかなくて、、また、ワーディングの過程をファシリテーションするスキルと、実際にワーディングをするスキルはまた別ものだということも実感しましたね。進行役のENERGIZE様と、加来くんが入ってくれなかったら、決められなかったかもしれません。

株式会社ENERGIZE
"WORK IS AWESOME"をビジョンに掲げ、人と組織のIMPACT,PERFORMANCE,HAPPINESSに関するリミットを外すことをミッションに、組織づくりや経営課題解決のコンサルティング支援を行なっている。当社の組織づくりにおいてはお馴染みのパートナー企業様。
株式会社サインコサイン
2018年4月にセプテーニグループの新規事業コンテストを経て設立。「自分の言葉で語るとき人はいい声で話す」を信念に掲げ、様々な共創手法を用いたブランドアイデンティティ構築やインナーブランディング領域を中心に支援を行っている。


―― たしかに、言葉を作ることと、合意形成させるということは全く別の作業になりますね。

佐々木:
合意形成で思い出したのですが、必人が言ったように、抽象的過ぎて迷走するシーンはたくさんあったけれど、例えば、岩崎さんの腕時計のエピソードのように、何かを買って心はずんだという実体験の例が1つポンと出ることで、「あ、それ俺も」と一気に話が広がって前に進むといった手応え、すごく気持ちよかったですよね。ふわふわっと抽象的だったものから誰かの具体的な話という、抽象⇔具体の行き来をみんなすごく意識して話してましたね。

小林:
僕は、アイデンティティのすり合わせがとても早かったことが印象的ですね。特に、”真摯さを研ぎ澄まし”というフレーズが出てきた時、みんながこれだなと一致した瞬間、すごく覚えています。
合意形成が難しかったのは、ビジョンですね。言いたいことはこうなんだけど、言葉に起こすとちょっと違うということが後半まで続いていて、例えば、”心はずむ「買う」があふれる社会”、初見でこれだなとは思わなかったのですが、ディスカッションを通して理解が進んだことで、やっぱりいいなと思えた言葉でもあります。

座談会3


―― ちなみに、皆さん自身は、今回作った企業理念はどうやったら社内で浸透していくと考えていますか。

小川:
接触回数を増やすというアプローチも必要ですが、僕らのようなメンバーによく話す人達が言葉を使い続ける必要があると思っています。言葉にするだけでなく、行動に表して、その結果、ビジネス上で何かしら成果が出るといった、行動がビジョンと1本の線で繋がるような事例が発生していくことで、どんどん浸透していくのではないでしょうか。

ちょうど、アカウントプランニング部の方たちがSlack上でOSやビジョンに絡めた発信をしてくれているのも、よい取り組みだなと思いました。ただ一方で、全体に浸透させるという意味では、あの人達だから、あのチームだから体現できるというような、気持ちの乖離が生まれないような工夫もしていかないといけないとも感じています。

OS投稿

▲Slackを活用したエピソード投稿
クロスゲートOS(バリュー)の体現事例を紹介する内容になっており、社内からも反響が大きかった。

―― アカウントプラニング部のSlack投稿は、OSに絡めて具体的なエピソードを上げて紹介してくださっているので、言葉が活きているということがわかりやすく伝わりますよね。どういうきっかけで始まったのでしょうか。

石山:
在宅勤務でオンラインでのコミュニケーションが続く中で、他部署の情報がなかなか見えにくいという課題がありまして、「チームとしてやってきたことを、数字だけじゃなくてアクションベースで知ってもらうことで、それがお互い刺激になったり、全社に広がればいいよね」と話しあって始めたものなんです。

座談会4

小林:
ビジョンをもつということは、やはり同じ一枚絵を共有し合うことだと思うので、掲げた言葉への接触回数を増やすだけでは、意味がないんだろうなと思っています。
描きたい未来像を達成するために辿っていくのがミッションであって、”つながりをデザイン”するとは何なのか、”Your Choice is Happiness”になっている社会とはどういう状態を指してるだろうかと、もっとストーリーに起こして「俺はこうなってるといいと思うんだよね」などと、僕らマネージメントレイヤーが発信していることも重要なんだろうなと思います。

岩﨑:
私もマネージャーやリーダーたちがどれだけ語っていくかにかかっていると思っています。マネージャー自身が、ビジョンが自分にとってはどういうことなのか言い切れる状態になっていないといけないと思いますし、強い思いで日々の業務やメンバーの指導にあたるというスタンスを見せていく必要があると思っています。

私が入社した頃は、”強く偉大な会社をつくる”(セプテーニグループビジョン)、”ひねらんかい”(セプテーニグループ社是)といったそれぞれの言葉は、先輩に教え込まれたんですよ。

当時でいうと、必ず何かの発表の際は、強く偉大な会社をつくるという言葉で締めくくるというようなことを繰り返していましたし、日々の指導の中でも、先輩から「お前、それ全然ひねってない」と、しょっちゅう言われていたんです。だから言葉が染み込んでいて、先輩たちから脈々と受け継がれて渡されてきたという感覚がありました。
今度は、私達がそういう立場になって、次の世代に渡して、その子達がまた次へと連鎖して行くことが理想だなと思っています。


―― 企業理念を掲げて約3ヶ月ですが、
皆さん自身のマネジメント現場で、言葉があることによる変化はあるのでしょうか。

石山:
正直、まだビジョン・ミッションは、「この言葉があることによってどうするのか」というところまで落とし込めておらず、メンバーとも会話できていませんので、やっていかないといけないと思っています。
一方で、クロスゲートOS(バリュー)の”ないものは学ぶ・巻き込む”であったり、コンセプト に含まれる”EXECUTION(=実行)”とか”DATA”といった言葉などは、メンバーとも共通言語になっていますし、さらに意識するようになりましたね。

小林:
最近、「エグゼキューション!」って、よく飛び交っているよね!

―― 現場でも理念ワードを使ってコミュニケーションしようという意識が増えてきてるのでしょうか。

石山:
そうですね。今期は特に新しい取り組みが多く、やらなければいけないことがたくさんあるけれど、まだまだノウハウがなく、新しく学んでいかなければ前に進まないという状況ですので、”ないものは学ぶ・巻き込む”などは積極的に意識していると思います。

小川:
僕らのデータソリューション部門でいうと、コンセプトの”(everyone with) DATA”と、通常の業務がそのまま重なっていますので、重大なミッションを担っているという認識を持ちながら、日々チームで仕事ができるということが、すごく大きな変化だと思います。また、社内よりもグループ内の別の会社との取り組みがメインになるため、ミッションの”つながりをデザインする”ことをかなり意識するようになりました。

ただ一方で、ビジョンの”Your Choice is Happiness”に対してのアプローチはできていないので、今後は本気で向き合えるような場面を増やしていかねばと考えています。

―― 確かに、各部門によっても、身近でより自分ごと化しやすい言葉とそうではない言葉がありそうですね。他の部門の方はどうですか。

小林:
バリューとコンセプトに関しては、どちらも現在地点にある「今使える言葉」だと思うんですよね。チーム内で使っているシーンもよく見かけますし、意識的に”EXECUTION”なども使っていきたいと思っています。

また、チームを運営したり、代理事業の未来を考える上では、”つながりをデザインする”ことを意識する瞬間が増えました。例えば、運用広告だけを売っていても、つながりはデザインできないし、その先へ行けないぞというように。お客様との向き合い方とか、何を提供していくべきか考えるときに、脳裏に浮かびますね。

佐々木:
僕もやはり、バリュー・コンセプト・アイデンティティは使いやすいですし、切り出して判断基準にするシーンも増えましたね。ただ、ミッションやビジョンに関しては、まだ小林が言ってるようなことを、僕自身も意識できていないし、自分で噛み砕いて、言語化できてないため、メンバーを巻き込むようなアウトプットにも至っていないと思っています。
まずは、部門内で”Your Choice is Happiness”っていうのはどういうことなんだ、みたいなことを何か言語化するようなラフな場などを設けてみるのもいいかもしれないですね。

棚橋:
他部門と視点が逆かもしれないですが、既存のアフィリエイト事業でいうと、ビジョンの”心はずむ「買う」があふれる社会”が、ある程度イメージ共有できているとも思うんです。あとは、実際のお客様の声などをきっかけに、「今回は、ミッションを体現できた」「僕らのアイデンティティや大切にしてきたことは間違っていない」といったことを、メンバーも実感できて、じゃあそこに紐づくコンセプトであったり、バリューの部分をもっと出していこうかみたいな向き合い方もできるんじゃないかなと。

岩﨑:
私自身は、こうありたいと思ってきたことが、 堂々と会社のアイデンティティやビジョンになったというような感覚ですので、自分自身の変化はあまりないですね。
個人的に一番普遍的であると思っているのがアイデンティティなのですが、部門長ミーティングなどの日頃の意思決定の場面で、「その判断はアイデンティティに反さないのか」といった話が出てきたり、少しずつ使われるようになってきているのは実感しています。

一方、”真摯さ”を研ぎ澄ませば研ぎ澄ますほど、だいたい儲からないっていうジレンマがあるのかなと思っていて、、結局真摯とは言うものの、研ぎ澄ますには至らない微妙な意思決定をしてることの方が、今は多いと思っています。

このアイデンティティを貫き通す上で、多分ずっと抱えるジレンマではないでしょうか。どう乗り越えていったらよいのか、まだ全然解がないですね。

アイデンティティ

▲アイデンティティ
真摯さを研ぎ澄まし、より確かな価値を

小林:
確かに”真摯さ”の基準は、人によって違うのかもしれません。僕自身は、原則に全て則ることで、結果的に誰のためにもなっていない結果を生むことは、真摯さではないように思うんです。市況を含めいろいろな制約もある中で、お客様のためにもエンドコンシューマーのためにもなるような選択をしていくことが、僕らが目指したい真摯さではないかと思いますし、だからこそ、さらに研ぎ澄ましていかなきゃいけないよという、深いテーマだと思うんです。

座談会5


―― それでは、企業理念を掲げることで、今後のクロスゲートがどのようになっていってほしいか教えてください。

小林:
ビジョンという外発的なものではなく、内発的に「自分たちはこれをやっていくんだ」「こういう理想を達成するんだ」というところが明確になったので、それぞれの自分の信念だったり、こういうことやっていきたいみたいな気持ちが、どんどんエネルギーに変わっていくような組織になっていくといいなと思います。

小川:
同感です!ビジョンという大義を掲げているので、僕らからも「こういうふうにやっていった方がいいんじゃない」「こういう動きをしたらいけない」といった提案などもどんどん出していきたいですし、「私はビジョンについてこう思うんだよね。」「いや、これは違う」といった、ビジョンの解釈をぶつけあうような、本気で向き合う人が増えていってほしいです。


―― そうですね。皆の解釈の仕方も違うと思いますし、自分と重なり方やその濃淡も異なると思いますので、時にはぶつかるということも生まれるかもしれませんよね。

石山:
私は、メンバー1人1人が会社単位での成長を自分ごと化できるように、ビジョンは掲げられたんだと思うんです。1年目のとき、「視座を上げて、会社単位でどうなっていきたいか考えた方がいいよ」という言葉をかけていただいたのですが、会社がどうなっていきたいのか、経営がどういうものかもよくわからない状態で、会社単位の成長を考えることは、正直難しいと思ったんです。
でも、今回作ったビジョンの、”心はずむ「買う」があふれる社会”という言葉があれば、おそらく1年目でも、自分ごと化しやすいですよね。「私は、そういう社会にするには、こういうことができるんじゃないかと思います!」と、年次を問わず考えられるようになって、時にはぶつけあう場面が増えたとしても、きっとお互いを高めあっていくことができるんじゃないかなと思います。

佐々木:
今までクロスゲートとして、こうなりたい、こうありたい、こういう社会にしたいっていうことが明言されていなかった中で、初めてビジョンとして”Your Choice is Happiness”という1本の柱になる言葉ができたと思っています。

ビジョンとは、何かに属さないと動けないなど、主体性がない人間が集まって達成できるものではないはずですよね。成し遂げるために、個がどんどん強くなっていく必要があって、そんな個が集まって、組織としてもより強くなっていかねばならないと考えました。

棚橋:
ビジョンは心の拠り所でもあると思いますが、ただ言葉を作っただけでなく、本当にそうだっけといつでも見直すべきものだと思います。上からも下からも、どのレイヤーにいるメンバーであっても意見をあげられるような会社になっていけるといいですよね。

岩崎:
私も、このビジョンがみんなの中で自分ごと化されていき、ビジョンと照らし合わせて、例えばこの事業もうやめた方が良くないですかみたいなことであったり、逆にこの事業をやりませんかみたいなことが、経営者発案ではなくても様々なところから出てくるみたいな状態になってるとすごくよいなと思います。


―― 皆さん、ありがとうございました!
ビジョン達成にむけて、全社一丸で取り組んでいきましょう!

座談会6


・・・


最後まで読んでいただき有難うございました!


◇株式会社セプテーニ・クロスゲート
 https://www.cgate.jp/index.html
◇アフィリエイトネットワークサービス「xmax(クロスマックス)」
 https://www.xmax.jp/

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