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剪画作品紹介

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剪画作品をご紹介します。
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#剪画作品

協力

協力

梅崎 ゆう 作 242×272mm
“Cooperation” by Yuu Umezaki

 和紙の風合いが美しく、ちょっと抽象的な感じのする作品。人体の部分である感じは受けるものの、不思議な雰囲気で、暖かい感じもします。作品展のタイトル「人体」は、梅崎さんの提案だったこともあって、この作品をDMはがきやポスターに採用しました。それでもこの作品には何が描かれているか確信が持てなかったのですが

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よそ者

よそ者

まるぽ 作 105×155mm
“The Outsider” by Marupo

 人の体に無駄なものはないはず…ですが、その機能とは関係なく抜かれてしまう体毛。いまや女子だけでなく、若い男性も脱毛する時代となりました。もともと体を守るために生えている毛にとっては迷惑な時代なのかも知れません。
 そんな状況を、作者のまるぽさんはモノトーンで漫画的に、コミカルに表現しています。しっかりと根を下

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脳の不思議

脳の不思議

宮本 真理 作 272×242mm
“Mysteries of Brain” by Mari Miyamoto

 体の中でももっとも重要な部分…脳。その脳にフォーカスして制作された作品です。
 宮本さんがこの作品を作るきっかけをコメントとして書いてくれたので、それを掲載させていただきます。「いろいろな分野で、この方の脳はどうなっているのかな〜と驚くことが多いです。最近は藤井名人。私は将棋は全く

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スカル

スカル

岡田 桂子 作 110×110mm
“Skull” by Keiko Okada

 見えないところにある骨も、もちろん人体の重要な一部です。岡田さんはスカルの他に手と足の骨も描いています。どの作品も小さなものです。
 写真ではわかりにくいのですが、このスカルの輪郭線は銀色、そしてピンクや藤色、オレンジ色、黄色と全体が優しい色合いで彩色されています。描き方によっては恐ろしげにも、不気味にも見えて

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つかむ

つかむ

坂上 裕子 作 210×297mm
“Handpicking” by Hiroko Sakagami

 人体のうちの一部を描いた作品。今回の作品展では、手を描いた作品が2点出展されています。日常生活の中で、一番使うことが多いからかも知れません。
 触る、掴む、押す、道具を使う…手は本当に様々な動きを行います。無意識に動かすことも多い手ですが、何らかの意図を持って動かすことも多いでしょう。この作品

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稲の波

稲の波

菅谷 順啓 作 242×272mm
“A Wave of Rice Plants” by Jyunkei Sugaya

 もう 1点、水ではない波の作品をご紹介します。
 昨年逝去された菅谷さんの色紙作品を何点かお預かりしています。作品展の度に、その中から出展できるものがないかどうかチェックするのですが、この色紙にこの歌が添えられていなかったら、今回のこの「波」展にふさわしい作品だということに

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瀬戸の海

瀬戸の海

宮本 真理 作 100×148mm
“Seto no Umi - Seto Inland Sea” Mari Miyamoto

 今回の作品展の中で、最初に提出された、一番シンプルな作品です。ゆらゆらとたゆたう波の上に浮かぶヨット。その帆は遠く近く数隻漂っていて、とても幻想的に見えます。
 宮本さんは、紫色の和紙を切り出して、その下に薄い水色のむら染の和紙を置きました。その陰影が、波の揺らぎ

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洗足山の鬼伝説

洗足山の鬼伝説

まるぽ・日野晴美・神田いずみ・小野寺マヤノ作 400×280mm×7枚

 以前制作の工程をご紹介した作品です。この物語をシリーズで制作することになり、まるぽさんが鬼、日野さんが鬼が化けた若者と姫、神田さんが動物、そして私が背景を担当することになりました。映像用に個別に画像をスキャンし、その後にまとめたのが7枚の作品です。
 人間に化けて姫を訪れるようになった洗足山の孤独な鬼と、姫の悲恋の物語。ち

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鬼瓦

鬼瓦

石川 孝 作 242×272mm
“Gargoyle Roof Tile” by Takashi Ishikawa

 鬼は人間の世界で悪さをして、退治されてしまう存在ではありますが、一方その力強さから人間や家などを守るものでもあります。
 鬼瓦は、鬼が魔除けに使われている代表的なものでしょう。最近は立派な屋根も減って、鬼瓦を目にする機会も減っているような気がしますが、オーダーメイドであるた

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働く鬼

働く鬼

戸張 禮子 作 210×297mm
“Ogre at Work” by Reiko Tobari

 作者が書いたコメントがありますのでご紹介します。「奈良に行った時、五重塔の梁をささえる鬼に会いました。仏様に仕える鬼で、顔がごついのにどこかユーモラスで真面目に仕事をしている姿に惹かれました。」
 鬼瓦や仏像の台座など、様々なところで私たちは鬼がそれらを支えている姿を見るでしょう。鬼は通常悪役で

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2023 卯家 記念写真

2023 卯家 記念写真

石野 千鶴子 作 242×272mm
“The Hare Family Photo 2023” by Chizuko Ishino

 干支展では、ウサギの家族を描いた作品もあります。石野さんは卯ファミリーの姿を記念写真という形で描きました。画面には可愛らしいウサギさんたちがズラリと並んでいます。もちろんファミリーなので似ていますが、少しずつ表情が違うのも楽しいです。
 石野さんは周囲に松竹梅の

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廻

成澤 秀麗 作 200×287mm
“What Goes Around Must Come Around” by Shurei Narisawa

 廻は「めぐる」と読みます。
 成澤さんは書家で、本当は6月に開催した「剪書」展の時にギャラリーへの出展をお誘いしていました。が、その時に成澤さんは忙しくなり作品を完成させることができなかったので、今回の干支展で出展していただきました。
 カラフルな

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線香花火

線香花火

宮本 真理 作 305×215mm
“Senko-Hanabi - Sparklers” by Mari Miyamoto

橙色で、線香花火を思い出した方もいます。空に浮かぶ打ち上げ花火に比べると小さな火ですが、バチバチと音を立てながら始める線香火花は、確かにオレンジ色。日本の夏の風情です。
 宮本さんは台紙に紫がかった紺色を使い、切り抜いたところにオレンジ色の和紙を配しました。背景にはごく薄

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ガーベラ

ガーベラ

青山 政枝 作 242×272mm
“Gerberas” by Masae Aoyama

フラワーアレンジメントなどでも良く見かけるガーベラ。赤、ピンク、白、黄色、オレンジ…様々な色を見かけます。花びらの形も一重、八重、半八重、そして大輪に小輪と様々なバリエーションがあるそうです。
 青山さんが描いたのはもちろんオレンジのガーベラ。所々に黄色を入れてオレンジの鮮やかさを強調しています。花束を

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